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KDDI、MVNO事業を推進する新会社「KDDIバリューイネイブラー」

 KDDIは、MVNO事業を推進する新会社「KDDIバリューイネイブラー株式会社」を設立したと発表した。

 KDDIバリューイネイブラー(KVE)は8月18日付で設立されたKDDIの100%子会社で、資本金は1億円、代表取締役社長は菱岡弘氏。

 KDDIは、さまざまなMVNOやブランドが登場していることで、多くの企業から「KDDIはやらないのか」といった類の問い合わせや要望を受けていたという。今回設立されたKVEが、MVNOとしてパートナー企業にサービスを提供することで、パートナー企業は自社ブランドにて、低価格志向のユーザー向けに通信サービスを提供できるようになる。

KDDIバリューイネイブラーと位置付け

 KVEは、「mineo」を提供しているケイ・オプティコムと同じMVNOという位置で、KDDIから回線の卸提供を受ける。価格など卸提供の条件は、制度上、ケイ・オプティコムなどほかのMVNOと同じで、KVEだけが優遇されることは「絶対にない」としている。

 KVEは、いわゆるMVNEではなく、契約やIDの管理、ユーザーサポートなどを含めて提供するMVNOにあたる。通信サービスを、自社ブランドで販売したいパートナー企業向けに提供することで、パートナー企業は、課金管理やサポートといったハードルの高い初期投資をすることなく、自社ブランドの商品ラインナップに通信サービスを加えることが可能になる。この取り組みにおいては、パートナー企業はMVNOではないことになる。

 端末については、パートナー企業次第とする部分があるものの、要望に応じて、KVEがKDDIのネットワークに対応する端末を調達し、パートナー企業が販売できるようにすることは可能としている。

 KVEはこうしたパートナー企業向けのサービスを中心に事業を展開する方針だが、MVNOであるKVE自身のブランドでも通信サービスの提供を検討している。

 同社は年内に詳細を案内するとしており、パートナー企業向けのサービスも年内の開始をめどに進めている。

(太田 亮三)