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趣味のインターネット地図ウォッチ

第137回:海上保安庁、海洋情報をいろいろ重ね合わせられるFlash地図 ほか


海上保安庁、海洋情報をいろいろ重ね合わせられるFlash地図

 海上保安庁は、海洋に関するさまざまな情報を地図上で見られる「海洋政策支援情報ツール」をウェブサービスとして提供開始した。

トップページ

地図画面

 これまでも海上保安庁は海洋情報のデータベース「海洋情報クリアリングハウス(マリンページ)」を提供してきたが、今回の「海洋政策支援情報ツール」ではGIS(地理情報システム)として一元的に閲覧できるようになっており、海底地形や航路、海流などのさまざまな情報を目的に応じて取捨選択し、地図上に重ね合わせて表示できる。これにより、従来よりも手軽にデータを閲覧できるようになった。

海洋情報クリアリングハウス

 閲覧できる主な情報は以下の通りで、計52項目が用意される。

  • 背景図:白地図、公共地図、海底地形画像、領海線、船舶通航量等
  • インフラ情報:海底ケーブル、航路標識、海上構造物、海上保安部署等
  • 環境情報:湿地、干潟、海獣類生息地、海水浴場、沈船、海底障害物等
  • 社会情報:航路、漁業権設定区域、港湾区域、米軍演習区域、低潮線保全区域、史跡等
  • 海洋情報:水深、海上気象、海流、水温・塩分等

 

背景図を「公共地図」に設定

背景図を「深海用(領海線)」に設定

背景図を「近海用(領海線)」に設定

背景図を「船舶通航量」に設定

 このほか、表示できる項目は海にあるものだけでなく、火力発電所や史跡、名勝など陸上のスポットも含まれる。珍しい情報としては日本近海の「沈船」ポイントや「ウミガメ産卵地」「海獣類生息地」なども収録されている。

 官公庁のウェブサービスとしてはUIがかなり洗練されていることにも注目だ。ページ右上のメニューから「背景図」をクリックし、用意されている中から選択すれば背景が切り替わり、この状態でメニューの「計測/メモ」を使えば測定したいエリアの面積や長さを測れる。

 さらに「情報項目」を選択して、基本情報・社会情報・インフラ情報・環境情報・海洋情報の中から表示させたいカテゴリを選ぶと、地図上にウィンドウが表示される。例えばインフラ情報なら火力発電所・海底輸送管・海底ケーブルなどの小項目が並ぶので、見たい項目にチェックを入れると地図上に施設や場所を示すアイコンが表示される。

 複数の項目を選ぶと重なって表示されるので、例えば動植物の生息域や国立公園、潮汐などを組み合わせて研究や開発、環境保護の資料として使うなど、さまざまな角度から検討するための地図を作れる。各項目の表示は透過率を変えられるので、多数の項目を重ね合わせても見やすく設定できる。また、水温情報の場合はプロファイル画面が現れて、水温と深度の関係をグラフで確認できる。

背景図で「深海用」、情報項目で「海流」を選択

背景図で「公共地図」、情報項目で「水深」と「水温・塩分」を選択。プロファイル画面で指定したポイントの水温と深度の関係を描いたグラフが表示される

背景図で「船舶通航量」、情報項目で「沈船」を選択

 地図上に表示されたアイコンの詳細情報を見るにはメニューから「情報表示」をクリックし、見たい項目を点や線、矩形、多角形などさまざまな形で指定する。するとウィンドウが立ち上がり、指定されたエリアの中にある施設のリストが表示される。ここで見たい施設名をクリックすると、地図上に吹き出しが現れて詳細情報が表示される。各種のデータを地図に表示させた状態を印刷したり、メールでURLを送ったりすることも可能だ。

リアルタイム水温の情報表示

ラムサール条約湿地の情報表示

 KMLファイルなどのデータ形式で出力できないことや、FlashコンテンツなのでiOSでは見られない点は残念だが、海洋に関するさまざまなデータを一元的に閲覧できるのは便利だ。海上保安庁は今回のサイトをプロトタイプとして位置付けており、将来的にはさらに充実した「海洋台帳」となることを目指して、ユーザーの要望に応じて情報の追加や表示機能の強化を図る予定なので、今後の進化にも期待しよう。

海洋政策支援情報ツール
http://www5.kaiho.mlit.go.jp/kaiyo/

ARで地震危険度や避難所の位置情報がわかるiPhoneアプリ

 株式会社キャドセンターは、現在地の地震危険度情報や避難所の位置情報がAR(拡張現実)で合成表示されるiPhoneアプリ「ARハザードスコープLite」を提供開始した。App Storeから無料でダウンロードできる。

 キャドセンターは2011年10月に、現在地の防災情報がARで合成表示されるiPhoneアプリ「ARハザードスコープ」の開発サービスを、自治体や教育機関、学術機関向けに提供開始した。このアプリでは、浸水域が最大でどれくらいの高さになるかが実写の画面に表示されるほか、津波や洪水、地震など複数のハザード情報や避難所情報を必要に応じて切り替えられる。

 今回公開したアプリは、ARハザードスコープのLite版で、東京23区の建物倒壊危険度および火災危険度、避難所の位置の3項目に絞って無償で提供する。使われている危険度データは、東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査(第6回)」の結果を使用している。災害時に使用することを想定したものではなく、防災教育に使うことを前提に作られているという。

 建物倒壊危険度は、建物の種類や構造、築年数や地盤特性などを考慮して、地震の揺れにより建物が倒壊する危険性の度合いを5段階の色分けで表示する。

 火災危険度は、東京消防庁が測定した火気や電気器具の出火率や使用状況などに基づく出火の危険性と、建物の構造や間隔などに基づく延焼の危険性とを組み合わせて算出される。

 避難所の位置情報は「収容避難所」を表示する。収容避難所とは、災害時に住居などを失った市民などに宿泊や給食などの生活機能を提供する学校などの施設で、各自治体によって指定される。ARハザードスコープLiteでは、現在地周辺の避難所への距離と方向を矢印で表示し、直線距離を表示する。

 開発サービスのARハザードスコープで提供される浸水情報などが見られないのは残念だが、いざという時のために地震危険度や避難所の位置を確認しておくのには役立つと思う。防災意識を高めるきっかけとして、試しにインストールしてみてはいかがだろうか。

火災危険度 倒壊危険度 避難所情報

ARハザードスコープLite
http://www.cadcenter.co.jp/camp/ARscope.html
ARハザードスコープLite(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/arhazadosukopu-lite-dong-jing23qu/id524308937?mt=8

角川マガジンズ、iPhone/Androidアプリ「WalkerTouch」提供開始

 「東京ウォーカー」などの情報誌を発行する株式会社角川マガジンズは、株式会社キャメロットと共同でiOS/Androidアプリ「WalkerTouch」を提供開始した。App StoreとGoogle Playからダウンロードできる。

 WalkerTouchは、「ウォーカー」シリーズが取材した全国のスポット情報のほか、占いや天気、イベント情報、新商品などさまざまな最新ニュースを収録する。イベント情報はカレンダーに登録してスケジュールを管理することも可能だ。

 収録されている情報の中でも、特に映画情報はかなり充実していて、上映中の作品や近日公開の作品を調べられるほか、作品アクセスランキングや興行成績ランキングなども収録する。作品の詳細情報では予告編ムービーを視聴できることに加えて、映画館を探すことも可能。見たい映画の上映館を検索可能で、位置情報をもとに現在地に近い映画館を絞り込める。探した映画館へのルートを検索して地図上に表示させることも可能だ。

ホーム画面 最新ニュース

映画情報 上映館を検索

 このほかに地図上で現在地周辺のスポットを検索することもできる。検索範囲は3/5/10kmの3段階に設定可能で、スポット検索ボタンをタップしてから周辺検索ボタンをタップすると、周辺施設のリストが表示される。キーワード検索も可能だ。

 また、スポット検索とは別に「マップルーム」という機能も用意されていて、映画館・遊園地・動物園・ショッピング施設などカテゴリを選ぶと該当するスポットが地図上にすべてアイコン表示されて、次々にスポットを見て回れる。

 情報誌のコンテンツを読めるアプリとしてだけでなく、地図上での検索も充実したこのWalkerTouch、町歩きのお供に最適なアプリだ。

地図画面 マップルーム ルート検索も可能

WalkerTouch(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/walkertouch/id525666130?mt=8
WalkerTouch(Google Play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=co.jp.kadokawa.mg.walkertouch

いつもNAVIで「東京スカイツリー周辺の推定人数」表示、フロアマップも

 5月22日の開業以来、毎日多くの人が訪れている東京スカイツリー。これから遊びに行こうと思っている人は、スカイツリーの周辺がどれくらい混雑しているのか気になるところだが、そんな人におすすめなのが株式会社ゼンリンデータコムが運営する地図サイト「いつもNAVI」だ。同サイトでは、スカイツリー周辺の混雑状況をリアルタイムに伝えるコンテンツが提供されている。

 トップページにアクセスすると、「東京スカイツリー周辺の推定人数」が地図の下に表示されている。このカウンターをクリックすると、実験サイト「いつもNAVIラボ」が提供する「混雑度マップ」が表示される。混雑しているエリアほどオレンジ色のレイヤーが濃く表示されるので、直感的でわかりやすい。

「いつもNAVI」トップページ

 また、マウスポインターを地図上で移動させるとエリアごとの推定人数がポップアップで表示される。東京スカイツリーの中心部付近は日中は2万人以上になっていることが多く、近隣の中では混雑度が際立っているのがわかる。

混雑度マップ

 この「混雑度マップ」はユーザーから許諾を得て取得した位置情報を独自の分析プログラムで解析したデータに基づいており、個人が特定されないように統計処理を行ったデータをウェブ上で公開している。混雑度マップ上では東京スカイツリーのフロアマップも見られるようになっているので、内部の様子もわかる。スカイツリー観光の際にぜひチェックしてみよう。

フロアマップ

いつもNAVI
http://www.its-mo.com/
スカイツリー周辺の混雑度マップ
http://lab.its-mo.com/densitymap/index.html?kind=skytree


2012/6/7 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。