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マイクロソフトが記者説明会、Windows 10へのアップグレードをキャンセルする方法を解説

 日本マイクロソフト株式会社は、6月10日の「Windows 10の日」に合わせて、Windows 10の最新情報に関する記者説明会を開催した。

 マイクロソフトがWindows 10を無償で1年間提供した理由について、日本マイクロソフト株式会社業務執行役員Windows&デバイス本部本部長の三上智子氏は、「Microsoftの責任として、ITに詳しくない一般ユーザーを安全なインターネット環境に導くため、Windows 10への無償アップグレードをやるべきだという決断によるもの」と述べた。

 Windows 7の登場から7年が経ち、我々を取り巻く状況は大きく変化した。特にセキュリティの面では、金銭目的で組織化された攻撃が行われるようになり、他人の財産に直接的な被害を及ぼすマルウェアは、2016年末までに200万種が新たに発生するとのことだ。

 日本は言語の問題もあってこれまでは標的にされにくかったが、その分セキュリティ意識が低いため狙われやすくなっている。古いPCなど、セキュリティホールのあるPCを踏み台に攻撃するケースも多く見られるという。

 「現在、Windowsを搭載した10億台のデバイスが標的になっている。Windows 10はアップデートにより常に進化していくので、進化する標的型攻撃にも先回りして対策を提供できる」とし、最新版にアップデートして安全に利用することが非常に大事だとした。

 なお、7月29日以降にWindows 10にアップグレードするには、通常パッケージ版を購入する必要がある点にも留意しておきたい。これまでのWindowsでは提供されていたアップグレードパッケージは提供されない。

日本マイクロソフト株式会社業務執行役員Windows&デバイス本部本部長三上智子氏

 Windows 10への無償アップグレードの通知については、現在すでにWindows 8.1とWindows 7 SP1のユーザー向けに表示されている。まだ8.1へのアップグレードを行っていないWindows 8ユーザーと、SP1を適用していないWindows 7ユーザー向けにも、6月中旬よりサインイン時に通知を表示するとのこと。この通知は、[このメッセージを表示しない]を選べば、以後のサインイン時に表示されなくなる。また、アップグレード期間終了後には、これらの通知は表示されなくなるという。

 日本マイクロソフトのサポート窓口への問い合わせは、多くがアップグレードへの不安、そして新しいOSへの戸惑いだという。「こうした不安やトラブルを解消するため、ユーザーの方が使いたい機能を説明したり、より使いやすい提案を行うことで、結果的には10にしてよかったというケースも多い」(水澤氏)という。

 窓口では、アップグレードをキャンセルして元のOSを使い続ける場合にもサポートを提供するとのことだ。現在、サポート担当エンジニアチームを通常の2倍の人員にしているが、時間帯によっては待ち時間が長くなることもあるという。このため6月末には人員を4倍までに増強するとのこと。「電話以外にも、チャットやTwitter、コミュニティサイトなど、さまざまなサポートチャネルを用意しているので、活用してほしい」(水澤氏)

 アップグレードをキャンセルする方法についても詳細な説明がなされた。[Get Windows 10]画面で、大きく更新日時の表示された下の文字列冒頭にある[ここを]をクリックすると、アップグレードを行う日時を設定できる[Windows 10を入手する]画面が表示される。アップグレードを行う日時のスケジュールについては、7月29日以降には設定できないという。

 [ここを]をクリックした後で表示される[Windows 10を入手する]画面で、[アップグレードの予定を取り消す]をクリックすれば、Windows 10へのアップグレードをキャンセルできる。

 なお、[Get Windows 10]画面で右上の赤い[閉じる]ボタンをクリックすると、Windows 10へのアップグレードを行うスケジュールが自動的に設定されるので、注意が必要だ。

 アップグレードの開始15分前には確認メッセージが表示され、その画面で[後で実行する]を選べば、再度[Windows 10を入手する]の画面が表示される。ここからスケジュールの変更やアップグレードのキャンセルが行える。

 もし、そのままアップグレードを進めてしまっても、アップグレード中に表示される[Windows 10にようこそ]画面の次に表示される[これは法的文書です」の画面で、ソフトウェアライセンス条項(EULA)に[拒否]を選択すれば、Windows 10へのアップグレードは行われず、以前のバージョンのWindowsのままとなる。

日本マイクロソフト株式会社カスタマーサービスアンドサポート水澤玲氏

 「できるだけWindows 10へアップグレードをしていただきたいが、EURAの確認を加えると2回のステップがあり、アップグレードを回避する手段は提供していると考えている」(三上氏)とした。

 なお、6月10日の「Windows 10の日」にあわせて、3つのキャンペーンが開始される。

 エレコム株式会社では、同社のFacebookページで、外付けHDD、マウスにUSBメモリなど「Windows10アップグレードにまつわる七つ道具」をそれぞれ抽選で10名にプレゼントする企画を開始した。応募締切は6月17日。

 ジャストシステム株式会社では、「一太郎 2016」の各バージョンと「Microsoft Universal Foldable Keyboard」のセットを同社オンラインショッピングサイトで販売する。

 株式会社セルシスでは、ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」と自作パソコン応援キャラクター「窓辺とおこ」のコラボレーションパックについて、対象店舗でDSP版Windows 10 Proを購入したユーザーに数量限定でプレゼントするほか、Windows 10利用者向けアンケートの回答者のうち先着100名にもプレゼントするキャンペーンを行う。