趣味のインターネット地図ウォッチ

第151回

統計データを地図上に簡単に可視化できるツール「GeoFuse」 ほか

統計データを地図上に簡単に可視化できるツール「GeoFuse」

 インターネット上には数多くの統計データが存在するが、そのような統計データを地図上に簡単に可視化できるツールが、Georepublic Japanが提供するオープンソースライブラリ「GeoFuse」だ。従来は統計データを地図上で見ようと思った場合はGIS(地理情報システム)ソフトやサーバーに関する専門知識が必要だったが、「GeoFuse」はそのような知識がなくても誰もが簡単に主題図(統計データをもとに特定の主題を表現した地図のこと)を作成できるよう配慮されている。

 GeoFuseを使用した主題図作成システムはすでにウェブで公開されている。サービスサイトにサンプルの統計データが用意されているので、まずはこのデータを使ってさまざまな主題図を作成してみよう。

「GeoFuse」サービスサイト

 解説文の最後の行にある[Spreadsheet]をクリックすると表計算データが表示される。千葉県の市区町村別の売上データが表示されるので、A〜C列の80行目までを指定してコピーし、1つ目の入力欄にペーストする。またはCSV形式のデータを貼り付けてもOKだ。その上で[Submit]ボタンをクリックすると、生成されたマップのURLが表示される。その下にある[Display Map]ボタンをクリックすると、統計データ通り市区町村別に色分けされた地図が表示される。

サンプルの統計データ
表計算データを貼り付ける
地図上にデータが表示される

 デフォルトの背景はGoogle マップの衛星写真で、標準地図や地形にも切り替えが可能。さらにGoogle マップだけでなく、オープンストリートマップ(OSM)や電子国土Webにも切り替えられる。また、拡大すると各エリアの数値も地図上に表示される。表示された状態をPDFファイルに出力することも可能だ。

背景地図をOSMに変更
背景地図を電子国土に変更
拡大すると各エリアの数値が分かる

 右側の「Criteria」では表の項目名である「先月売上」「当月売上」が選択できる。「Ranges」では色数を指定することが可能で、4色から12色まで2色ステップで選択できる。

色数を8色に変更

 「Type」は「分類手法」のことで、データを分類する場合に区切り方の範囲を定めるための手法を意味する。「Equal Range(等間隔分類)」「Equal Count(等量分類)」「Natural Breaks(自然分類)」「Standard Deviation(標準偏差分類)」の4種類から選べるようになっているが、よく分からなければデフォルトのままにしておこう。

 最後の「Color」は色の選択で、「Yellow To Red」「Red To Magenta」「Green」「Blue」など7種類から選択可能。背景地図に応じて見やすい色を選べる。

「Red To Magenta」に変更

 サンプルのデータはほかにも都道府県別や国別、メッシュ表示や鉄道の沿線データなどが用意されているので、いろいろと試せる。慣れてきたら総務省の「e-stat」などの統計サイトから統計データを選び、コピー&ペーストでさまざまな主題図を作ってみよう。

 サンプルデータ以外から作成する場合はエラーが出ることもあるが、原因は項目名が間違っていることが多い。例えば「市区町村」という項目の場合は「City」に直す必要があるので注意が必要だ。GeoFuseはオープンソースのツールでまだ発展途上であり、今後の改良により項目名を自動的に最適化してくれるような仕掛けも用意されるかもしれない。

メッシュ表示
国別表示
駅ごとにデータ表示
鉄道路線ごとにデータ表示
緯度・経度でデータを表示

 なお、Georepublic JapanはGeoFuseを使った主題図作成システムの構築サービス「Geothematics」の提供も予定しており、現在開発が進められているので、興味のある人はこちらにも注目だ。

「Geothematics」プレビューサイト

市区町村を支配する位置情報ゲーム「全国制覇!マイ帝国」のAndroid版

 全国の駅を集める位置情報ゲーム「駅コレ」を提供する株式会社電波の杜。その電波の杜が今年4月にリリースした新ゲームが「全国制覇!マイ帝国」だ。これまでは携帯電話やiPhone/Androidスマートフォンの標準ブラウザーからアクセスする形式だったが、12月にAndroidアプリがリリースされた。

 全国制覇!マイ帝国は携帯電話の位置情報を使って全国約2000の市区町村を自分の帝国にして“支配”する位置情報ゲーム。現実に自分がいる場所に「マイ帝国」を作り、実際にその土地へ行って端末から位置情報を発信することでその土地を支配することができる。例えば大阪を征服する場合は実際に大阪に行って位置情報を発信しなければならない。

 まずはゲームに登録する際にニックネームと国の名前を決める。トップ画面の「レーダー」で位置情報を取得すると、付近の地域を探して近くにある市区町村が表示されるので、そこに“進軍”すると自国の“領土”にできる。もしそこの市区町村にほかのプレイヤーがいなければ100%自分の領土となり、“制圧”して“支配者”となれる。

トップメニュー
レーダーで位置情報を取得

 ほかのプレイヤーがいる場合でも、そこは自分の領土となるので無理に戦う必要はないが、戦闘を仕掛けることも可能。もし相手が支配者で、耐久力をゼロにすれば自分が支配者になれる。1日の攻撃回数には制限があり、1時間以内は同じ相手を再攻撃できないというルールもあるが、そのルールを破れる「空想兵器」が登場することもある。支配者は支配した領土にこまめにアクセスすることで“統治”することが可能で、統治すればするほど基地の耐久力が上がる。統治は1時間に1回だけ可能だ。

「空想兵器」が登場
基地情報
戦闘画面
制覇した国をリストで確認できる

 市区町村の制覇状況に応じて“階級”が上がっていく仕組みになっており、市区町村のスタンプラリーのような感覚で楽しめる。ちなみに支配者や戦闘などの要素はスタンプラリーの記録には影響しない。戦わずに静かにスタンプラリーの制覇を目指すのもよし、バトルに熱中するのもよし……と、さまざまな楽しみ方ができる。

 なお、12月24日24時まで、「クリスマス解放戦線」という特別企画も行われている。これはクリスマスを成功させたい「聖夜防衛軍」か、クリスマス粉砕を目指す「聖夜解放軍」のどちらかに所属し、開催期間中の統治回数を競うイベントで、勝負はクリスマスイブに所属する各プレイヤーの統治回数の合計値で決まる。勝った方に所属するプレイヤーは「戦勝国」として称号がもらえるので注目だ。また、勝敗にかかわらず統治回数の多い順に階級と肩章も授与される。

クリスマス解放戦線

 このようなユニークなイベントが用意されているのもこのゲームの魅力の1つといえる。位置情報ゲームは初めてという人はもちろん、既存の位置情報ゲームに飽きた人も試しに遊んでみてはいかがだろうか?

標高グラフを搭載した距離測定アプリ「キョリ測」のiOS版が登場

 株式会社マピオンは距離測定アプリ「キョリ測」のiOS版をリリースした。iTunes App Storeから無料でダウンロードできる。

起動時の画面

 キョリ測は地図を見ながら指定した複数地点間の距離を測れるアプリで、今年3月にAndroid版が公開されて人気を集めた。iPhone版でもAndroid版と同様に、地図をタップしながら簡単に距離を測定できる。

 距離を計測する方法は、地図上の任意の場所をタップしながら経路を指定するか、地図をスクロールさせた上で中心にポイントを打つボタンを押していくと地図上に赤線で経路が引かれて、ポイントごとに距離が表示される。また、画面を指でなぞることで経路を引いていく「なぞるモード」を使うことも可能で、設定画面で同機能をオンにすれば利用できる。

地図上をタップしながら経路を指定
画面を指でなぞって経路を引くことも可能

 経路の距離を測定できるだけでなく、移動方法に応じた所要時間や消費カロリーも表示される。移動方法は徒歩、ジョギング、自転車、車の4種類から選択可能。消費カロリーは数値だけでなく「おにぎり何個分」や「ビール何杯分」などの表記でも確認できる。

 さらに、経路の高低差が分かる標高グラフも表示可能。標高グラフを指でスライドさせると経路上に位置と標高値が表示されるので、どの地点がどれくらいの高さなのかも確認できる。自転車やジョギングで利用する人などは便利だ。

標高グラフ

 タブ表示も可能で、A・B・Cの3つのタブを切り替えながら経路を比較できる。1画面には最大で3種類の経路を表示可能だ。また、作成した経路のURLを発行してメールやTwitterで共有することもできる。URLはPCからも閲覧可能。経路は100件まで保存可能で、保存した経路は地図上に呼び出せる。

タブ表示
設定画面

 距離測定ツールは地図アプリの1機能として提供されていることが多いが、本アプリは距離測定に特化したアプリということで、細かい部分で便利な機能を満載している。ジョギングやサイクリング、散歩などを趣味としている人に、コースのプランを考えるツールとしておすすめだ。

2700カ所を超える車中泊スポットを掲載したiOSアプリ「全国車中泊マップ」

 株式会社エーアンドオーはiOSアプリ「全国車中泊マップ」をリリースした。iTunes App Storeからダウンロード可能で、価格は250円。ただし、期間限定キャンペーンで現在は170円となっている。

 同アプリは車中泊を行えるスポットの情報を収録したアプリ。日本全国の道の駅やサービスエリア、駐車場など2700カ所を超える車中泊スポットを掲載している。現在地周辺の車中泊スポットを探すことが可能で、キーワードや都道府県リストからも検索できる。検索したスポットまでのルート案内も可能だ。ルート案内はiOS 6のApple製Mapsのほか、Google マップのアプリやウェブサービスも使用できる。

地図上に道の駅などの位置を表示
ルート案内はGoogle マップも選択可能

 各施設については駐車場の台数、トイレの数、食事施設、営業時間や期間などの詳細情報を掲載。また、標高および気温の目安(標高0m地点より何度低いか)も記載されている。一部の施設については写真も載っており、ユーザーが写真を投稿することも可能だ。また、訪問したスポットをFacebookに投稿する機能もある。トイレの数や気温などは行ってみないとなかなか分からないので、このような細かい情報が得られるのは便利だ。

施設の詳細情報
表示設定

 なお、同アプリの起動時には「本アプリは、車中泊を推奨するものではありません。車中泊を行う場合は、必ず施設の管理者に許可を取ってください。車中泊は最小限の時間に留めましょう。ゴミ、廃棄物、排水等の不法投棄は絶対にやめましょう。」という注意書きが表示される。この注意書きの通り、同アプリを使用する場合はルールやマナーを守ることをお忘れなく。

片岡 義明

地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。