いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
ニューラルネットによる機械学習で翻訳精度が劇的に向上した「Google翻訳」
2017年2月1日 10:00
サービス名 | Google翻訳 |
運営会社名 | Google Inc. |
料金 | 無料 |
登録 | 不要 |
対応言語 | 英語、日本語、ドイツ語、フランス語など世界103言語 |
URL | https://translate.google.com |
2016年11月ごろ、あるサービスの機械翻訳機能が飛躍的に向上したとして話題になっていました。さらについ最近では、カメラを向けた先に現れるユニークな訳語を楽しむ人達が大量に現れました。驚くべき精度になったと言われながら、一方では人々の笑いを誘う――それが、今回ご紹介する「Google翻訳」です。
Google翻訳とは、サーチエンジンでおなじみのGoogle社が提供している機械翻訳サービスです。世界の103言語に対応し、利用は無料、登録も不要です。
Google翻訳の機能は、「https://translate.google.com」にアクセスして利用するパソコン版と、スマートフォンのアプリ(iOS版、Android版)がありますが、それぞれ少々異なります。また、スマートフォンのアプリでもiOS版とAndroid版では機能差があり、Android版でのみ利用できるものもあります。
外国語のウェブページの閲覧に便利なパソコン版
パソコン版では、5000字までの文字列や、URLを入れることでウェブページをまるごと翻訳してくれるドキュメント翻訳機能と、フレーズ集がメインです。文字入力は音声認識や手書きも可能で、対応言語に相当する文字候補から選択できます。
フレーズ集は、よく使うフレーズを保存しておくことで、再利用しやすくできる機能です。原文と訳文を併記でき、言語ごとに並べ替えができるようになっているほか、Googleドライブにインポートできます。挨拶や自己紹介などを保存しておくと、再度アレンジもできて便利な機能です。
ちなみに、GoogleのウェブブラウザーであるGoogle ChromeにはGoogle翻訳の機能が統合されており、外国語のウェブページを表示すると、自動的に言語を判断し、翻訳するかどうか聞いてきます。常に翻訳する設定にしておくと、次回からは自動的に翻訳したページを表示してくれます。
昨年、その精度の高さでユーザーを驚かせたのは、この長文翻訳です。それまでの単語をつないだような訳文から、人が書いたような自然な文章に変化し、とても読みやすくなったのです。
これは2016年11月に、ニューラルネットワークに基づく機械翻訳(Neural Machine Translation)が英語と日本語間に対応されたことによります。日本語以外でも、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国語、トルコ語と英語との間で対応されました。おかげで、海外の製品サイトや記事が格段に読みやすくなったのは言うまでもありません。
なお、ニューラルネットに基づく機械翻訳に関する説明は、「ケータイWatch」の記事「『Google 翻訳』を進化させた『ニューラルネットワーク』とは?~グーグルが解説」をご参照ください。
いますぐ環境を整えておきたいモバイル版
モバイル版、つまりスマートフォン用のアプリは、パソコン版に比べて入力方法が多彩です。
タイピングしたテキストや「手書き入力」した文字列を指定言語間で翻訳するというベーシックなものだけでなく、スマートフォンのカメラを使い、映っているものに含まれるフレーズをリアルタイムに翻訳する「リアルタイムカメラ翻訳」、自然な会話の中で自動的に言語を認識し、指定言語に翻訳できる「会話モード」、他のアプリから呼び出して、アプリ間の切り替えをあまり意識せずにシームレスに利用できる「タップして翻訳」など、スマートフォンの機動性を生かした即戦力となるものとなっています。
インターネットに接続できない環境でも利用できる「オフライン翻訳機能」は、モバイル版ならではといえます。フレーズ集もあり、Googleアカウントでログインしておけば、パソコン版との同期もできます
最近、変換後のフレーズのマッチングのおもしろさで盛り上がったのが「リアルタイムカメラ翻訳」です。パッケージなどに書かれている外国語が日本語に翻訳され、そのまま仮想的に置き換えられて見えるというもので、本来はレストランのメニューや街角の表示などで役立つ機能。しかし、対象物によっては、その斜め上の訳語が海外映画に登場する日本語の世界のようだとして盛り上がっていました。
「会話モード」はただの音声入力とは違い、入力言語の切り替えをすることなく翻訳できるという点で、近未来感も楽しめる機能です。言語はあらかじめ指定しておく必要はありますし、矢継ぎ早に話すようなシーンでは厳しいですが、受付カウンターのような場所では威力を発揮しそうです。
Android版なら「タップして翻訳」を有効に
もう1つ注目したいのが、すべてのアプリから即Google翻訳が利用できる「タップして翻訳」です。現在、Android版だけで利用できる機能ですが、翻訳するためのアプリの切り替えが不要で、コピー&ペーストの手間が最小限に抑えられるため、翻訳と文字入力を頻繁に繰り返すシーンで効果的。オフラインでも利用できます。
たとえば、テキストチャットの最中に理解しにくい外国語の文章があった場合、従来なら、該当テキストのコピー→Google翻訳に切り替え→文字列をペースト→翻訳→自分の返事の入力→翻訳→翻訳後のテキストのコピー→元のアプリの切り替え→テキストをペースト→送信する、という動作を繰り返し行っていました。
しかし、「タップして翻訳」を有効にしておくと、該当テキストのコピー→アイコンを2つタップでGoogle翻訳の画面に切り替わり、すぐ翻訳(ペーストが不要)→返信用のテキスト入力(すぐ翻訳)→「コピー」をタップ→画面が自動的に元のアプリに切り替わる→「ペースト」タップ→送信する、となります。
手間がゼロになるわけではありませんし、連携するアプリによっては、最初の連携がうまくいかない場合もあるようですが、Google翻訳を頻繁に利用する方はぜひ設定をオンにしておきたいところです。
外国語でのスピーディなコミュニケーションを望む方に
パソコンでも、スマートフォンでもどんどん使いやすく進化しているGoogle翻訳。これから卒業旅行など、海外に行く機会も増えるのではないでしょうか。オフラインでも利用できるので、現地での通信手段を確保する前のやりとりにも威力を発揮しそうです。
なお、アプリのオフライン翻訳用の言語は数十MB以上あるので、今後使う可能性のあるものはWi-Fi環境化でまとめてダウンロードしておきましょう。