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「00000JAPAN」だけに限らない無料Wi-Fiの危険性、内閣サイバーセキュリティセンターが注意呼び掛け

 西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県・広島県・愛媛県において、無料Wi-Fiアクセスポイント「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」の提供が開始されたが、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)では、00000JAPANを悪用したサイバー攻撃に注意するよう、Twitterで呼び掛けている。

「00000JAPAN」を悪用したサイバー攻撃、現時点では未確認

 00000JAPANは、Wi-Fiサービスを提供している通信事業者各社のWi-Fiアクセスポイントを、大規模災害が発生した際に無料で開放するものだ。「00000JAPAN」という統一SSID(ネットワークID)でWi-Fi接続できるようになる。被災者のインターネット接続手段の1つとして利用してもらうことが目的だ。

 ただし、誰でも使えるという利便性を確保するため、Wi-Fi通信の暗号化などのセキュリティ対策は行われていない。そのため、攻撃者によって通信の途中で盗聴されたり、偽のアクセスポイントを使った情報奪取などの危険性があるとNISCでは説明。緊急時のやむを得ない安否確認や情報収集のみに利用すること、ID・パスワードや個人情報の入力、お金が関係するサービスの利用は極力避けること、携帯電話回線が通じる場合は、携帯電話回線経由でインターネット接続すること――を推奨している。

 なお、NISCによると、00000JAPANを悪用した実際のサイバー攻撃があったかどうかについてまでは、現時点で確認できていないという。あくまでも、一般論としての注意喚起をツイートしたものだとしている。

無料Wi-Fiを利用するなら「VPN」使用を

 また、こうした盗聴や偽アクセスポイントの危険性は、00000JAPANに限らず、他の無料Wi-Fiにおいても当てはまるものだ。NISCでも、00000JAPANに限らず、無料Wi-Fiを利用する必要がある場合は、VPNソフトを使って通信するよう呼び掛けている。

 00000JAPANの活動を取りまとめている無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)でも、利用上の注意点として、「『00000JAPAN』のご利用は、緊急時の安否確認や情報収集にとどめるとともに、やむを得ずIDやパスワード等個人情報の入力、金融系のサービス等他の用途でご利用の場合は、HTTPSやVPN等自らセキュリティ対策を行っていただくく必要があります」としている。

※偽アクセスポイント対策、httpsの心得、VPNアプリなど、無料Wi-Fi利用にあたっての注意点については、下記の関連記事も参照してほしい。

無線LANビジネス推進連絡会が2014年5月に行った記者発表会で(2014年5月27日付関連記事『災害時に無料で使える公衆無線LAN「00000JAPAN」を統一SSIDとして提供』より)