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第105回:アキバに突如出現! GPS専門ショップ「輝けGPS!」訪問レポート


 今年1月、秋葉原に新たなショップがオープンした。その名も「輝けGPS!」。実はこの店、GPS機器が好きな人の間ではかなり有名な通販サイト「GPSDGPS」が出店したリアル店舗なのだ。これまでも秋葉原にはGPS機器を扱う店がいくつかあったが、いずれも他の機器との併売で、専門店といえるようなところはあまり見当たらなかった。そんな中で登場した「輝けGPS!」とは、いったいどのようなショップなのだろうか。店内の様子や品揃えについて詳しくレポートしよう。

「輝けGPS!」店内 スタッフの北岡智さん(左)と横山正孝さん(右)

気になるGPS機器の実機に触れる専門店

 店の場所は神田キリスト教会の近くにある「中部ビル」の4階(東京都千代田区外神田3-7-14、営業時間11時〜20時、水曜休)。取材時点ではビルの外装工事が行われており、大きな看板が出ていないので、初めて訪れる人は少しわかりづらいかもしれない。

「輝けGPS!」が入るビル

 派手な店構えではないが、明るくゆったりした店内は不思議と落ち着く。扱っている機器はGPSロガーやGPSコンパス、サイクルコンピューター、ドライブレコーダーなど幅広く、商品点数も少なくはないが、それらがところ狭しと飾られているわけではなく、整然と並べられている。どちらかというと、店というよりは展示会のブースのような感じだ。

 そんな中でひときわ目を引くのが、店内の中央に置かれたスポーツ自転車だ。サイクルトレーナーにセットされて、室内でもペダルを漕げる状態にしてある。ハンドルバーには数台のGPS機器が搭載されており、前面には「こいで!」と書かれた紙が貼ってある。サイクル用GPSはホイールのケイデンス(回転数)センサーを搭載した機器が多く、それらの情報がどのように表示されるかを実際に漕いで確認できるというわけだ。

 展示品はこれだけではない。奥には単体のGPSロガーやサイクル用GPSが展示されており、実際に手に取って液晶画面の表示をチェックできる。また、PC用ディスプレイも置かれており、ドライブレコーダーで撮影した画面を閲覧可能だ。このようなGPS機器を店頭で実際に手に取れるショップは少ないが、GPS機器は持ち運んで使うものだけに、できれば購入前に実物に触ってサイズや重さをチェックしておきたいものである。「輝けGPS!」はこのようなニーズに応えた店だといえる。

 ふと奥を見ると、なにやら壁に太いバーアンテナが付いている。これはGPSの「再放射アンテナ」と呼ばれるもので、屋外で受け取ったGPS信号を屋内に放射する装置のことだ。これによって屋内でもGPS信号が受信可能となり、良好なGPS信号の中で展示されているGPS機器をじっくり試すことができる。ちなみにこの再放射アンテナも購入することが可能だ。


シンプルでゆったりした雰囲気の店内 壁面に取り付けられた再放射アンテナ

発売予定の製品も店内に展示

「輝けGPS!」の運営会社は、北海道上川郡東川町(旭川市のお隣)にある株式会社ジーアイサプライという会社である。そのルーツは1990年代に設立された株式会社ティンバーテックという会社で、もともとは林業や農業、測量、野生生物調査などの分野で位置情報関係のソリューションを官公庁や民間企業に提供してきた。ジーアイサプライはコンシューマー向けの製品を扱う会社として設立され、現在はコンシューマー用GPSを扱う通販サイト「GPSDGPS」や、GPSドライブレコーダーを扱う「GPSどら」、測量用品や野生動物調査機器を扱う「GIShop」、GPSコンパスの専門サイト「GPSコンパス」などを運営している。

「GPSDGPS」 「GPSどら」 「GIShop」

 ジーアイサプライは海外メーカー製のGPS機器の販売店でもあり、「輝けGPS!」で扱っている製品のほとんどは海外から直接仕入れている。海外のGPS機器は製品サイクルが短く、少々の不具合を持っていてもそのまま発売されてしまうことが多いので、日本で発売するにあたってはメーカー側と話し合いながらバグの修正を依頼したり、日本語マニュアルを作成したりする必要がある。メーカーと連携して調整や検証を行うには確かな技術力とノウハウが求められるわけだ。「輝けGPS!」に行けば、そんなGPSを知り尽くした同社のスタッフから適確なアドバイスが得られる。

 「ドライブレコーダーやGPSロガーなどは、実際に商品を見ると『小さい!』と驚く方が多いんですよ。ショップというよりは、ショールームのような感覚で気軽に立ち寄っていただきたいですね」とスタッフの北岡智さん。開店したときは、以前からGPSDGPSを利用していたファンの顧客が数多く訪れたという。すでに発売されている製品はもちろん、これから発売が予定されている製品が展示されていることもあるので、GPSの新製品に敏感な人は、定期的に訪れると思わぬ新情報が得られるかもしれない。

GPS搭載のドライブレコーダーが大人気

 それでは「輝けGPS!」にはどのような商品があるのかを見ていこう。北岡さんによると、最近の売れ筋はなんといってもGPSドライブレコーダーだという。ドライブレコーダーとは、衝撃を感知して映像を記録する機能を持った車載用カメラのことで、これにGPSが搭載されたものが人気を集めているという。GPS機能付きのドライブレコーダーであれば、動画データをPCに転送して専用ソフト上で見ることで、動画がどの場所で撮影されたのかを地図上で確認できる。

 動画の動きに合わせて地図上の目印も動くので、どの地点からどのような景色が見えるのかも記録できるわけだ。衝撃時だけでなく、通常時の映像を記録し続けられる機能を持ったドライブレコーダーもあり、そのような機種ならツーリングやレースの映像記録を残す用途にも使える。

 GPSドライブレコーダーで一番の売れ筋は「DR-1000」という機種で、1万3881円(4GB SDカード付き)と手軽な価格と画質の良さがユーザーに支持されている。最近になってマイナーチェンジモデルの「DR-3000」や、前方だけでなく後方の記録も可能な2CHモデル「DR-2000」も発売されたばかりで、こちらも人気だ。

 「エンジンを止めた状態でも、バッテリーが上がらないようにチェックしながら車がイタズラされないかを監視する機能も付いています。防犯用品としても使えるので、価格の割には付加価値がとても高い。ディスプレイ付きで、その場で映像を再生できる『VD-3000J』という製品もあり、これならいちいちPCを使わなくてもすぐに映像をチェックできます。」(北岡さん)

 海外製のドライブレコーダーは国産より低価格で、HD対応など高機能な製品のリリースも早い。お得感が高いので、国産で欲しいモデルが見つからない人にはおすすめだ。また、最近では自動車用だけでなく、自転車やスノースポーツで使えるようにバッテリーが内蔵された「ContourGPS」というカメラも発売となったばかりで、「輝けGPS!」にも展示されている。同店ではこのような商品を“GPSアクションビデオカメラ”と呼んでおり、今後はこのような製品も増えていくと思われる。

「DR-1000」と「DR-2000」 ディスプレイを搭載した「VD-3000J」
バッテリー内蔵の「ContourGPS」 「ContourGPS」のサンプル動画

サイクル用GPSや単機能のGPSロガーも充実

 ドライブレコーダーと並んで人気があるのが、サイクル用GPSだ。

自転車に乗って試せるGPSサイクルコンピューター

 ケイデンスや心拍数の測定機能を搭載したWintec社の「WSG-2000」が多機能なGPSサイクルコンピューターとして売れている。また、簡易ナビゲーション機能を備えたCanmore社の「GP-101」なども、6880円と安価なため人気だ。GP-101はデジタルコンパスを内蔵しており、消費カロリーの計算機能なども備えている。

 これに加えて、bryton社の「Rider30」および「Rider50」という商品も近日発売予定で、Rider50は市街地の地図も内蔵している。PC上で作成したルートを転送してナビゲーションする機能や、エクササイズのスケジュールを“ワークアウト”として登録する機能なども搭載している。さらに、記録したログや移動距離、速度、心拍数などをウェブのコミュニティサイトに投稿することも可能だ。他社製品だと「ルートラボ」などの別サービスと組み合わせる必要があるが、Riderシリーズならデータを転送して投稿するまでの過程がインターネットの中だけで完結するので利用しやすい。最近はGPS機器で記録したさまざまなデータをインターネット上に投稿するサービスの人気が高まっており、投稿機能の強化はトレンドとなっている。

 単機能のGPSロガーでは、定番商品であるHOLUX社の「M-241」に加えて、Wintec社の「WBT-202」やTransystem社の「TripMate850」、5Hz対応ロガーの「747Pro」や「TripMate852」が人気だ。5Hz対応ロガーというのは、普通のGPSロガーが1秒間に1回までしか位置情報を記録できないのに対して、1秒間に5回も記録できるロガーのことを意味する。自動車のサーキット走行など、高速で移動する物体に取り付けてログを取るには最適なアイテムだ。

 このほか、デジタル一眼レフのアクセサリーシューに取り付けて撮影した画像にジオタグを付加できる「Bilora Photo Geotagger GT-01」や、電子コンパスの専用機「GD-101」なども注目だ。また、ランニング用GPSとしては、この連載でも以前紹介した「ARES GPS」に加えて、台湾の大手GPS機器メーカーであるGlobalSat社の「GH-625」や「GH-505」などを販売している。さらにIPX7の防水仕様で水に浮くGPSロガー「GT-31」や「BGT-31」などもウインドサーフィンなどの分野で人気が高い。

今春に発売予定の「Rider50」 「Rider50」のソフト
「M-241」をはじめGPSロガーを多数展示 「747Pro」(手前左)と「TripMate852」(手前右)
高機能GPSロガーの「TripMate850」 「Bilora Photo Geotagger GT-01」
「GD-101」 「GT-31」

頭上にロガーをセットできるオリジナルキャップ

 以前から「GPSDGPS」でGPSロガーなどを購入すると「GPS収納キャップ」というオリジナルの帽子がプレゼントとして付いてきたが、「輝けGPS!」でロガーを購入しても同じようにプレゼントとして付いてくる(対象商品に限る)。このキャップには頭頂部にGPSロガーなどを収納できるポケットを備えており、ここにロガーをセットして使えば、遮るものがない最適な場所にアンテナを固定できるので、良好なログを取ることが可能となる。

 北岡さんいわく、「GPSでログを取るときに最も悪影響なのは遮へい物です」とのこと。胸ポケットなどにしまってしまうと、自分の体自体が遮へい物となって誤差が大きくなってしまうので、それを防ぐためにGPS収納キャップは有効とのことだ。帽子だけを買うと2310円もする商品なので、これがおまけとして付いてくるのはかなりお得感がある。さらに近日、このGPS収納キャップの新たなモデルも発売予定だという。新しいキャップは基本的に単体で販売されるそうで、どのようなデザインになるか楽しみだ。ほかにもGPSを自動車や自転車に搭載するためのマウントや、防水ボックスなどさまざまな商品が販売されている。

GPS収納キャップ 頭上にGPSを収納

 GPS以外の製品としては、官公庁向けに販売している野生動物撮影用のセンサーカメラや、Kestrel社のハンディ気象計なども販売している。「位置情報と一緒に気温なども記録したい方がけっこう多いので、気象計も販売しています。GPS内蔵の気温センサーはあまり正確ではないので、将来的にはこのような気象計にGPS機能が付いたモデルが発売されるといいですね」と北岡さん。もちろんGPS機器用のアクセサリーやケーブルなども数多く取りそろえてある。

野生動物撮影用のセンサーカメラとハンディ気象計 Kestrel社の気象計を幅広くラインナップ
USBやPS2でPCと接続して使うマウス型GPS サイクル用マウントや防水ケースなども用意

 「GPSというと普通の人にはカーナビや携帯電話でしか知られていませんが、ほかのGPS機器の存在をもっとお客さまに知っていただくためのショールームのような存在を目指していきたいと思います。特にGPSドライブレコーダーやGPSアクションビデオカメラなどは最近登場したばかりなので、そういう付加価値の付いた製品をこの店でお客さまに手に取っていただいて、認知度を高めていきたいですね。お客さまの中には店に来たら購入しなければいけないと思われている方もいらっしゃいますが、私どもとしては製品に対するお客さまの理解が進めば、それでいいと考えています。」(北岡さん)

 ドライブレコーダーのサンプル映像はYouTubeなどに数多く投稿されており、インターネット上でもある程度の情報を得ることは可能だが、GPS機器のようにボタンの多いガジェットは、実際に手に取って操作してみないとわからないことが少なくない。そのような使い勝手を気軽に試せるような専門店を目指している「輝けGPS!」は、秋葉原を訪れる地図フリークにとって見逃せないショップとなりそうだ。


関連情報

2011/3/3 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。