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【不定期連載】

使ってみました!インターネットショッピング決済技術

第11回「Cyber Chip System(サイバーチップシステム)」

https://ccs.pega.synnet.or.jp/

 新聞などで、インターネット決済に関する記事を見ない日は少ない。セキュリティの問題、新しい電子決済サービスなどさまざまだ。新しい決済サービスは多数生まれているものの、現状でこれがスタンダードと言えるものはまだない。
 このシリーズでは、現在実用化されている決済サービスの信用性や「本当にお金を払ってまで使う価値があるの?」といった不安要素などを検証し、さまざまな支払い方法(決済技術)を体験レポートする。

 さて、11回目はインターネット上でショッピングの支払いと個人間の譲渡ができるプリペイド式の仮想通貨システム、CCS(Cyber Chip System)を紹介する。

インターネット上の仮想現金

 ペガジャパンは、インターネットで最適なビジネスはデジタルコンテンツの販売と考え、これに適した決済方法としてCCSの運営を'95年から開始した。CCSは仮想プリペイド方式の決済システムだ。指定された銀行口座に金を振り込むなどして、あらかじめCC(Cyber Chip)と呼ばれるポイントを購入しておけば、世界中どこからでもWWWブラウザーからIDとパスワードを入力することで利用できる。仮想銀行「サイバーバンク」がインターネット上の通貨としてCCを発行し、1CC=1円換算で決済をする。提携店への支払いだけでなく、会員同士でもCCのやりとりが可能なので、個人売買の決済にも使える。'98年10月現在、会員数31,000名、加盟店数250店舗。

使い始めるのは簡単

口座開設までの流れ

 1.Webよりサイバーバンク口座開設の申込み
 2.会員登録完了の確認メールを受信後、必要な金額を入金する
 3.入金完了

Webよりサイバーバンク口座開設の申込み(0分)

 サイバーバンク一般会員登録は「必要事項入力→内容確認→パスワード入力→ID番号確認」といった流れで行なう。CCSではWWWブラウザーの「Cookie」の機能を使っているが、パソコン環境によってCookieがうまく受け取れない場合があるので、申込む前にテスト用のWebサイトで動作確認が必要だ。ペガジャパンによれば、特にMac OSでInternet Exploler(IE)を使用した場合にエラーが発生することが多いという。動作確認には、テスト用のWebサイトでテスト商品を購入する。自動的に「商品読み出し中」に変わるのでそのまま待ち、15秒程度で「CCS動作確認が完了しました」と表示されればテスト終了だ。

 次に一般会員登録から一般会員の申込みを行なう。Web上の申込書に名前、連絡先、精算銀行口座、アンケートを入力する。登録した内容の確認が表示され、入力ミスがないことを確認しよう。次に男女5名ずつのイラストが表示され、この中から1名をセキュリティ担当者として選択する。最後にログイン時のパスワードを入力するとID番号が表示される。

 ここに出てくる「セキュリティ担当者」とは何か? 支払いや精算などの際にアクセスするWWW上の「ログインカウンター」にアクセスしたとき、入会時に選んだ担当者のイラストが毎回表示される。毎回同じ「セキュリティ担当者」のイラストが表示されるだけなので、何の意味があるのかペガジャパンに確認してみた。
 例えば悪意を持った人が、見た目はサイバーバンクのログインカウンターと同様の偽ログインカウンターを作り、ユーザーにIDとパスワードを打ち込ませてデータを入手しようとする可能性がある。このような偽ログインカウンターを防ぐものとして「セキュリティ担当者」が役に立つということだ。正規ログインカウンターでIDとパスワードを入力すると、「セキュリティ担当者」が表示されるので、表示されなかったり担当者が違えば、おかしいことに気が付けるわけだ。セキュリティ担当者は会員ごとに違うため、まったく同じログインカウンターを作成するのは難しい。

■会員登録完了の確認メールを受信後、必要な金額を入金する(8時間後)

 申込みを行なって会員申込みが完了した旨のメールが届く。この状態では口座が開設されただけなので、口座残高は0円のままだ。早速メールに書いてある銀行口座に金を振り込む。入金時には、迅速に確認できるように振込者氏名の欄には「名前と会員番号」を記入しておくと良い。一度に入金できる金額の上限は決まってはいない。ただし、振込手数料は自己負担だ。また、万一サイバーバンクの責においてトラブルが発生した場合の補償上限額は一般会員で3万円なので、3万円以内が妥当なところかもしれない。

■入金完了(16時間後)

 銀行から14時頃に入金してから約1時間40分後、入金確認とポイント発行の連絡メールが届く。あまりの処理の速さに驚いた。ちなみに郵便局から振り込んだ場合は、確認に4~5日程度かかるとのこと。

 サイバーバンクのCCには「キャッシュタイプ」という分類があり、ペガジャパンに
直接振込んだ場合はCCから現金へ払い戻しが可能な「CashType-1」となる。振込以外では、アコシスを使って入金できる。あらかじめアコシス会員になっておく必要があるが、銀行口座引落しなので振込に行く手間がかからない上に振込手数料も無料なので便利だ。ただし、現金への払戻しができない「CashType-2」となる。

商品を購入してみる

サイバーバンク使用時の大まかな流れ

 1.商品を選ぶ
 2.申込み内容と金額を確認し、支払い条件を選択する
 3.利用明細の確認

商品を選ぶ

 現在、競馬関連のコンテンツに力が入っているらしく、その数は30にもおよぶ。その中から競馬財テククラブを使ってみる。1レース100CCの厳選プロ予想より、フロムCの「CCSで見る」を選ぶ。サイバーバンクにログインしていない場合は自動的に共通ログインカウンターが表示されるので、ID番号とパスワードを入力する。なお、先にログインしていた場合は表示されない。

申込み内容と金額を確認し、支払い条件を選択する

 すぐ「商品購入確認」に画面が移るので、商品内容と金額を確認し、支払いに使うCC残高のあるキャッシュタイプを選択する。良ければ商品購入ボタンを押す。画面が「商品読み出し中」に変わり、約10秒後に着順予想が表示された。この時点で「アクセスエラー(ロランエラー)」と表示された場合は、画面の指示に従って認証情報の設定を行なえば正しく見られる。万一うまくいかない場合はペガジャパンに問い合わせてほしい。




利用明細の確認

 しばらくすると「CCS-Report」という表題のメールが到着する。サイバーバンクの利用明細は1時間ごとに集計されメールで届く。なお、利用明細の確認はメールのみ
でWebから利用履歴の確認はできない。

CCSのサービスを活用する

 サイバーバンクでは、CCを提携店での利用はもちろん、会員同士でのCC送付や精算
(現金への払戻し)ができるが、これらの機能を「キャッシュタイプ」によって制限している。

キャッシュタイプ

提携店支払

会員CC送付

精算

CashType-1(現金振込)

CashType-2(アコシス)

×

CashType-3 

×

×

@ポイント

×

×


              

 ペガジャパンに直接現金を振込みCCを購入した場合、提携店での利用、CCの送付、精算のすべてが利用できる「CashType-1」となる。アコシスを利用してCCを購入した場合、現金への払戻しができない「CashType-2」となる。これは利用者がCC購入後即座に払戻しを行なったとき、事実上のキャッシングになる恐れがあるためだ。また、ゲームコインの様な用途を考えている「CashType-3」は、他の会員へCCを送付することや精算はできず、提携店のみの利用となる。@ポイントは特定の提携店のみだ。

 サイバーバンクのサービスを活用するためには、ログインカウンターからIDとパスワードを入力し、ログインする。間違えがなければセキュリティ担当者とCC残高、CCSメニューが表示される。CCSメニューには「ログアウト、残高確認、CC送付、精算請求、パスワード変更」の5項目があるが、「ログアウト、残高確認、パスワード変更」はその名の通りなので説明は省く。

 「CC送付」は会員同士でCC(ポイント)を譲渡するとき使う。CCを送るには受け取る相手のID番号が必要だ。手数料としては送付額の5%(最低5CC)がかかり、送付額から差し引いた額が受取手に届く。例えば1,000CCを送った場合、受取側には950CCが届くわけだ。また最低手数料として5CCがかかるため、送付額の下限は6CC(相手に届くのは1CC)だ。「CashType-1」、「CashType-2」のCCが送付可能。送付から受取り相手に届くまでの所要時間は1秒以内と瞬時で処理された。

 「精算請求」ではCCS口座に残っている「CashType-1」のCCを、会員登録の際に指定した銀行口座へ払戻すことができる。精算に関してはサイバーバンクの手数料はないが、指定したCCから銀行の振込手数料を差し引いた金額が振込まれる。一度に精算できるCCは1,000CC以上と決まっているが、退会時はこの限りではない。精算を申し込んでから振り込まれるまでは、申込日の翌日から数えて7日後とちょっと遅い。

ポイント流通システム

 システムを構築する上で、セキュリティ担当者といった工夫がこらしてあり好感がもてる。しかしコンテンツの有効期限の表示をする仕組みをCCSで持っていないのは残念。このため提携店に「商品番号:○○ 有効期限:購入から10日間」といった具合に記述してもらっているようだが、実際には提携店ごとにまちまちなので分かりにくい。また、通信によるトラブルなどコンテンツがうまく見れなかった時や購入したコンテンツを有効期限内に再度見る場合でも、「エラーしたURLを記録しておいて更めて表示させる」といった方法で対処しており、きちんとした仕組みがない。このため初心者には困難だろう。CCをどのように使ったかを知るための利用履歴をWeb上で確認できない点も残念だ。

 CCSは「ポイント流通システム」といえる。キャッシュタイプにより現金と等価の場合もあるし、ゲームセンターのメダルのように使える範囲を制限することもできる。また、サイバーバンクでは利用者を一般会員、提携店を特別会員とも呼ぶように、CashType-1を利用する分には利用者と提携店との違いはほとんどない。提携店への支払い手段としてだけでなく、個人で使える仮想現金がない今、CCSはネットワーク上を転々流通できる電子貨幣として有効だろう。

CCS スペック

●口座開設にあたって

 1.年齢18歳以上
 2.電子メールアドレス
 3.日本国内の銀行口座

●利用にあたって

プラットフォーム:SSL及びCookieが使えるブラウザー

●費用
一般会員:年会費1,000円(現在はキャンペーン中のため無料)
     決済手数料5%(最低5CC)
●免責
一般会員3万円を超えない範囲

●利用技術
SSL、Cookie

◎評価基準(三段階評価)

設定の簡便 :★★1/2
 ○基本的に設定はなく、日本語環境でSSL及びCookie対応のWWWブラウザーさえあれば、即利用できる。ただし、Mac OSでIEを利用した場合はトラブルが起こりやすいようだ。

安全性の配慮
★★1/2
 ○WWWブラウザーでCCSにログインや支払いをする場合は、SSLを利用しているので見られる可能性は低い。
 ○セキュリティ担当者によりユーザーID、パスワードの流失時に対する対策がなされている

利用金額  :★★★
 ○特に上限はない。

使いやすさ :1/2
 ○加盟店で利用できるほか、会員間の価値交換もできるのが特徴的。
 ○CashType-1で入金するためには、金融機関から振込みをする必要がある。
 ○料金の入金手段を何通りも用意している。
 ○コンテンツの閲覧が異常終了した場合の対策や再度閲覧する場合の分かりにくい。
 
('98/10/22)

[Reported by Watcher小林(chibiayu@sag.bekkoame.ne.jp) ]




第1回「TSM(トッパン・セキュア・モール)」
/www/article/970509/ec.htm

第2回「BitCash」
/www/shopping/bitcash.htm

第3回「アコシス」
/www/shopping/acosis.htm

第4回「First Virtual Internet Payment System(ファーストバーチャル)」
/www/shopping/fv.htm

第5回「QQQ Members Commerce System(サンキューシステム)」
/www/shopping/qqq.htm

第6回「CyberCash(サイバーキャッシュ)」
/www/shopping/cyberc.htm

第7回「Smash(スマッシュ)」
/www/shopping/smash.htm

第8回「P-Click(ピークリック)」

/www/shopping/pclick.htm

第9回「コンビニ収納代行システム」
/www/shopping/wellnet.htm

第10回「WebMoney」
/www/shopping/webmoney.htm

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