趣味のインターネット地図ウォッチ

第172回

近ごろのスマホ向けカーナビ、注目トピックまとめ〜アプリ5本を紹介

 秋の行楽にドライブへ出かけようと考えている人も多いと思うが、そんな時に役立つのがスマートフォンのカーナビアプリ。今回は、このカーナビアプリについて、今年に入ってからのさまざまなトピックをまとめてみた。ナビアプリの導入や乗り換えの選択の参考にしていただきたい。

「smart G-BOOK」にトヨタのプローブ情報に対応したナビ機能が追加、「G-BOOK全力案内!ナビ」はサービス終了

 トヨタメディアサービス株式会社が提供するiPhone/Androidアプリ「smart G-BOOK」は、従来は「音声ガイド付き通信ナビ」やオペレーターに口頭で目的地の設定を依頼できる「オペレーターサービス」、緊急時に警察や消防への取り次ぎをサポートする「HELPNET」などの機能を持つテレマティクスサービスとして提供されていたが、このアプリが6月からバージョン2.0へとアップデート。交差点での拡大図表示や交差点名の読み上げなども行うナビゲーション(音声ルート案内)機能や、トヨタ独自の交通情報(Tプローブ交通情報)などの新機能を搭載した。同アプリはトヨタ車以外のユーザーでも利用可能だ。

 なお、これまで「smart G-BOOK」と連携して使えるナビアプリとして野村総合研究所が提供していた「G-BOOK 全力案内ナビ」および同アプリの姉妹アプリ「全力案内!ナビ」は2013年11月末にサービスを終了する。

「smart G-BOOK」のバージョン2.0に搭載されたナビ機能は地図データをネットワークから取得するオンライン型のサービスで、カーナビとしてだけではなく、モードを切り替えることで徒歩ナビとしても使える。地図画面やUIは従来の「全力案内!ナビ」と比べて大きく異なり、地図の3D表示や、交差点での3Dイラスト表示にも対応している。また、Tプローブ交通情報はトヨタ純正カーナビ以外では初めての搭載とのことで、交通情報を考慮したルート検索も可能だ。

 周辺スポットは駐車場やコンビニ、ファーストフード、ファミリーレストランのうち3件まで地図上に表示で、アイコンや文字のサイズも細かく調節できる。このほか、道路上の落下物や事故、渋滞、規制などの情報を投稿してほかのユーザーと共有できる機能も搭載している。

 さらに、エージェント(音声認識サービス)や、災害時に最寄りの避難所が分かる「災害対策サービス」も提供される。この災害対策サービスには、通行実績を確認できる「通れた道マップ」や、これまで提供されてきた「HELPNET」などの機能も含まれる。また、9月にはエコ運転をすることによりキャラクターを育成するゲームアプリ「エコがずぺっと」との連携機能も搭載した。

 「smart G-BOOK」のダウンロードは無料だが、新搭載のナビ機能を利用するには2500円/年の利用料が必要となる。ただし現在、先着2万名(iOS版とAndroid版それぞれ1万名ずつ)に1000円/年で提供するキャンペーンを実施中だ。また、Tプローブ情報だけでなくVICS交通情報も取得したい場合は有料(1000円/年)にて対応している。

メニュー画面
Tプローブ情報を表示
ルート検索結果
大きな交差点では方面看板を表示
高速道路の入口を表示
ETCレーン表示
高速道路のIC表示
設定画面
通れた道マップ

人気キャラ「くまモン」が登場する「マップルナビK」リリース

 キャンバスマップル株式会社が9月にリリースした「マップルナビK」は、従来の「マップルナビS」が進化した新しいiOS向けカーナビアプリだ。価格は1400円。

 今回のリニューアルでは高速な描画処理を実現するOpenGL ESを採用することにより、高速でスムーズなスクロールを実現した。スクロールの速さを売りにしているのは、地図データを端末のストレージに格納してオフラインで使用できる同アプリの特徴を生かした進化と言えるだろう。実際に操作してみると、スクロールの速さだけでなく、ズームイン/アウトの速さにも気付く。オンライン型のナビアプリで通信環境が悪い時などに起こるスクロールのもたつきに不満を感じる人にはおすすめだ。

 このほか、今年の春に「マップルナビS」に搭載された「帰宅支援モード」も「マップルナビK」には引き続き搭載している。これは3.11以降にベストセラーとなった「震災時帰宅支援マップ」の情報を見られるモードで、メインメニュー下部の「帰宅支援モードへ」をタッチすると地図が切り替わる。地図上に「危険箇所」「避難所」「帰宅困難者一時滞在施設」「ドラッグストア」「宿泊施設」「水場」「災害時帰宅ステーション」などさまざまなアイコンが表示されるので、震災時に徒歩で帰宅する際の心強い味方となる。

 さらに、地域振興活動の第1弾として熊本県のご当地キャラ「くまモン」の着せ替え機能も搭載している。これは熊本県に入ると自車位置を示すマークやメニューアイコンが自動的に「くまモン」に変わる機能で、「くまモン」が道案内をしているような感覚を味わえる。熊本県以外の地域でこの機能を使いたい場合は、昭文社のガイドブックアプリ「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」で熊本県観光スポットや施設を「マップルナビK」に転送すると利用できる。最近はカーナビアプリも基本機能については各社ともに完成度が高まってきているので、今後は他社製ナビアプリにもこのような基本機能以外のユニークな付加機能が増えていくと思われる。

 なお、「マップルナビK」は昭文社グループのガイドブックアプリのほか、今夏からArtisan Forceが提供するiOSアプリ「道の駅ナビ」との連携も可能になった。「道の駅ナビ」はiOSの標準マップ上で道の駅を探せるアプリで、詳細情報のメニューから「位置情報をマップルナビSに送る」を選択すると、「マップルナビK」の地図上に位置を送り、そのまま目的地と設定したり、周辺検索を行ったり、地点を登録したりすることができる。

地図画面
メインメニュー下部に「帰宅支援モード」への切り替えボタンがある
ナビモード
帰宅支援モード
ガイドブックアプリの記事をタップして「転送」を選択
自車マークが「くまモン」に切り替わる
メニューも「くまモン」に変更
道の駅ナビ
位置情報をマップルナビに送信

「カーナビタイム for Smartphone」にボイスコントロール機能追加、iPhone版には音声起動機能も

 最近はスマートフォンに音声認識機能が搭載されたことにより、カーナビアプリで目的地を検索する際にも音声で簡単にキーワードを入力できるようになったが、さらにこれを進化させてナビのボイスコントロール機能を可能にしたのが、株式会社ナビタイムジャパンが提供するiPhone/Androidアプリ「カーナビタイム for Smartphone」だ。これはスマートフォンの近接センサーに手をかざすことでボイスコントロールが起動し、音声による目的地や周辺施設の検索が可能になるほか、ナビゲーションの操作も可能となる機能である。

 音声検索では、スポットの名称を述べた後に「検索」「を探す」「調べて」「はどこ」「行きたい」などの言葉を付け足すことにより施設検索となる。検索結果は施設名が音声で読み上げられ、周辺検索の場合は現在地からの距離も読み上げられる。ほかの施設を探す場合は「次」と言えば次候補が読み上げられ、「目的地にしますか?」と問われる。これで「はい」と答えるとルート検索が行われて音声案内が開始される。

 ナビゲーションの機能としては、「自宅へ帰る」「案内再開/停止」「ルート全体図」「ヘディングアップ」「ノースアップ」「現在地表示」「目的地表示」などが利用可能。このほか、「道路交通情報」(有料)なども音声で呼び出せる。

 さらにiPhone版では8月から「音声起動機能」が搭載された。従来は近接センサーに手をかざすことでボイスコントロールを起動していたが、音声起動機能を利用すると、「カーナビタイム for Smartphone」の地図画面を表示した状態で「ボイスコントロール」または「ナビタイム」と発話するだけでボイスコントロールが起動し、音声認識による操作や検索が可能となる。端末に触れたり手をかざしたりする必要がないので便利だ。

 アプリに搭載されている音声認識機能は、音声認識ソフト「Ami Voice」を提供する株式会社アドバンスト・メディアによるもの。実際に試してみたところ、高精度な認識を確認できた。ある程度はっきりと発音すれば高確率で正確なキーワードが入力されるので、使っていてストレスがない。また、音声起動機能についても、手を動かすことなくボイスコントロールを起動できるので快適だ。ボイスコントロールが起動するまで少しタイムラグがあるが、個人的には気になるほどではなく、十分実用的に使用できると感じた。

 ただし、ボイスコントロール機能があるからといっても、運転中にカーナビを操作することは大きな危険を伴う。ナビゲーションの操作や検索などを行う場合は自動車が停止した状態で行うことを心がけたい。

 「カーナビタイム for Smartphone」の利用料金は、Android版が月額525円または年額5700円、iPhone版の30日チケットが500円、180日チケットが2900円、365日チケットが5700円(記事執筆時はキャンペーン特別価格で4200円)。

 なお、「カーナビタイム」に提供されたボイスコントロール機能は、5月にauがリリースしたiPhone向けカーナビアプリ「auカーナビ」およびAndroid向けの「auカーナビfor Google Play」でも利用可能。「auカーナビ」はKDDIとナビタイムジャパンの協業によって提供されているカーナビアプリで、オフラインでも利用できるのが特徴だ。地図データやUIは「カーナビタイム for Smartphone」と共通部分が多く、iPhone版で音声起動機能を利用できるのも同じとなっている。

「カーナビタイム for Smartphone」のボイスコントロール設定
「ボイスコントロール」または「ナビタイム」でボイスコントロールが起動
「上野駅」というキーワードを正確に認識
道路交通情報の表示もボイスコントロールで行える
auカーナビ

無料の簡易ナビアプリ「mapipo」がiOS 7に対応してリニューアル

 ストリートビュー対応やオービス情報、オーディオ機能など豊富な機能を搭載した無料の簡易ナビアプリ「mapipo」がiOS 7に対応し、新たに「mapipo 7」としてリニューアルした。同アプリはGoogle マップの地図データを使うナビアプリで、渋滞情報や音声案内にも対応しているが、交差点などで地図を拡大して進行方向を矢印で表示する機能などは搭載していない。アプリの料金は無料だが、アドオン(85円)で6カ月間広告バナーを非表示にすることが可能で、前バージョンの「mapipo 6」の時に購入した広告非表示チケットは「mapipo 7」でも引き続き利用できる。

 前バージョンにはない新機能としては、3D表示に対応したほか、ボタンやテーマカラーを自由にカスタマイズできるようになった。また、トップメニューバーを廃止したことにより、地図画面が従来よりも広くなっている。さらに、通過点についても従来は5点までしか設定できなかったのが、7点まで設定できるようになった。ほかにも、ズームボタンの長押しで連続ズームが可能になったり、オーディオ機能をロックできるようになったりと、細かい改良が施されている。

 UIは、機能名が記載された小さな丸印が地図画面上に多く配置される独特のデザインで、ほかのナビアプリに比べると違和感を持つ人もいるかもしれない。しかし、無料にもかかわらず多機能で、ほかのアプリにはない「駐車位置メモ機能」などユニークな機能もあるので、これらに魅力を感じる人は要注目だ。

 なお、「mapipo 7」には前バージョンと同様に、GPSが内蔵されていないiPod touchやiPadのWi-Fiモデルで使用する場合に、iPhoneからGPSで取得した位置情報をWi-Fi経由で送信できるGPSトランスミッターアプリ「mapipo GT7」も用意される。

ストリートビューに対応
ナビゲーション画面
文字色や背景色がカスタマイズ可能に

片岡 義明

地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。