5月に5回にわたってGoogleの3つのサービス――Gmail、Googleドキュメント、Googleリーダーをご紹介した。さいわいご好評をいただいたようなので、今回は4回に分けて、Google検索の特殊検索、Googleカレンダー、Googleトランジットの基本的な使い方をご紹介しよう。
検索サービスは、数多くのGoogleのサービスおよび技術の根幹となるGooleのメインサービスだ。Web検索や画像検索などは多くの方が活用されていると思うが、GoogleのWeb検索では、通常の検索だけでなく、辞書や計算など、さまざまな特殊検索をサポートしている。
今回はWeb検索を中心に、Googleの提供するこうした特殊検索の使い方ご紹介していく。慣れれば計算機などは不要になる。とくに、Googleツールバーを導入しているなら、いつでも手軽に利用できるので知っておいて損はないだろう。ビジネスの効率アップにぜひ役立てていただきたい。
● 英和・和英辞書として使う
Googleでは、英和・和英辞書を検索するサービスを提供する。辞書の内容は、スペースアルクの「英辞郎 on the WEB」を採用している。
英単語の意味を知りたい時は「英和 watch」のように「英和」の次に英単語を入力して検索する。また、日本語の英訳文を知りたい時は、「和英 最良の選択」というように、「和英」の次に日本語の英訳したいキーワードを入力することで、に収録された英訳を見ることができる。
スペースアルクの「英辞郎 on the WEB」は熟語に強いのが特徴で、前述の「最良の選択」のような熟語も一発で出せるのは非常に頼もしい。ただし、「英和 quite a few」のように英熟語を和訳したい場合、キーワード中のスペースをうまく英辞郎に渡せないことがあるようだ。これは半角スペースが+記号に変換されてしまうためで、「英辞郎 on the WEB」で+記号に変換されてしまった部分を半角に修正して検索し直せば目的の結果を得ることができる。
このほかに、翻訳サービス「Google 翻訳」も提供されている。長文の翻訳やWebページをまるごと訳したい時などはこちらが便利だ。英語と日本語のほか、中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語など23言語の相互翻訳ができ、文章を入力しての翻訳と、URLを入力してのWebページの翻訳機能がある。
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「英和 watch」で検索すると、検索結果のいちばん上に「watchを英和辞書で調べる」と表示されるので、これをクリック
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スペースアルクの「英辞郎 on the WEB」にリンクし、和訳が見られる。熟語の詳細な訳や例文が豊富なのが特長となっている
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英熟語はGoogleから「英辞郎 on the WEB」に移る際に半角スペースが+記号に変換されてしまうので、「英辞郎 on the WEB」上でキーワードを修正する
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「Gooogle翻訳」は、23言語の相互翻訳やWebページの翻訳などの機能を持つ
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● 電卓や単位換算にWeb検索を利用
GoogleのWeb検索で「ルート(3)*64」とキーワードを入力すると、「ルート3×64」の計算結果が表示される。GoogleのWeb検索は、このほかにも多数の計算記号や定数に対応しており、かなり高性能な関数電卓な電卓として利用できる。
さらにメートル法、ヤード・ポンド法、尺貫法などに対応した長さ、重さ、面積などの単位換算、世界の通貨換算もできる。企画書や報告書を作成する上での面倒な計算は、ほとんどGoogleにおまかせでOKだ。
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Web検索のキーワードとして数式を入力すると、計算結果が表示される
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単位換算や定数を利用した計算など、複雑な用途にも対応する
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【GoogleのWeb検索で利用できる計算記号の例】
計算記号 | 行われる計算 |
+ | 加算 |
- | 減算 |
* | 乗算 |
/ | 除算 |
% | 剰余 |
^ | 累乗 |
! | 階乗 |
() | カッコ |
sin(n) | サインn |
cos(n) | コサインn |
tan(n) | タンジェントn |
ルート(n) | nの平方根 |
【単位換算の例】
種類 | 主な単位 | 用例 |
通貨 | ドル、ポンド等の通貨単位。または「インドの通貨」のように国名で入力 | 1ドルをインドの通貨で |
長さ | メートル、インチ、寸、海里、光年、など | 4メートルを寸で |
面積 | 平米、エーカー、畳、坪、など | 8畳を平米で |
体積・容積 | 立方メートル、リットル、cc、ガロン、升、大さじ、など | 20ccを大さじで |
重さ・質量 | kg、ポンド、貫、など | 124kgを貫で |
時間 | 年、日、時、分、秒など | 3年を秒で |
温度 | 摂氏、華氏、ケルビン、℃、F、Kなど | 1華氏を摂氏で |
建造物 | 東京ドーム、霞ヶ関ビルなど | 東京ドームを霞ヶ関ビルで |
【進数の例】
種類 | 進数 | 用例 |
0x | 16進数 | 20+0x4f |
0o | 8進数 | 0o27+0x3a |
0b | 2進数 | 0b10010101*2 |
※異なる進数が混在する計算の解は、最初の項の進数に合わせられる
【定数の例】
種類 |
円周率(pi) |
音速(海面での音速)(pi) |
万有引力定数 |
地球の半径 |
太陽の質量 |
● 検索数の推移で流行を計る
インターネットでの、いわゆる「口コミ情報」が注目されている。手っ取り早く調べるにはブログ検索が適しているが、著名人の名前やメジャーな製品・サービス名など、キーワードによってはブログスパムがひどい。不要な情報を除外して、有用な情報にたどり着くのに手間取ってしまうことも少なくない。
また、公式サイトを知りたいのに、関連のブログやショッピングサイト、アフィリエイトサイトなどが上位に出てきて、肝心の公式サイトが1ページ目に表示されないようなことも多々ある。
こうした場合に、知っておくと便利なのが特定のキーワードを含むWebページを検索結果から除外するオプションだ。たとえば、検索結果でたくさん個人ブログが引っかかってしまうが、公式サイトに行きたいというような場合には、「キーワード -トラックバック」のように検索してみるといいだろう。
ブログにはたいていトラックバックというキーワードが入っているために、これだけでかなりの個人ブログを検索結果から排除することができる。
また、定性的な口コミ情報を調べたい場合には、英語版のサービスとなるが、「Google Trends」が便利だ。サービス自体は英語版だが、キーワードは日本語で入力できる。キーワードを入力するだけで、検索数の変動をグラフ化して見ることができ、よく検索されている国や地域も知ることができる。
「Google Trends」はマーケティングなどの業務に携わるビジネスマンにとっては、とくに有用なサービスと言えるだろう。
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キーワードを入力すると、検索数の変動をグラフとして見ることができる。急上昇した日のニュースを参照することもできるが、日本のメディアにた対応していない
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● 企業情報を収集
「株価 インプレスホールディングス」のように「株価+企業名」で、NIKKEI NETによる上場企業の株価情報・IR情報を調べられる。検索結果に「○○の株価情報」と表示されるので、このリンクを辿ればよい。公式サイトから見ることも可能だが、ページのフォーマットが統一されているNIKKEI NETの方が見やすい。
特殊なキーワードを利用した検索としては、「ヤマト (伝票番号)」でヤマト運輸の配送状況を検索できる機能もある。
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「株価 (企業名)」でWeb検索すると「(企業名)の株価情報」というリンクが表示される
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「ヤマト (伝票番号)」で、ヤマト運輸の配送状況が検索できる
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● 検索対象を、ドメインやURLで絞り込む
特定の企業のサイト等に検索対象を限定したいときには「site」検索オプションを利用し、「ダビング10 site:impress.co.jp」のように、「検索したいキーワード」+「site:検索したいドメイン」を検索窓に入力して検索する。site指定を行うことで、「impress.co.jp」ドメインにあるWebページだけが検索対象となる。
site指定では、検索対象に特定企業や特定サービスを指定する場合のほか、「go.jp」を指定して政府機関、「ac.jp」を指定して教育機関などのような絞り込みも可能だ。
このsite指定と似たような検索オプションに、「inurl」指定がある。こちらはURL内に指定した文字列が含まれれば、どんなドメインも対象とすることができる。たとえば「ダビング10 inurl:impress.co.jp」とした場合、「impress.co.jp」の文字列を含む「はてなブックマーク」のブックマークページ(「b.hatena.ne.jp/entrylist?url=http://internet.watch.impress.co.jp」のようなURLになる)もヒットする。
site指定とinurl指定の大きな違いとしては、site指定ではトップレベルドメイン(「.jp」「.cn」など米国以外では国名にあたるドメインの最上位)まで必ず指定しなければならない点が挙げられる。「impress.co」や「impress」というような指定は利用できないのだ。
これに対して、inurl指定では、URLの一部を指定する形でも問題ない。URLの一部だけを覚えていて最後が「.co.jp」だったか「.jp」だったか思い出せない、というような場合に便利な指定だ。
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特定のニュースサイトやブログの過去記事を探したい場合、政府関連サイトからの情報に絞りたい場合などで、この方法は有用だ
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● ソースとなる日付を限定した検索
時事関係の情報を収集するときには、ニュースソースの日時を限定して検索したいことがある。「Googleニュース」では、「ニュース検索オプション」の指定により、ニュース記事の日付を指定しての検索が可能だ。ただし、過去30日分の記事までしか検索できない。
より古い記事を検索したいときには「Googleブログ検索」が役立つ。こちらは「ブログ検索オプション」の設定により、2000年1月1日まで遡っての日付指定が可能だ。検索対象はブログのみに限定されるので、ニュース記事を集めたい場合にはニュース記事を紹介しているブログを探し、元記事は図書館などで読む、といった工夫が必要になる。
Webの検索の場合、正確な記事の公開日時で検索することはできないが、Googleがインデックスした日時を指定した検索ができる。もちろん、Googleのクロールがさほど頻繁に行われないマイナーなサイトでは、記事の公開日時とGoogleのインデックスした日時に開きがある可能性もある。しかし、新聞社サイトをはじめとしたニュースサイトや巨大掲示板など、メジャーなサービスについてはつねにアップデートされているため、公開日時とインデックス日時のタイムラグを気にする必要はほとんどないだろう。
ただし、Web検索での日時指定は「ユリウス日」という特殊な方法で日付を指定する必要があるので、そのまま使うのは難しい。「Google Daterange Checker」というサービスが公開されているので、こちらを利用すると良い。
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「ニュース検索オプション」では、過去30日の記事のうち検索対象とする日の範囲を設定できる
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「ブログ検索オプション」では2000年1月1日からの任意期間に絞ったブログ記事の検索ができる
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「Google Daterange Checker」で、キーワードと日付の範囲を入力して[Check!]をクリック
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指定した範囲の日にインデックスされたページだけが検索される。簡単なキーワードの場合は公式ページなどが普通に出てくるだけなので、キーワードを選んで検索結果を絞り込むことが必要になる場合もある
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関連情報
■URL
Google
http://www.google.co.jp/
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( 小林祐一郎 )
2008/08/07 16:31
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