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趣味のインターネット地図ウォッチ

第85回:鉄道路線や駅を正縮尺で表示するiPhoneアプリ「鉄地図2010」


鉄道路線や駅を正縮尺で表示するiPhoneアプリ「鉄地図2010」

 鉄道路線の地図というと簡略化された路線図を思い浮かべる人が多いと思うが、地図上のどこに駅があるかを確認したい場合には、やはり正縮尺地図を見たいものだ。今春、このようなニーズに応えるiPhoneアプリ「鉄地図2010」が登場した。


東京メトロ半蔵門線の渋谷駅を選択 地図上にある駅のリストを表示可能 選択された路線は太線で強調表示される

 「鉄地図2010」は日本全国の鉄道路線や駅を正縮尺でiPhone上に表示するアプリで、587路線・1万375駅を網羅している。背景にはGoogle Mapsを利用しているので、地図の拡大縮小やスクロールなどは、使い慣れたGoogle Mapsの操作法をそのまま使える。

 検索機能も充実しており、駅名や路線名で検索して目的の駅を地図表示できる。駅名は漢字および読み仮名を入力すれば候補が表示され、路線も鉄道会社別に整理されている。

 駅をタッチで選択すると、地図上にピンの目印が降ってきて駅を指し示し、上部の駅情報パネルに駅名や路線名が表示される。選択された路線は太線で強調表示されるので、縮尺を小さくしても路線のルートが見やすい。この状態で駅情報パネルの左右矢印をタッチすると、隣駅に次々とジャンプして移れる。

 地図画面下の「地図中の駅」をタッチすると、現在表示されているエリアの中にある駅のリストが表示される。また、選択中の路線上にある駅の数や、選択中の駅からの乗換路線の数なども確認できる。

 さらに、iPhoneのGPSを利用して現在地の最寄り駅を探索する機能も用意されており、駅までの直線距離もわかる。都内など地下鉄の駅が多い地域で、現在地から最短の駅を探したいときなどは便利だ。なお、GPS機能はiPod touchでは利用できない。


路線上の駅リストには乗換路線の数も表示 駅ごとに乗換路線を調べられる GPS機能を使うと最寄り駅までの距離を調べられる

起動時に自動的に現在地を表示させることも可能 路線検索の画面 路線ごとの駅名リストも見られる

 リリース以来、新幹線のデータが追加されたり、GPSによる最寄り駅の探索機能が追加されたりとアップデートが行われており、いまもこのアプリは進化中だ。

 このアプリには経路探索機能や時刻表の表示機能などはないので、あまり実用性を感じない人もいるかもしれない。ただ、鉄道路線が地図上をどのように通っているかを確認したり、乗換路線を確認したりする用途には役立つし、なによりも鉄道ファンなら眺めているだけでも楽しいのではないだろうか。価格も115円と安いので、ぜひ一度試していただきたい。

URL
 鉄地図2010
 http://itunes.apple.com/jp/app/id362015892?ign-mpt=uo%3D2

相鉄線の運転席動画や駅周辺の地図を見られる「相鉄アプリ」

 相鉄ホールディングスは、iPhone/iPod touch用アプリ「相鉄アプリ」を提供開始した。同アプリは相鉄電車に関連したコンテンツを閲覧できるサービスで、サービスによって有料のものと無料のものがある。PCからiTunesを経由するか、またはiPhone/iPod touchのApp Storeにアクセスしてダウンロードできる。

 用意されているコンテンツは、5月3日現在、相鉄ホールディングスが発行するPR誌「相鉄瓦版」の全ページと、相鉄線の電車運転席から撮影した「相鉄線運転席動画」、相鉄線の写真集「相鉄電車写真館」、相鉄線の各駅を拠点としたウォーキングコースを地図で紹介する「駅からさんぽ」の4種類だ。

 「相鉄瓦版」は、PC向けWebサイトでも公開されているPR誌で、相鉄線関連のニュースや沿線の見どころなどが紹介されている。注目は「ぶらり寄り道!沿線スポット」で、駅ごとのグルメ情報や公園の情報などを紹介している。住所や地図も掲載されているので、iPhoneをガイドブック代わりに使える。また、「駅からさんぽ」でも、イラスト入りの親しみやすい地図でウォーキングコースを紹介している。

 「相鉄線無料動画」は、9000系車両の運転席から撮影した映像を見られる。運転席からの映像はふだんは見られないものだけに、相鉄ファンにとっては貴重な映像だろう。なお、現在公開されているのはサンプル版のみで、将来的には区間別の全線の映像を有料で配信する予定だ。「相鉄電車写真館」も現在公開されているのは無料のサンプル版のみで、今後は有料で画像を選択販売する予定となっている。

 このほか、「横浜ケーブルビジョン」の番組で、神奈川県内の店やウォーキングコースなどを紹介する動画も配信する予定だ。

 鉄道ファンの見どころはなんといっても「相鉄線運転席動画」だが、「駅からさんぽ」など地図を交えた沿線情報も充実しているので注目だ。相鉄線に乗るときは、このアプリをインストールしたiPhoneを片手に散策を楽しんでみてはいかがだろうか。


コンテンツリスト 「相鉄瓦版」画面 「駅からさんぽ」画面

「相鉄線無料動画」のサンプル動画

URL
 ニュースリリース(PDF)
 http://www.sotetsu.co.jp/news_release/archives/PDF/100414_02.pdf
 相鉄瓦版
 http://www.sotetsu-group.co.jp/kawaraban/default.htm

鉄道の運行状況を地図上に表示する欧州のサイト

 国内で鉄道関連のiPhoneアプリが続々と登場している一方で、海外では一歩進んだ鉄道コンテンツを提供するPC向けWebサイトが人気を呼んでいる。スイス国内の鉄道の運行状況を確認できる「Swiss Trains」だ。これはGoogle Maps APIを利用した正縮尺の鉄道地図上を列車が移動する状況を見られるコンテンツで、アクセスすると無数の列車アイコンが移動するさまを確認できる。

 列車のアイコンは「S」や「IC」、「EC」などさまざまな種類があり、マウスポインターを重ねるとウィンドウがポップアップして詳細情報が表示されて、出発地や目的地、移動速度など詳しい情報を確認できる。デフォルトではチューリッヒの市内が表示されるが、スクロールで別のエリアに移動して他地域の運行状況を確認することも可能だ。

 ちなみにこれらの運行状況は時刻表をもとに作成されたもので、列車にGPSを付けて本当の現在地を示しているわけではない。ただ、GPSを活用して真の現在地をリアルタイムで表示させる計画もあるという。


Swiss Trains

 なお、同じような地図がフィンランドのヘルシンキでも配信されている。「Live Helsinki Transit Map」というサイトだ。残念ながらこちらはフィンランド国内全域ではなくヘルシンキの市内限定だが、市内を走るトラムの運行状況をわかりやすく視覚化している。

 こちらはデフォルトでは鉄道路線が示されていないが、列車のアイコンをクリックするとウィンドウがポップアップするので、下段の「Nayta reitti」(aはウムラウト付き、路線ルート)にチェックを付けるとと路線が赤く表示される。また、隣の「Nayta pysakit」(aはウムラウト付き、停留所)にチェックを付けると、駅(停留所)が表示される。

 スイスやフィンランドに行く予定はなくても、これらの運行状況を眺めているだけで、そこに暮らす人たちの息づかいが伝わってくるようでなかなか面白い。日本でも同じようなコンテンツが登場するのを期待したいものである。


Live Helsinki Transit Map

URL
 Swiss Trains
 http://www.swisstrains.ch/
 Live Helsinki Transit Map
 http://transport.wspgroup.fi/hklkartta/

2010/5/6 06:00


片岡 義明
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。