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地図・位置情報関連の16社がヤフーに集結、「ジオ展2017」4月21日開催

「ジオ展2017」公式サイト

 空間情報を軸とする“ジオ”ビジネス企業の合同展示会「ジオ展2017」が4月21日、ヤフー株式会社の本社オフィス(東京都千代田区紀尾井町)内で開催される。この展示会は昨年11月、6社が参加して第1回を開催。第2回となる今回は規模を拡大し、出展企業は倍以上の16社に増えた。開催場所は、ヤフーが運営するコワーキングスペース「LODGE」。入場料は無料で、詳細ページに申し込みフォームがあるほか、混んでいなければ直接現地に行っても入場できる。

会場となるヤフー株式会社のコワーキングスペース「LODGE」

 今回初めて出店する企業の1つに、昨年6月に設立された合同会社MIERUNEがある。同社はOpenStreetMapの地図データを活用し、独自デザインで配信するウェブ地図提供サービス「MIERUNE地図」を提供している。同サービスは、低コストで導入が可能で印刷など二次利用が可能、さまざまなデザインに対応可能といった特徴を持ち、これまではサンプルとしてシンプルなデザインのみを提供していたが、今回のイベントでは、もう少し凝ったデザインについても紹介する予定だという。

合同会社MIERUNEの「MIERUNE地図」

 また、株式会社ナビタイムジャパンのブースでは、訪日外国人向けアプリ「NAVITIME for Japan Travel」利用者のGPS測位データをもとに、訪日外国人旅行者の国内回遊状況を「市区町村間の移動」という単位で地図上に可視化したインタラクティブなビジュアライザー「Round Trip Analyzer」を紹介する。

株式会社ナビタイムジャパンの「Round Trip Analyzer」

 LODGEを運営するヤフーも出展。IndoorAtlas社による地磁気を使った屋内測位技術や、「Yahoo!カーナビ」のプローブ情報から今回のイベント用に情報を切り出し、加工した特別展示などを行う。ヤフーでは、「地図、位置情報に関するソリューションを持つ企業が集まるイベントのため、出展企業や参加者の皆さまとのコラボレーション効果を見込んでいます。また、開催場所も弊社のコワーキングスペースでのフリーイベントで、どなたでも気軽に参加いただけるため、そうした参加企業・個人・学生との間の相互交流で、ジオ業界を一緒に盛り上げていければと考えています」とコメントしている。

 このほかの出展企業は、第1回にも出展したインクリメントP、ヴァル研究所、NTT空間情報、ESRIジャパンなどに加えて、ロケーションインテリジェンスのプラットフォーム「CARTO」の日本向けサービスを提供するPacific Spatial Solutions, LLC、スマートフォンを活用したフィールド業務支援サービス「iField」などを提供するマルティスープ、VR制作ツール「Flic360Make」を提供するLIFE STYLE、全周囲カメラを使ったモバイルマッピングシステムを提供する岩根研究所など、多彩な顔ぶれとなっている。

 さらに、企業だけでなく、オープンソースのJavaScriptライブラリ「Cesium」を使ったデジタルアースコンテンツを制作する首都大学東京・渡邉英徳研究室、災害時にドローンによる空撮を行って災害状況を地図に反映する「ドローンバード」プロジェクトなどを推進しているNPOのクライシスマッパーズジャパンなども出展する。

 地図・位置情報ソリューションの定番製品はもとより、訪日外国人の回遊状況の分析や、フリーな地図データを使った独自デザイン地図の配信サービス、ドローン空撮による地図作成など、ジオ関連の最新事情にも触れられるこのイベント、ソリューションを導入予定の企業だけでなく、ジオ業界への就職を検討している学生なども訪れてみてはいかがだろうか。

片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。