「書籍のデジタル化は官民協力が重要」、欧州委員会が共同声明
EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会(EC)は7日、米Googleが進める書籍検索サービス「Google Book Search」と著作権に関する会合を開催した。
ECの情報社会およびメディア担当委員のViviane Reding氏と、域内市場およびサービス担当委員のCharlie McCreevy氏は、著作権のルールを尊重して著作権者に公正な報酬を保証するとともに、官民の協力により書籍のデジタル化を進めることが重要だとする共同声明を発表した。
Google Book Searchを巡っては、米国出版社協会などが米Googleに対して訴訟を起こしていたが、2008年10月に和解することで合意。和解案では、図書館との提携によりスキャンした書籍については、著作権の保護期間内であっても、絶版または市販されていない書籍であれば閲覧が可能となり、権利者に対しては書籍の使用を通じてGoogleが得た収益の63%を支払うとしている。
今回のECの会合は、欧州議会などの要請を受けて現地時間7日と8日に開催。Google Book Searchの和解案と、欧州での書籍デジタル化についての議論を行う。
共同声明では、書籍のデジタル化は公共機関が主導する必要があるが、民間企業のサポートも必要な事業だと説明。欧州各国の国会図書館所蔵書籍でデジタル化されているものはわずか1%程度で、官民の協力によりデジタル化を進めることで、膨大な蔵書と新技術の融合が可能になるとしている。また、そのためには権利者不明の書籍や絶版書籍の扱いなど、デジタル時代に即した著作権法規の枠組みを整備することが必要だと指摘している。
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(三柳 英樹)
2009/9/8 18:29
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