趣味のインターネット地図ウォッチ

第185回

「地理院地図3D」に1003山ギャラリー/「聖地巡礼マップ」 ほか

「地理院地図3D」に「日本の主な山岳(1003山)」ギャラリー追加

 国土地理院は、3月に公開した3D地図サイト「地理院地図3D」のサイトギャラリーに、「日本の主な山岳(1003山)」を追加した。これは日本各地の主な山岳をリスト化したもので、山名および山頂名、都道府県、所在地、標高、緯度・経度、三角点名などが分かる。さらに山名をクリックすると2次元版の「地理院地図」で山頂付近が表示されて、3D表示をクリックすると「地理院地図3D」で山頂付近が立体表示される。なお、立体表示する際のウェブブラウザーは、Internet Explorer 11、Chrome、Firefox、Safariに対応する。

地理院地図3D
日本の主な山岳(1003山)

 「地理院地図3D」は、「地理院地図」を3次元で表示できるサイト。3D映像をウェブ上で見られるだけでなく、3Dプリンター用のデータを出力できる点が特徴だ。立体表示された状態で高さの倍率を調整し、「3Dデータをダウンロード」をクリックすると3Dデータのダウンロードボタンが表示される。ファイルフォーマットは3Dプリンタ用のSTLファイルおよびVRMLファイル、そしてウェブブラウザー上で3D地形図を表示できるWebGL用ファイルがダウンロードできる。3Dプリンター用ファイルを出力ショップに持ち込んだり、家庭用3Dプリンターで出力したりすれば立体地図を作れる。

 ウェブ上に3D画像が表示された状態でウインドウ右上の「×」をクリックすれば、該当する山の2次元地図が表示されるので、その状態から地図をスクロールして周囲のほかの山に移動できる。「地理院地図3D」には地名検索機能が搭載されていないが、今回公開された山岳リストは1003山とかなり数が多いので、このリストに含まれていない山を探す場合でも最寄りの有名な山を一旦表示させてから移動させれば手間が省ける。スタートして間もない地理院地図3Dだが、細かい点で着実に進化しつつあり、今後の進化が楽しみだ。

山名(山頂名)をクリックすると「地理院地図」の地図が表示される
「3D表示」をクリックすると3D映像が表示される

 このほか、国土地理院は3月22日に無人航空機(UAV)による西之島の空中写真撮影を行い、その写真を公開した。これは父島からUAVを約130km離れた西之島に飛行させて自動撮影を行ったもので、UAVによる離島の自動撮影としては初めての試みだという。撮影した空中写真は、国土地理院が保有する友人航空機「くにかぜIII」による2013年12月4日、17日、2014年2月16日の撮影に引き続いて、3月22日の空中写真も「地理院地図」で公開された。

 さらに、西之島周辺の立体図や地形標高モデル、地形判読図も公開したほか、ウェブブラウザー上で見られる立体図のデータや、3Dプリンター用のVRMLやSTLファイルもダウンロードできる。国土地理院は、今後もこのようなUAVによる自動撮影の事例を積み重ねて、離島や有人機が近付けない危険個所の防災・測量の可能性を追求する研究を継続するとコメントしている。

UAVが撮影した西之島の写真
地形判読図も重ね合わせられる

東京都が「大規模盛土造成地マップ」をネットで公開

 東京都都市整備局は、都内の大規模盛土造成地の位置と規模を示す「大規模盛土造成地マップ」を公開した。国が推進する総合的な宅地防災対策の一環として提供するもので、宅地所有者などに対して身近な大規模盛土造成地の存在を知らせて、防災意識を高めることを目的としている。

大規模盛土造成地マップ

 「大規模盛土造成地」とは、大規模に谷を埋めたり、傾斜地に腹付けしたりして造成した宅地のこと。高度経済成長期に人口増加のため、宅地として利用できる平らな土地が不足し、短期間に効率的に数多くの宅地を造るため、大規模な宅地造成工事が数多く行われたのだという。

 過去の震災において、このような盛土造成地で地盤の滑動崩落現象による災害が多発したことから、2006年に宅地造成等規制法が改正されて、相当数の居住者に危害を生ずる恐れが大きい造成宅地を「造成宅地防災区域」として指定し、その区域の宅地の所有者などに災害対策に必要な措置を勧告できるようになった。

 今回のマップは、この造成宅地防災区域の有無を調べるために、都内全域で調査を実施して、その結果をマップとしてまとめたもの。このように大規模盛土造成地を調査・公表して住民に情報提供する動きは、全国のほかの地方公共団体でも高まっている。

 調査方法は、造成前と造成後の地形図や空中写真を重ね合わせて標高を比較することにより、大規模盛土造成地の概略の位置や大きさを調べた。造成前の資料には、古い地形図や戦争中に米軍が撮影した空中写真を地形データ化したものを使用し、造成後の資料には最新のデジタル化された地形データを使用した。なお、造成前のデータは精度に劣るものもあり、標高で1~2メートル、水平位置で3~5メートルの誤差が生じる場合がある。このような机上の調査だけでなく、現地での目視等による調査も行い、すでに危険な事象が生じている造成宅地についても調査を行ったが、これまでの調査において、すでに危険な事象が生じているケースはなかったという。

 マップはA3サイズでの印刷を想定したPDFファイルで配布されており、東京都全体のマップのほか、自治体ごとのマップをダウンロードして見られる。千代田区や中央区、台東区、墨田区など大規模盛土造成地がない自治体もあり、存在が確認された自治体のマップだけが用意されている。マップ上には大規模盛土造成地の部分が緑色に塗られているほか、宅地造成することで災害が発生する恐れがある区域を意味する「宅地造成工事規制区域」が黄色に塗られている。なお、現段階では、都内に「造成宅地防災区域」に指定すべき大規模盛土造成地は存在しないという。

 各自治体のマップを見ると、意外なエリアに大規模盛土造成地が隠れていることが分かる。防災用として活用するのはもちろん、マップをもとに高度成長期の宅地造成に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

大規模盛土造成地がある自治体とない自治体を確認できる
東京都全体のマップ
日野市のマップ

アニメの“聖地”約3000件が登録された「聖地巡礼マップ」

 アニメの舞台(聖地)を探訪できるウェブサービス「聖地巡礼マップ」が公開された。近年、アニメの聖地巡礼を楽しむファンが増えているが、これらのスポットをインターネットで調べる場合、アニメのタイトルや住所、シーンなどの情報が集約されていないため、情報収集に手間がかかるという問題があった。聖地巡礼マップでは、そのようなアニメファンに対して欲しい情報をすばやく提供することをコンセプトとしている。

聖地巡礼マップ

 「聖地巡礼マップ」のサイトはスマートフォンでの用途を想定したデザインとなっており、登録された情報を検索して調べられるほか、ユーザー自身がアニメの舞台の写真を撮って投稿することもできる。登録スポットには住所が記載されているほか、該当地点をマップで見たり、ストリートビューを見たりすることもできる。また、Twitterアカウントでログインすることにより、ユーザーが「行きたい」をクリックして評価することも可能だ。

 同マップは事前登録したアニメファンのテストユーザーの協力を得ており、開始当初から約3000件の情報を収録している。登録されている聖地には、2014年4月から放映開始した最新作の聖地もあれば、1960年代のアニメなど昔の作品の情報もある。もし探しているアニメの聖地の情報が登録されていない場合は、ユーザー側から登録申請を行うことも可能だ。

 なお、同サイトのトップページには、「聖地巡礼のマナーを守ろう」という呼び掛けのページが用意されており、聖地巡礼をする際のマナーや注意事項について説明している。これらの注意事項をよく読んで、聖地巡礼をするにあたっては現地の人々に迷惑をかけないように十分に注意しよう。

登録スポットのリスト
投稿された写真
地図で場所を確認できる
ストリートビューを閲覧可能
スポットの申請画面

「マピオンまとめ」提供開始、スポットまとめサービスをリニューアル

 マピオンは、これまで「With」という名で提供していたスポットまとめサービスを完全リニューアルして、「マピオンまとめ」として提供開始した。同サービスは地図上のスポット情報を集めて投稿・共有できるサービス。訪問候補地リストとしても活用することが可能で、アプリからも閲覧できる。なお、既存のiOS用ブックマークアプリ「With」もそのままの名称で継続して提供する。

マピオンまとめ

 リニューアルに伴ってデザインは白をベースとしたシンプルなものに一新し、機能を絞り込むことにより使い勝手が向上した。レイアウトについても地図を中心にしたものになり、スポットを表示する地図を大きく見やすくすることで使い勝手が向上した。

 また、新しいコンテンツとして、「スタッフが選んだ今週のオススメ」特集のほか、「気になる季節特集」や、週ごとの人気のまとめをランキング形式で並べた「今週の人気まとめ」なども用意している。会員登録することにより、お気に入りやスポット保存機能も利用可能だ。例えば4月12日現在の特集では、「今週の人気まとめ」として「日本名所さくら100選に選ばれた桜の名所・東京編」が、スタッフが選んだオススメとしては「東京の画材・文房具やさんまとめ」が、季節特集としては「東海地方のオススメお花見スポット・桜の名所」が掲載されている。ほかにも4月初旬には桜に関するまとめがかなり多く、旬の話題が反映されている。

 このほか、「渋谷駅の出口まとめ」など実用的なコンテンツや、「東京都内チェーン店じゃない豚丼屋まとめ」などのグルメ特集などさまざまなコンテンツが揃っている。もちろん自分がお気に入りのスポットのまとめを作成することも可能で、iOSアプリ「With」と組み合わせることにより便利に活用できる。旬のスポットをチェックしたい人にはおすすめだ。

東京の画材・文房具やさんまとめ
スポットを地図上で確認可能
「マピオンまとめ」と連動できるiOSアプリ「With」

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。