趣味のインターネット地図ウォッチ
登頂の達成感も味わえる、紙で作る山岳立体模型キット「やまつみ」、マップショップで取り扱い開始
(2015/7/30 06:00)
地図専門のオンラインショップ「マップショップ(MAPSHOP)」は、紙で作る山岳立体模型キット「やまつみ」の取り扱いを開始した。同キットは以前からアウトドアショップや地図専門店、Amazon.co.jpなどで扱っていたが、今回さらに販路が広がった。
やまつみとは、等高線に沿って切断された輪切りの山を積み上げて作り上げる山岳立体模型キットで、札幌市にある有限会社キューアールシーが提供している。キットには、あらかじめ等高線でカットされた状態で入っており、粘着加工済みなので、順番と向きを間違えないように1枚ずつ貼り重ねていけば誰でも簡単にリアルな立体地図模型を作成できる。
完成サイズは、30×20×3.6cm、40×30×6.7cm(幅×奥行き×高さ)などさまざまだ。また、価格についても「筑波山」「蓼科山」など1万円以下で購入できるのものあれば、「穂高連峰」など3万円以上する高価なものもある。
商品ラインナップは、縮尺15万分の1および縮尺10万分の1では「富士山」、5万分の1では「富士山」「箱根」「穂高連峰」「剱岳・館山」「八ヶ岳」「蓼科山」「御嶽山」「甲斐駒・千丈」「吾妻山」「尾瀬ヶ原」「筑波山」「鳥海山」「石鎚山」「阿蘇山」「大雪山」「トムラウシ山」、2万5千分の1では「札幌藻岩山」「樽前山」など。「山」シリーズの中には「日本山岳遺産」の認定地も含まれている。このほか、「島」シリーズとして「青ヶ島」なども用意している。
国土地理院が発行する2万5千分の1地形図の等高線情報をもとに製作されている。シート1枚あたりの標高は、15万分の1の場合は40m分、5万分の1シリーズの場合は20m分、2万5千分の1シリーズの場合は10m分で、1枚あたりの厚さは0.6mm。高さは等倍のものもあれば、山域によっては1.4倍や2倍に強調されているものもある。なお、これらのシートは牛乳パックなどの再生紙を使用している。
キットの内容は粘着加工済みシート、台座(木製)、ネームプレート(木製)に加えて、シートを貼る位置を定めるための“位置決め用棒”が数本入っている。製作には小さなパーツを貼り付けるためのピンセットが必要で、このほかにパーツを貼り付けた後に圧着するためのローラーや、完成した模型を長持ちさせるためのスプレータイプのニスがあると便利だ。
作り方は、以下の通り。まず、台座の中央に最下部のシートを貼り付けてローラーで圧着する。次に付属の位置決め棒を基準穴に挿して位置を決めて、シートに空いている穴に差し込んで1枚ずつ貼り付けていく。標高が上がるにつれて基準穴の位置が変わるので、状況に合わせて位置決め棒の太さや挿す位置を変えながら貼り付けていけば完成する。
パーツの枚数が多いため、根気のいる作業となるが、やまつみの公式サイトを見ると、「作業は単調ですが、最後のパーツを貼り付けたときは、実際の山登りで頂上に到着したときのような達成感があります」と書かれている。
今回取り扱いを開始したマップショップ代表の田中英子氏にやまつみの魅力について尋ねたところ、「やまつみは切り取り線が付いていて、比較的簡単に工作できる点が大きな魅力です。自分が選んだ好きな“山”が少しずつできあがっていく楽しさや、できあがった時の達成感をぜひ味わっていただければと思います。完成したものはかなり高級感があります」とのこと。
マップショップでは過去にやまつみに似たキットで「だんだん地図」という製品の製作レポートを掲載したことがあるが、やまつみについてもレポートを掲載する予定があるという。
さらに、7月30日には「やまつみ」の専用アクリルケース(別売)もマップショップで取り扱いを開始する予定だ。「アクリルケースは後ろが鏡張りになっていて、リアルな奥行きが出るので面白いと思います」(田中氏)。
時間をかけてじっくり作っていくのもよし、お盆休みなどまとまった休みを利用して一気に作り上げるのもよし、山好きや地図好きの人はやまつみの製作にチャレンジしてみてはいかがだろうか?