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趣味のインターネット地図ウォッチ

第130回:首都圏外郭放水路の“地下神殿”内部を走れるAndroidアプリ ほか


 今週末には「東京マラソン 2012」が開催され、市民ランナーとして参加する読者の方もいらっしゃるかもしれない。今回は“走る人”のためのAndroidアプリを2本紹介したい。ただしリアルランナー向けというわけではなく、実際には走らなくてもスマートフォンのフリック操作でランニング気分を味わえる「FLICK RUN」というアプリだ。そしてもう1本は、クルマで走る人のための「ドライブシンクロナイザーG:O」。カーナビアプリだが、ドライブシーンに合わせて音楽を自動選曲するというユニークな機能が特徴だ。

首都圏外郭放水路の“地下神殿”内部を走れるAndroidアプリ

 タブレット端末やスマートフォン特有の操作の1つに“フリック”があるが、このフリック操作により地図上でランニングを楽しめるユニークなアプリが登場した。株式会社NTTドコモがリリースしたAndroidアプリ「FLICK RUN」だ。Android Marketからダウンロード可能で、価格は無料。対応OSはAndroid 2.2以上。

 同アプリは、スマートフォンの画面を指先2本でフリックすることでGoogle マップ上を走れるアプリ。地図上で自分の位置が移動するにつれて、ランナーの目線からの景色も連動して表示されるので、まるで実際に走っているかのような気分になれる。

 用意されているコースは、代々木公園や皇居一周、戸越銀座商店街、東京タワー階段、富士サファリパーク、首都圏外郭放水路、おはらい町、スチールドラゴン2000、東京湾アクアライン、ベイブリッジ、ダイヤモンドヘッド、ワイキキビーチ、マノアフォールなど。

首都圏外郭放水路。巨大な柱が林立するその独特な景観から“地下のパルテノン神殿”と称されることも

 走りたいコースを選ぶと地図(航空写真)の画面が出て、上部にコース図が表示。地図上に指先を置く丸印が「SET」という文字とともに表示される。この丸印に人差し指と中指をセットすると、カウントダウンの後にスタートとなる。上部が風景の画像に切り替わり、フリックの走りと連動して動いていく。風景画像は静止画だが、次々と画像が切り替わるので、実際に風景が流れているように見える。

 走り終えるとタイムやフリック数を表示するとともに、他のユーザーの成績も含めたランキング中で何位なのかも表示される。また、これらの結果に応じてメダルも獲得できる。

起動画面 メニュー画面 コース選択画面
スタート画面。地図上の2つの丸印に指を重ねるとカウントダウンが始まる 走行中の画面 ゴールの画面

 FLICK RUNは1月にリリースされたが、2月に入ってさらに大きなアップデートも行われた。まず、用意されたコースだけでなく、地図上の好きなルートを指定して走れる「RUN FREE STYLE」モードが追加された。Google マップ上でスタート地点およびゴール地点を指定してルート検索し、そのルートに沿って走ることが可能だ。ただしこのモードでは残念ながら風景画像を見ることはできない。

 さらにTwitterやFacebookなどのユーザー間でたすきをつなぎ、チームを組んでタイムを競う駅伝形式の「walk with you」モードが搭載されたほか、追加コースとしてホノルルマラソンと同じコースもリリースされた。フルマラソンの距離である42.195kmをまるごと走れるので、実に走り応えがある。

タイムやフリック数などが表示される 「RUN FREE STYLE」でのルート検索画面 「RUN FREE STYLE」の走行画面
距離別やフリック数別、コース別のランキングを用意 指を擬人化してトレーニング解説 友だちと組んで駅伝ができる「walk with you」

 ちなみに移動スピードについては、実際のランニングよりもかなり速く設定されている。例えば筆者の場合、代々木公園や戸越銀座商店街ではだいたい1kmあたり1分といったところ。これくらいのペースで移動できるなら、短いコースならば空いた時間にサッとフリックランニングを楽しめる。設定ペースはコースによって異なり、例えば東京タワー階段では遅めで、42.195kmを走るホノルルのコースではかなり速めになる。

 地図アプリというと実用性の高いものが多いが、FLICK RUNのようなエンターテインメントに徹したアプリというのもなかなか面白い。仕事に忙しくてなかなか走る時間を取れないというランナーは、FLICK RUNで走った気分を味わってみてはいかがだろうか。

FLICK RUN(Android Market)
https://market.android.com/details?id=jp.co.nttdocomo.flickrun.flickrun.dap

ドライブシーンに適した音楽を自動的に選んで再生するカーナビアプリ「G:O」

 ドライブ中に音楽を聴くのが好きな人におすすめのカーナビアプリが登場した。株式会社ミックウェアがリリースしたAndroidアプリ「ドライブシンクロナイザーG:O」だ。対応OSはAndroid 2.1〜2.3。対応解像度は800×480〜960×640ピクセル。

 同アプリはドライブ中のさまざまなシチュエーションを検出して、シーンに最適な音楽や効果音を再生し、ドライブシーンを演出するアプリ。地図データや現在地、ナビ情報、時刻の組み合わせによりBGMや効果音を決定する。

 用意されているシーンは、「ドライブ準備中」「オープニング」「一般道(日中)」「一般道(夜間)」「高速準備中」「高速加速」「高速巡航」「トンネル」「休憩」「速度超過」「エンディング」「目的地到着」の12種類。同アプリをインストールすると、シーンごとにmicroSDカードにフォルダーが作成される。

 インストールした時点で無償で聴ける28曲の楽曲データが収録されており、各シーンのフォルダーに楽曲データが格納される。ミックウェアのウェブサイトで動画デモが掲載されているので、どんな音楽が収録されているかを確認したい場合はこちらを見ていただきたい。また、ユーザーが独自のテーマを作成して、各フォルダーに好きな音楽や効果音を保存して好みの音楽環境を作ることも可能だ。再生可能なファイル形式はAAC/MP3/WMA/OGG/WAV。

シーンごとのフォルダに音楽データが格納される

 地図データはカーナビ用地図として広く使われている株式会社トヨタマップマスター製を採用。スマートフォンのローカルストレージに保存可能で、保存先にmicroSDを指定することもできる。また、詳細スケール地図および目的地データは利用エリアを必要な分だけ個別に選んでダウンロードできる。

 詳細地図は建物の形状や施設名などは少なめで、カーナビゲーションに特化した地図という感じだ。交差点の拡大図ではコンビニや銀行などのアイコンが示されるが、Google マップなどに比べると情報量は少ない。横画面表示に対応していない点と、中縮尺で国道の号数が強調表示されない点も残念だ。デザインは緑を基調としたType Aと明るめのType B、夜間表示に良さそうな暗めのType Cの3種類が用意されている。

東京駅周辺(Type A) 東京駅周辺(Type B) 東京駅周辺(Type C)
中縮尺の地図 小縮尺の地図

 目的地はフリーワードや住所、電話番号から検索可能で、音声検索も可能。検索対象エリアを地図上で指定することもできる。このほか、お気に入り地点の登録機能や目的地の履歴を400件まで表示する機能などを備える。

 ナビゲーション中の表示は、交差点での地図拡大図表示や立体交差点での3Dイラスト表示、高速分岐3Dイラスト表示、高速略図表示、案内略図表示など、各種案内表示が充実している。また、音声案内や交差点でのレーン案内、オートリルートなどの案内機能も搭載しており、ルート選択も「おまかせ」「有料道」「一般道有線」「距離優先」の4種類から選択できる。

検索画面 画面上をダブルタップすると四隅のボタン機能が変わる ルート検索結果
交差点での案内 ルートの内容をリスト表示 3D案内表示も収録

 操作性については、画面の四隅にスケールの拡大・縮小や検索ボタン、ノースアップ/ヘディングアップ切り替え、音楽ミュートなどさまざまなボタンが機能ごとに入れ替わるというユーザーインターフェイス(UI)を採用している。独特のUIに最初は戸惑う人もいるかもしれないが、慣れるとけっこう使いやすい。

 なによりも、シーンごとにさまざまなミュージックが再生されるのが面白い。シーンが12種類とかなり細かく分かれており、細かく切り替わるので、あらかじめ収録されている音楽だけでもけっこう楽しめると思う。音楽の切り替わりは前の曲をフェードアウトすると同時に次の曲をフェードインするクロスフェード再生を行うので違和感も少ない。

 トンネルに入った時などはGPS信号の受信状況で検知し、トンネル用のBGMに自動的に切り替わる。トンネルの距離や進入時の速度からトンネルを出るまでの時間を予測し、出口のGPS受信状況と組み合わせてトンネルを出ると元の曲へと復帰するという風に、シーンが変わるのに合わせて音楽がスムーズに切り替わるように内部で複雑な処理を行っている。自分の好きな音楽を入れてカスタマイズすることもできるし、今までにない楽しさが味わえるカーナビアプリと言えるだろう。

 価格については、2月17日現在でセール価格として1000円で販売されているが、これには1年の利用制限があり、1年後に継続して使用するには「地図利用チケット」の購入が必要となる。チケットの価格は2000円の予定とのことだ。

 ちなみにこのアプリ、リリース直後にサーバーへアクセスが集中したせいか地図データがダウンロードしづらかったり、一部挙動がおかしい部分があったりと問題もあったが、それからかなりの頻度でアップデートを重ねており、次第に安定度が高まり細かい使い勝手もどんどんよくなってきている。シーンに合わせた音楽再生機能は他社のカーナビアプリにはないユニークな機能なので、個性派のナビアプリとして今後の進化に期待したい。

ドライブシンクロナイザーG:O特設サイト
http://www.micware.co.jp/Products/2012/go/
ドライブシンクロナイザーG:O(Android Market)
https://market.android.com/details?id=micrew.android.autobahn


2012/2/23 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。