いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

素材数なんと5900万点! 世界で展開しているストックフォトサービス「Fotolia」

Fotolia(フォトリア)
サービス名Fotolia
設立日2004年(2015年にAdobeが買収)
運営会社名米Fotolia
料金サイズやプランによって異なる(フリー素材もある)
URLhttps://jp.fotolia.com/
登録必要

 ポスター、広告、バナー、背景、タイトル、記事などには、アイキャッチに使える見栄えがよく、クオリティの高い写真を使いたいものです。そこで役立つのがストックフォトサービス。とはいえ、使いたい素材の点数が多いとき、価格がネックになることもあるでしょう。そんなときは「Fotolia(フォトリア)」はいかがでしょうか。

Adobe社に買収された世界最大規模のストックフォトサービス

 Fotoliaは、5900万点のロイヤリティフリーの画像、ベクター、動画を販売している低価格型のストックフォトサービスです。2004年からサービスを開始し、2014年には世界のユーザー数が480万人を突破。現在は23カ国、15言語に対応しています。

 パソコンのウェブブラウザーで利用できるだけでなく、iPhoneやiPad、Android用のアプリも提供しており、スマートフォンからも素材を簡単に探せるようになっています。

 23カ国で展開しているだけあって、世界中のフォトグラファーやトップエージェンシーが素材を提供しています。そのため、日本人だけでなく、外国人のモデルも多く、バリエーション豊かな素材が集まっていることや、契約プラン次第では、写真1点が100円以下で利用できるという低価格が大きな特徴です。2015年にはAdobe社に買収され、Adobeが開始したストックフォトサービス「Adobe Stock」にも素材を提供しています。

素材のジャンルと料金プラン

トップカテゴリー

 扱っているのは、写真、イラスト、ベクター、動画(HD)の4種類で、トップカテゴリーは、食べ物、風景、旅行、人物、社会問題、飲み物、動物、スポーツ、テクノロジー、ライフスタイル、趣味とレジャー、建物・建築、グラフィック素材、産業、植物・花、ビジネス、感情と情緒、交通手段、科学、宗教・文化など。2016年7月12日時点での登録点数は、写真は4189万6140点、イラストは581万1620点、ベクターは965万4258点、動画は200万9503点となっています。

 用途に応じた複数のサイズが用意されており、契約プランによって価格が異なります。画像はXS、S、M、L、XL、XXLまであり、動画は素材によって異なりますが、320×180ピクセル、640×360ピクセル、864×486ピクセル、1280×720ピクセル、1920×1080ピクセルなどとなっています。

ボリュームに応じたプランを用意

3つのプランがあります

 素材の購入プランは「オンデマンド」「デイリー定期契約」「マンスリーパック」の3種類があります。

 「オンデマンド」は、Fotolia内のすべてのコンテンツやライセンスを購入できるプランです。素材ごとに必要なクレジット数が書かれていますが、「クレジット」はFotolia内で使われる通貨の単位として使われており、1クレジットがいくらと固定されているわけではなく、まとめ買いによって単価が安くなる仕組みなので、まとめ買いするほど1クレジットが安くなります。なお、購入したクレジットは購入日から365日間有効です。

「オンデマンド」のクレジットパック。買えば買うほど単価が下がります。初回は割引特典も

 「デイリー定期契約」とは、毎日大量の素材を使う大企業向けのプランです。1日に使用する画像の点数を選択することで価格が決まります。たとえば、XXLサイズの画像を1日25点ずつ使うと、1カ月3万2000円、XXL画像1点あたりの単価は43円となります。1日500点使用する場合は、1年契約で画像単価が25円まで下がります。

 ダウンロードできるのは画像とベクターイラストで、いずれも最高解像度でダウンロードできますが、インフィニットコレクション(後述)は利用できません。

「デイリー定期契約」のコース。画像点数をプルダウンメニューで選ぶと金額がわかります

 「マンスリーパック」とは、1カ月に必要な画像数を指定すると決まるプランです。ダウンロードできるのは、コアコレクション(後述)またはインスタントコレクションの、MサイズまたはXXLサイズの画像で、それぞれ購入できる上限点数が決められています。未使用分のダウンロード数は翌月に持ち越すことができます。ただし、インフィニットコレクションは購入できません。

マンスリーパックの詳細

 いずれもプランごとに画像の単価が表示されるので、用途と予算のバランスを考えながら選べるでしょう。購入する前にカンプデータ(サンプル)のダウンロードができるので、イメージにフィットするかどうかなどを確認してから購入できます。

素材にはグレードによるコレクション分けがある

 素材は、サイズやジャンルだけでなく、グレードによっても「コアコレクション」「インフィニットコレクション」「インスタントコレクション」の3つに分類されています。

 「コアコレクション」(https://jp.fotolia.com/Info/Images/StandardCollection)とは、世界中のフォトエージェンシーやアーティストによる素材で、画像は1クレジットから、ベクターは6クレジットから購入できます。「クレジット」または「マンスリーパック」で購入できます。いわゆるスタンダードな素材といえるでしょう。

コアコレクション

 「インフィニットコレクション」(https://jp.fotolia.com/Info/Images/InfiniteCollection)は、世界のトップエージェンシーによるプレミア高解像度画像のライブラリとのこと。より自然で、臨場感のあるシーンが豊富のようです。料金プランが「クレジット」のユーザーが購入でき、ウェブ用のXS、Sサイズが10クレジットからとなっています。

インフィニットコレクション

 「インスタントコレクション」(https://jp.fotolia.com/Info/Images/InstantCollection)は、世界中のスマホフォトグラファーが撮影したクリエイティブなモバイル写真とのこと。スマートフォンで撮られているからか、なにげない日常的なシーンが多いようです。高性能なカメラのレンズを通した映像とはまたひと味違う、自然なシーンが必要なときによさそうです。こちらは「クレジット」または「マンスリーパック」で購入できます。

インスタントコレクション

 いずれもトップページの検索ボックスから検索できますが、コレクションごとに検索することもできます。

50万部までなら「通常ライセンス」でOK

 購入時に適用されるのは「通常ライセンス」(https://jp.fotolia.com/Info/HowToBuy/SizeAndLicenses)で、50万部以内のウェブサイト、ウェブバナー、メールマガジン、PDF文書、ブログ、メール、スライドショー、TV&動画のプレゼン用、携帯のスプラッシュ画面(ソフト起動時に表示される画面)、映画、雑誌記事、本、広告、パンフレット/カタログ、文書内のイラスト、小冊子、看板、名刺(個人用)、パッケージなどで利用できます。

 印刷部数が50万部を超える場合は「拡張ライセンス」(https://jp.fotolia.com/Info/HowToBuy/SizeAndLicenses)の購入が必要です。

 ただし、わいせつな画像や映像、アダルト産業(性風俗など)、エスコートサービス、出会い系サイト、政治的な支持表明や宣伝、ロゴ、商標/トレードマーク、サービスマークへの使用は禁止されています。SNSに関しては、掲載サイズは1000×1000ピクセル以下、画像上にコピーライトを表示するという条件で使用可能になっています。

販売もできる

 Fotoliaでは、18歳以上でアカウントの登録が承認されていれば、素材の購入だけでなく、クリエイターとして世界に向けた素材の販売(https://jp.fotolia.com/Info/Contributors/Conditions)も可能です。

世界的なクリエイターの仲間入りも夢じゃない!?

 ロイヤリティには、「Fotoliaの定期契約とAdobe Stockでの販売」と「Fotoliaクレジットによる販売」の2種類があり、独占販売のレベルやクリエイターのランクによってコミッション率が変わります。素材が売れると、コミッションがクレジットで支払われます(1クレジット=150円)。

 前述のインスタントコレクションで分かるように、スマートフォンで撮影された写真を扱っているのもFotoliaの特徴の1つ。もちろん権利関連を含めた厳正な審査はありますが、可能性は世界に向って広がっていますから、トライする価値はありそうです。

世界中の素材をたっぷり活用したいなら

 Fotoliaの画像は、毎日3万点更新されているといいます。常に鮮度の高い素材を求めている方、外国のシーンもふんだんに取り入れたい方、大量に素材を必要としている方にはぴったりではないでしょうか。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。