いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

料理家としての第一歩も。写真がきれいなレシピサイト「Nadia」

Nadia
サービス名Nadia
リリース日2013年6月8日
運営会社名株式会社OCEAN’S
料金無料
登録検索だけなら登録は不要。レシピのクリップやArtistのフォローなどは会員登録が必要。レシピを投稿できるのは、審査を通過した「Artist」のみ
URLhttps://oceans-nadia.com/

 数あるレシピサイトの中でも、投稿される写真のクオリティがダントツに高く、料理雑誌をめくっているような感覚でレシピを探せるサービスがあります。それが「Nadia(ナディア)」です。

「写真がきれい」「つくりやすい」「美味しい」レシピサイト

 Nadiaは、「写真がきれい」「つくりやすい」「美味しい」がコンセプト。料理家のマネジメントを手がける株式会社OCEAN’Sによる、料理家集団のレシピから検索できるサービスです。とにかく一品一品の写真がきれいなので、見ていて気持ちがよく、これ美味しそう! と瞬間的に感じられます。執筆時点で登録されているレシピの総数は約3万件。パソコンのウェブラウザーで利用できるほか、iOS/Android用のアプリも用意されています。

 レシピの検索だけなら会員登録も不要ですが、一般会員登録をすれば、お気に入りのレシピをクリップしたり、気になるレシピの作者(Artist)をフォローして、感想を投稿できるようになります。

審査を通過したArtistだけがレシピを投稿できます

 他のレシピサイトと大きく違うのは、誰でもレシピを投稿できるわけではないこと。料理のキャリアは不問ですが、一定の審査を通過し「Artist」として登録された会員のみがレシピを投稿することができます。

 結果、そこに集まるのは、「料理研究家」「料理ブロガー」「料理教室の先生」「フードコーディネーター」「フードスタイリスト」「フードアナリスト」などの肩書きを持つ方々ばかりに。つまり、クオリティの高い料理のレシピ集になっているというわけです。

料理家にとことんフォーカスした検索サービスがおもしろい

 レシピサイトですから、キーワード検索やシーンや用途、材料別の絞り込み機能があります。調理器具からも探せます。

 しかし、もうひとつ、他とは違うユニークな点があります。それは、検索についてもレシピを提供している料理家に思い切りフォーカスが当たっている点です。

 特に面白いのは「料理家検索」です。ライフスタイルによる絞り込みは必見。「一人暮らし/独身」「DINKS/共働き」「ファミリー」「ベビー/マタニティ」「小さな子供がいる」「子供が食べ盛り」「大家族」「シニアにも優しい料理を」「食材のアレルギーが気になる」「多忙な毎日に追われがち」「毎日がおもてなし」「ヘルシー/健康志向」に分かれており、自分のライフスタイルに近い料理家が選べます。

料理家をライフスタイルから検索!

 たとえば一人暮らしの方なら、ライフスタイルに「一人暮らし/独身」を掲げる料理家をフォローしておけば、一人暮らし向きのレシピを見られる可能性が高いというわけです。

 このほか、好みのキーワードで検索した場合でも、そのワード(レシピ)に強いArtist順に表示します。

 コンテンツには「Nadia Artists」という、「Artist」とフードビジネスをつなぐサイトがあり、料理家のプロフィールページもしっかり作られているところからしても、レシピサイトでありながら、料理家データベースの要素も非常に強いといっていいでしょう。

「写真がきれい」は本当だった

 サイトでは、レシピのほかに、料理をする上で知っておきたい基礎知識を紹介している「料理の基礎」や、 「【4人分3000円未満!】管理栄養士が教える!節約献立1週間分」といった、料理家による役立つ記事(コラム)も多数用意されています。

 すべて料理家自身による記事であり、オリジナルの写真で構成されているところに驚かされます。いずれの写真もきれいなので、作り方だけでなく、目にも美味しい盛り付けやスタイリングをマネできるというメリットもあります。

Artist自らがコラムの執筆と料理、写真撮影まで手がけています
雑誌の1ページのような写真も

 ただし、そこからは、料理が作れるだけでは生き残れない厳しい世界が展開されていることも想像されます。

 料理家のプロフィールにはボタンが用意されており、お気に入りの料理家に1日5つまで、プレゼントバッジを贈れるようです。「写真の技術が高い!」「お料理が美味しい!」「レシピのアイデアが光っている!」「簡単なお料理で作りやすい!」「レシピが丁寧でわかりやすい!」「盛り付けやスタイリングが素敵!」「料理に感想をくれてありがとう!」「レシピの数が豊富!」などです。

 先頭にあるのが「写真の技術が高い!」バッジ。料理家も一定レベル以上の写真が撮れなくては、ネットで存在感を残しにくい時代になっているとも言えそうです。

 なお、コンテンツには流行の動画レシピも取り入れられていますが、スタイルもかなり自由なようで、お世辞にもレシピとして見やすいとは言えない例も。残念ながら、動画は料理家間のクオリティに大きなばらつきがあるようです。

料理の道を目指す方のきっかけづくりにも

 サイトには、これから料理の道を目指そうという方向けに、料理家自身にスポットライトを当てたインタビューコーナーもあります。実際、筆者の周りでもNadiaで注目された結果、仕事につながった例もあるようです。

どうやったら料理家に? そんな方にも

 Nadiaでは、料理家の素晴らしいレシピを一般にも役立ててもらいつつ、その存在を広く知ってもらおうという狙いがありそうです。

 Artistとして投稿できるようになるには、一般会員登録の後、所定の審査があるそうです。審査基準は「想いを持ってレシピ投稿してくださる方」「お料理の技術が一定以上の方」とのこと。見たところArtistのほとんどは女性ですが、男性も活躍されているようです。料理家を目指しているならエントリーしてみるのもいいかもしれません。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。