「Windows 7」の価格発表、Vistaからの移行キャンペーンも開始


 マイクロソフトは26日、次期OS「Windows 7」の日本におけるパッケージ製品構成と参考価格を発表した。また、26日から、対象製品の購入者がWindows 7アップグレード版を優待価格で入手できる「Windows 7優待アップグレードキャンペーン」と、期間限定の特別価格でWindows 7アップグレード版を予約できる「Windowsありがとう」キャンペーンを開始した。

店頭販売は「Ultimate」「Professional」「Home Premium」の3製品

Windows 7のパッケージ製品と参考価格

 日本で店頭販売されるWindows 7のパッケージ製品は、全機能を搭載した最上位エディションの「Windows 7 Ultimate」、仕事や家庭の両方で利用するユーザー向けの「Windows 7 Professional」、ホームPCユーザー向けの「Windows 7 Home Premium」の3製品。

 価格はすべてオープン価格だが、マイクロソフトでは各製品の参考価格を公表した。参考価格は、「Windows 7 Ultimate」が通常版3万8800円、アップグレード版2万6800円。「Windows 7 Professional」が通常版3万7800円、アップグレード版2万5800円。「Windows 7 Home Premium」が通常版2万4800円、アップグレード版1万5800円。

 アップグレード版の対象となるのは、Windows VistaおよびWindows XP。ただし、上書きでのアップグレードインストールができるのはWindows Vistaのみで、Windows XPの場合には新規インストールのみ可能とされる。

 このほか、企業向けの「Windows 7 Enterprise」はボリュームライセンスで、ネットブックなどを対象とした「Windows 7 Starter」はPCへのプレインストールの形でそれぞれ提供される。また、エントリーユーザー向けの「Windows 7 Home Basic」は新興国向けと位置付けられおり、日本では販売されない。

各エディションの関係をわかりやすく、Home PremiumはVistaより安い設定

藤本恭史氏

 26日に開かれた発表会では、マイクロソフト代表執行役副社長の堂山昌司氏が、Windows 7の開発状況を説明。これまでに、2009年1月にはベータ版、2009年5月にはRC版を提供しており、日本のユーザーからも多数のフィードバックが寄せられていると説明。こうしたユーザーの声から学び、製品版に向けてさらにユーザーに満足してもらえるように作業を進めていくとした。

 コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部Windows本部本部長の藤本恭史氏は、Windows 7の製品構成を紹介。日本では「Home Premium」と「Professional」がWindows 7の柱になると語った。

 また、Windows 7では「各エディションの位置付けをわかりやすくした」と説明。Windows Vistaでは、「Business」にはドメインへの参加など企業向けの機能が搭載される一方で、「Home Premium」に搭載されるエンターテイメント関連の機能などは搭載されなかった。こうした点をWindows 7では改め、「Home Premium」に搭載される機能はすべて「Professional」にも含まれる形となった。

 日本では、ホームユーザー向けのエディションは「Windows 7 Home Premium」のみとなり、安価な「Home Basic」は販売されない。藤本氏は、こうした点も踏まえて、Windows 7の「Home Premium」は、Vistaの「Home Premium」よりも4000~5000円安く設定したと説明した。

 Windows 7の発売日については、米国では10月22日と発表されているが、日本での発売日については発表会では明言を避けた。ただし堂山氏は、7月7日に開催するマイクロソフトの事業説明会までには発売日を明らかにするとした。

「Home Premium」と「Professional」が主力製品各エディションの機能。Home Premiumの機能はすべてProfessionalに含まれる

優待キャンペーンと先行予約キャンペーンを開始

 Windows 7の発売に向けた施策としては、Windows Vista製品の購入者に対して、後日Windows 7アップグレード版を優待価格で入手できる「Windows 7優待アップグレードキャンペーン」が発表された。Windows 7の発売日前日までに、Windows Vista搭載PCや、DSP版、パッケージ版を購入したユーザーが対象となる。

 Windows Vista搭載PCについては、各PCメーカーがそれぞれアップグレード版を購入者に対して提供する。価格は各メーカーによって異なり、有償の場合は3000円前後。既に、NEC、富士通、東芝、ソニー、パナソニックなどPC各社が対応製品を発表している。その他のキャンペーン対象となるPCおよびDSP版については、「アップグレード申込書」が同梱される。

 今回のアップグレードキャンペーンでは、Windows Vistaの単体パッケージ製品の購入者も対象となる。パッケージ製品をアップグレードキャンペーンの対象とするのは、今回が初の試みだという。パッケージ製品にはキャンペーンの対象製品であることが明記されたステッカーが添付され、キャンペーンサイトから申し込むことで、Windows 7アップグレード版が後日提供される。また、申し込みには実費として3000円が必要となる。

 また、早期予約キャンペーンとして、6月26日~7月5日にオンラインショップでWindows 7のアップグレード版を優待価格で予約販売する「Windowsありがとう」キャンペーンも実施する。価格は、「Windows 7 Home Premium」が7777円、「Windows 7 Professional」が1万4777円。

 このキャンペーンについて藤本氏は、「早期に評価プログラムに参加いただいたユーザーへの感謝の気持ちを込めたもの」と説明。日本を含む6カ国のみで展開されるキャンペーンで、10日間のみの先行予約販売となり、数量にも限りがあるという。

 このほか、現在実施中の法人顧客向け先行優待キャンペーンを8月末まで延長すると発表。また、ユーザー向けの企画としては、Windows 7への評価を入力するとグラフで表示し、ブログパーツとして利用できる「I Run Windows 7」プログラムを近日中に実施することも明らかにした。

【お詫びと訂正 6/29】
 記事初出時、「Windowsありがとうキャンペーン」での「Windows Home Premium」の価格を1万4777円としていましたが、正しくは「Windows Professional」の価格が1万4777円です。お詫びして訂正します。

Windows 7優待アップグレードキャンペーンPCメーカー各社が参加
キャンペーン対象PCを購入すると、Windows 7アップグレード版が優待価格で入手できるWindows Vistaのパッケージ製品も対象になる
「Windowsありがとう」キャンペーン。Home Premiumが7777円、Professionalが1万4777円で先行予約できる。7月5日までキャンペーンはオンライン販売でのみ実施される
法人向けキャンペーンは8月末まで延長「I Run Windows 7」プログラムを近日開始

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(三柳 英樹)

2009/6/26 16:47