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趣味のインターネット地図ウォッチ

第80回:地図視点で新生活の部屋探し、「いつもNAVI」不動産検索


 ゼンリンデータコムが運営する地図・ルート検索サイト「いつもNAVI」が、同サイトの機能を拡張して、不動産情報の検索機能を追加した。この機能は、住宅・不動産情報のポータルサイト「HOME'S」の情報をもとにしたもので、「HOME'S」が収録する135万件もの物件を地図上で確認できる。4月から新生活が始まる人にとっては、新居探しに役立つサイトとして注目だ。

経路検索や絞り込み検索が可能

 この手の不動産情報は、不動産会社のサイトが独自に提供するのが一般的だが、今回は既存の地図サイトのいち機能として提供される。実は「HOME'S」サイト自体もGoogle Maps APIを利用して地図上で物件を確認できるサービスを提供しているのだが、インターフェイスは「いつもNAVI」とは全く違っている。「いつもNAVI」のほうがルート検索機能などの付加価値があり、地図的な使い勝手は上回っているようだ。


いつもNAVI
(C)2010 ZENRIN DataCom CO., LTD.
賃貸・マンション・不動産検索の初期画面
(C)2010 ZENRIN DataCom CO., LTD.

 まずは「いつもNAVI」のトップページにアクセスして、「地図から賃貸・マンション・不動産検索」というバナーをクリックしてみよう。地図上には「マン」と書かれた赤い丸や、「アパ」と書かれた緑の丸が並んでおり、これが物件を示すアイコンとなっている。

 アイコンの種類は「マン」(マンション)、「アパ」(アパート)、「戸」(一戸建て)、「P」(駐車場)、「事」(店舗・事務所)、「他」(その他)の6種類で、「11.3万円 1K」とか「14.9万円 1LDK」といったように賃料と間取りが示されている。クリックすると詳細情報のウィンドウが開き、さらに「詳細」や「空室確認」といったリンクが用意されている。


アイコンをクリックすると詳細情報を表示
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賃料が100万円以上の高額物件のみを抽出
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 また、「ここへ行く」というリンクもあり、これをクリックすると物件への経路を調べられる。物件をゴールとして、スタート地点をクリックで指定し、移動手段を選択すれば経路が調べられるので、最寄りの駅からの所要時間もすぐにわかる。

 このような機能は、「HOME'S」の本サイトで提供されているGoogle Maps APIを用いたサービスでは利用できない。「HOME'S」のほうは地図上のアイコンをクリックすると付近の物件一覧が表示される仕組みになっており、地図上から確認できる情報は限られている。

 絞り込み検索が充実しているのも便利だ。全物件は「借りる」と「買う」の2つに分けられており、6種類のアイコンのどれを抽出するかを選択できる。価格も上限と下限をプルダウンメニューから選択することで、自分に合った価格帯の物件を選べる。また、例えば賃貸物件の下限を「100万円〜」にして、上限を「上限なし」に設定すれば、高額物件だけを抽出することもできるので、都内で最も賃料が高いマンションを探したりと、興味半分に検索しても十分楽しめる。


物件をゴールしてスタート地点を指定
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車または電車・徒歩のルートを調べられる
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駅や自治体の区分けを越えた柔軟な物件探し

 ところで、このように地図上で不動産情報を確認できるようにしたことで、どのようなメリットが生まれるのだろうか。まず挙げられるのは、その物件の近くにある駅などの位置関係をしっかり把握できる点だ。

 例えば東京の世田谷区のように私鉄が密集するエリアにおいて、下北沢の近くにある物件にしようと小田急線沿線の物件を探しているとする。目当ての物件を地図で見たら、実は東急世田谷線の三軒茶屋駅にも近いことがわかり、世田谷線沿線で物件を探す手もあるのだと気付く――。地図上で確認することで、こんな風に鉄道の駅や市区町村の区分けにとらわれない柔軟な選び方ができる。土地勘のない場所に引っ越す場合は、駅や幹線道路との位置関係がわからないので、地図を見ながら物件探しをすることで気付かされることも多いはずだ。

 特にマンション名などは、少し離れていても強引に人気の地名を使う場合もあるので、実際に行ってみたらイメージとかけ離れた場所に建っていたということもよくある。「いつもNAVI」の地図上で事前に確認することで、このような失敗が少なくなるだろう。

 また、アイコンに賃料と間取りが書いてあるので、エリアごとの賃料の違いなどもわかりやすい。例えば水戸街道を都内から下っていくと、浅草を過ぎて曳舟のあたりは1Kやワンルームで7〜8万円の物件が多いが、荒川を越えて柴又まで来ると、5万円台の物件がちらほらと出てくる。さらに江戸川を越えて千葉県の松戸まで来ると、3万円以下の格安物件なども登場する。このようにエリアごとの賃料の相場がわかるので、自分の予算ではどのあたりの街で探せばいいのかわかる。


鉄道路線が密集しているエリアで探すと思わぬ発見がある
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市町村界や河川を境に賃料が変動する様子がわかる
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住宅地図との連携機能も用意

 このほか、ゼンリンの住宅地図との連携機能も見逃せない。縮尺バーの下に「住宅地図」というボタンがあるので、ここをクリックすると住宅地図の購入画面が表示される。オンラインで手に入れるには、@Nifty IDを使って購入する方法と、携帯電話(NTTドコモ)で購入する方法と2通りある。

 価格は、PCのディスプレイ上で画面表示する場合、大きさが約195m×195mの範囲で105円とリーズナブルだ。物件の周りにどんな店があるのかを詳しく調べたいときは、この住宅地図サービスを利用するといいだろう。


住宅地図の見本 MAPPLE不動産

 地図サイトと不動産情報データベースの連携というと、「ちず丸」の「MAPPLE不動産」というサービスがあるが、こちらは地図でエリアをクリックして指定できる機能と、物件の位置を地図上に示す機能だけで、「いつもNAVI」のように地図のスクロールに追随して物件のアイコンを次々と表示させる機能はないのが残念だ。検索機能がかなり充実しているだけに惜しいので、今後の進化に期待したい。

 アパートやマンションの物件を調べるときに最も気にしなければならないのは、その物件の場所であり、周囲の施設との位置関係である。できるだけ便利で自分に合った場所に住むためにも、これらのサービスを有効に活用していただきたい。


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2010/2/25 06:00


碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース、コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。