趣味のインターネット地図ウォッチ
第125回:海外の地図/バスに関するスマートフォンアプリ/サイト特集
今回は、最近リリースされた地図関係のAndroidスマートフォンアプリやスマートフォン向けサイトの中から、注目の新作や機能追加について紹介したい。特に今年後半にリリースが多かったのは「海外」および「バス」をキーワードとするアプリ(サイト)だ。年末年始に海外旅行を計画している人や、バスを使う機会の多い人は要注目だ。
●海外地図をSDカードに保存可能、ルート案内も可能な「いつもNAVI[海外]」
株式会社ゼンリンデータコムは、各国の広域地図から市街地の詳細図まで幅広く収録したAndroidアプリ「いつもNAVI[海外]」を11月にリリースした。アプリ本体のダウンロードは無料で、利用料は月額315円。ドコモのマイメニューによる決済で支払う。
現在、対応しているエリアは、ソウル/釜山/済州島(韓国)、ニューヨーク/ロサンゼルス/サンフランシスコ/ラスベガス(米国)、台北(台湾)、中国、バンコク(タイ)、香港、ローマ/ミラノ(イタリア)、シドニー/メルボルン(オーストラリア)、パリ/ベルサイユ宮殿/モンサンミシェル(フランス)、シンガポール、ベルリン/ミュンヘン(ドイツ)、バリ島(インドネシア)、ロンドン(イギリス)、トロント(カナダ)、バルセロナ/マドリード(スペイン)、フィリピン、オーストリア(ウィーン)、デリー/ムンバイ(インド)の各都市で、最終的には世界約130の国と地域のデータを収録する予定だ。また、日本についても日本全図および東京・大阪・名古屋の近郊図を収録する。
地図や施設情報などのデータはあらかじめダウンロードしてメモリカードに保存しておける。ダウンロードした地図は3G回線やWi-Fiを切った状態でも閲覧することが可能なので、海外での通信料金を抑えられる。
地図中の各施設には日本語訳も記載されているので見やすく、旅行ガイド本の付録地図を見ているかのようだ。海外GPSの対応機種であれば、現在地の測位や現在地から目的地までのルート案内も行える。このほかスポット検索や乗換案内、世界遺産・観光スポット・グルメ・ショッピングなどの紹介や、通貨計算機能、約130の国・地域の基本情報、世界121都市の週間天気予報なども収録されている。スポット紹介は施設ごとに概要や内装、アクセス、評価などを詳しく紹介しており、出発前に旅行プランを練るときにも役立つだろう。
地図画面では周辺スポットの検索やお気に入りスポットの登録や閲覧、距離の測定なども行える。ユニークなのは行き先を伝えるためのトラベル会話機能で、これを選択すると地図上に位置を指し示す指のアイコンが表示されて、吹き出しに「Please take me here.(ここへ行って下さい)」と表示が出る。現地の人に案内を請う時やタクシーに乗った時にも、この機能を使えば簡単に意志を伝えられるわけだ。この場合に表示される言語は、米国なら英語、中国なら中国語、各国に対応したものとなる。
これとは別に、旅行時に役立つ基本表現を利用シーンごとに確認できる「トラベル会話」というコーナーもある。現時点では英語・中国語(繁体字/簡体字)、韓国語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ドイツ語、フランス語が用意されている。
このほか、各都市の地下鉄路線図や鉄道路線図なども収録されている。乗換案内機能に対応している路線図もあり、出発駅と目的駅を路線図のタップで指定すると、乗換情報や所要時間などがわかる。
買い切りではなく月額制なのがちょっと気になるが、海外旅行に行く機会の多い人ならばかなり重宝するだろう。現在の段階では詳細地図はまだ大都市のものしか用意されていないが、今後、対応する国や都市のさらなる充実を期待したい。
ニューヨークの詳細図 | イタリアの広域図 |
トラベル会話機能 | 地下鉄路線図 |
◆アプリ概要
http://www.its-mo.com/stc/service/overseas/index.html
◆いつもNAVI[海外](Android Market)
https://market.android.com/details?id=net.zmap.android.kaigaimap
●無料で利用可能な乗換案内サービスの海外版「海外地下鉄案内」
「乗換案内」で知られるジョルダン株式会社は、海外渡航者向け経路検索サービス「海外地下鉄案内」を11月に提供開始した。NTTドコモの「dメニュー」(「周辺ガイド>海外でも使える周辺ガイド(海外周辺ガイド)>国・地域選択>乗換案内)からアクセスできるほか、ブラウザーに直接URLを入力してアクセスすることも可能で、この場合はAndroid、iPhoneともに利用できる。
対応している都市はデリー(インド)、ソウル/釜山(韓国)、香港、北京/上海(中国)、台北(台湾)、バンコク(タイ)、シンガポール、シドニー/メルボルン(オーストラリア)、トロント(カナダ)、ロサンゼルス/ニューヨーク/サンフランシスコ(米国)、パリ(フランス)、バルセロナ/マドリード(スペイン)、ローマ/ミラノ(イタリア)、ウィーン(オーストリア)、ロンドン(イギリス)、ベルリン/ミュンヘン(ドイツ)。
使い方は発駅と着駅を直接入力するか、路線および駅名のリストから選択するかして指定し、「検索」をタップするだけで簡単に調べられる。列車に乗っている時間および乗り換え時間が表示されて、トータルの所要時間がわかる。経路は複数のルートが提示されて、[早]や[楽]といった特長も表示される。
「いつもNAVI[海外]」にも似た機能が搭載されているが、こちらの海外地下鉄案内は無料サービスとなっているので、乗換案内機能だけが必要な場合はこちらを使うといいだろう。ただし地下鉄の路線図などは掲載されておらず、使用にあたっては路線図や地図を別に用意して見比べながら使う必要がある。
海外地下鉄案内 | 経路探索の結果 |
◆海外地下鉄案内
http://ab.jorudan.co.jp/
●全国の200以上のバス情報を追加した「駅すぱあと 経路案内」
株式会社ヴァル研究所は、無料のAndroidアプリ「駅すぱあと 経路案内」に全国200以上のバス事業者の情報を追加した。これにより、同アプリ上で路線バスやコミュニティバスの経路案内が可能となった。例えば「経路案内」にて出発地または目的地の欄に「葛西」という地名を入力すると、「葛西」や「葛西臨海公園」のほかに「葛西駅前/都営バス」「葛西トラックターミナル/都営バス」といったバス停の名も候補に表示される。
経路の検索結果には、バスだけを使ったルートのほか、必要ならばバスと鉄道を組み合わせたルートも提示される。従来提供していた鉄道の経路検索と同じ使い勝手を実現していて利便性はかなり高いし、無料というのもうれしい。
ちなみに「駅すぱあと 経路案内」は姉妹アプリ「駅すぱあと 路線図」と組み合わせることで、鉄道の路線図をタップすることで出発地や目的地を指定することが可能となるが、残念ながらバスの路線図は用意されていない。東京都内など無数のバス路線が交錯している都市では、バス路線図が用意されているとかなりわかりやすくなるので、バス路線アプリの登場も期待したい。
経路探索の条件入力画面 | 探索結果 |
◆駅すぱあと 経路案内(Android Market)
https://market.android.com/details?id=jp.co.val.expert.android.searchroute
●不動産情報アプリ「SUUMO」に、バス停の位置や物件までのルートを調べられる機能
株式会社リクルートが運営する不動産・住宅サイト「SUUMO」は、Androidアプリ「SUUMO」にバス停検索機能を追加した。SUUMOは全国各地の賃貸物件や購入物件を検索できる無料アプリで、物件によっては所在地をGoogle マップ上で確認できるものもある。今回の機能追加により、Google マップで物件の所在地を表示させると、右下に「バス停を表示する」というボタンが表示され、このボタンをタップすると最寄りのバス停が地図上に表示されるようになった。
バス停を示すピンをタップすると、「バス停情報を表示しますか?」というウィンドウとともにバス停名およびバス事業者名が表示される。ここで「はい」をタップすると詳細情報を表示。さらに「徒歩ルート」というボタンをタップすると物件からバス停までのルートをGoogle マップ上に表示する。
さらに、バス停の詳細画面の下部にある「経路」という欄には、そのバス停を通るバス路線のリストが表示されており、いずれかの路線をタップするとその路線の起点から終点までのバス停をすべて地図上に表示させることが可能だ。これにより、物件を選ぶ際に、通勤や通学の足としてバスをどのように活用できるかを検討できる。鉄道だけでなくバスの利用も考えて物件選びをしている人にはぜひおすすめだ。
物件の周辺にあるバス停を表示 | バス路線の全ルート表示 |
◆SUUMO(Android Market)
https://market.android.com/details?id=jp.co.recruit.android.suumo
●「駅探★乗換案内」のスマホサイト、月額210円でバス情報が利用可能
駅探は、スマートフォン向けサイト「駅探★乗換案内」をリリースした。また、同名タイトルのAndroidアプリも全面リニューアルを行った。サイトおよびアプリはともに基本機能は無料で利用可能で、月額210円の有料会員になると、より高機能なサービスを利用できる。なお、本サービスを利用できるのはNTTドコモのspモード決済に対応したAndroid端末のみとなる。
スマートフォン向けサイトでは鉄道の乗換案内のほか、駅周辺の地図やルートナビなどを利用できる。さらに有料会員登録すると、通常の検索だけでなく「途中急げば早く着きます」「1本遅くても間に合います」「前の列車でも到着は同じです」といったさまざまなアドバイスを表示する「おまかせアドバイス」が利用できるほか、よく利用する駅や経路、時刻表をMYデータに登録できるようになる。また、バス情報も利用可能になり、路線バスに加えて高速バス、リムジンバス、深夜急行バスなどの時刻表が確認できる。
アプリ版では従来のデザインをゼロから見直して、シンプルでわかりやすい表示となった。検索結果も左右のフリックによりスムーズに切り替えられるようになり、使い勝手が向上。駅や路線の状況をユーザー間で共有できる「リポート」機能も追加された。車内にいるユーザーの生の声がリアルタイムに届くので、現在の状況がよくわかる。席が座れるかどうかといった混雑状況や、遅延情報が表示されるのも便利だ。なお、スマートフォン向けサイトで会員登録すると、アプリでも「おまかせアドバイス」機能や「MYデータ」機能が利用可能となる。
高機能なサイト版とアプリ版の改訂により、より使い方の幅が広がった駅探のサービス。特に、サイト版でのバス停の時刻表がわかる機能が魅力的だ。バス情報は有料版でしか利用できないのが残念だが、路線バスを多用する人ならおすすめだ。14日間無料で有料機能が使えるお試し登録も可能なので、試しに申し込んでみてはいかがだろうか。
スマートフォン向けサイトのトップページ | バスの時刻表 |
Androidアプリはリニューアルしてシンプルに | 有料会員になると表示される「おまかせアドバイス」 |
◆駅探★乗換案内(スマートフォン向けサイト)
http://sp.ekitan.com/
◆駅探★乗換案内(Android Market)
https://market.android.com/details?id=com.ekitan.android
2011/12/8 06:00
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