いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
自治体の緊急情報も受けられる災害情報通知アプリ「Yahoo!防災速報」
2017年2月8日 11:45
サービス名 | Yahoo!防災速報 |
リリース日 | 2011年12月13日 |
運営会社名 | ヤフー株式会社 |
料金 | 無料 |
登録 | 不要 |
URL | https://emg.yahoo.co.jp/ |
1月23日、東京都渋谷区とヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)が、「災害に係る情報発信等に関する協定」を締結したと発表しました(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1040425.html)。これに伴い、アプリ「Yahoo!防災速報」では、渋谷区が独自に提供する地震・台風接近などの緊急災害情報や、避難所の開設情報などがプッシュ通知されるようになりました。
渋谷区は住民の数もさることながら、通勤者も多いエリア。万が一の際には大量の帰宅難民が懸念されているため、避難場所などの細やかな情報の提供が重要視されるわけです。そこで、今回は改めて「Yahoo!防災速報」をご紹介したいと思います。
災害情報や自治体の緊急情報をプッシュ通知
Yahoo!防災速報は、ヤフーが2011年12月から提供している災害情報のプッシュ通知アプリ(サービス)です。全国ですでに約900万人が利用しています。利用は無料、登録も不要で、現在地連動通知と、あらかじめ指定した最大3地点に関する通知の2種類があり、合計4地点分の災害情報をプッシュ通知できます。
iOS版、Android版のアプリがありますが、パソコンやケータイ向けにも、設定した地域の情報をメールで知らせられます(メール版の利用にはYahoo! JAPAN IDが必要です)。
リリース当初は、地震や豪雨などの警報・注意報を受信できるiPhone向けアプリでしたが、その後、Android端末にも対応。2016年には通知項目を大幅に増やし、現在の通知対象は、避難情報、地震情報、津波予報、豪雨予報、土砂災害、河川洪水、気象警報、熱中症情報、火山情報、国民保護情報、防犯情報に加え、2016年8月からは前述のような自治体からの緊急情報が加わり、全部で12項目になっています。
ウェブサイトでは災害別の防災コラムも充実しており、もしものときの備えを促しています。「大雪が発生したら、電気・ガス・水道が使えなくなる可能性がある」といった盲点となりそうな指摘もあり、一度全部目を通しておくといろんな発見がありそうです。
アプリはiOS版とAndroid版で設定の細かさが異なる
アプリでは、以下の項目について通知が受け取れます。
- 避難情報:集中豪雨や台風などによる避難勧告等、天気予報の重大ニュース
- 地震情報:緊急地震速報と、地震の後の観測結果(緊急地震速報は間に合わない場合もある)
- 津波予報:全国の津波警報・注意報
- 豪雨予報:設定した地域の降水量が設定した値を超えると予想されたときや、直近1時間以内に、設定した降水量を超える大雨が予報される場合に通知
- 土砂災害:大雨で土砂災害の危険性について、土砂災害警戒情報を速報
- 河川洪水:河川氾濫の危険が高まったときに
- 気象警報:大雨警報、大雪警報、洪水警報など、気象庁発表の気象警報を速報。注意報のみ発表された場合は通知されない
- 熱中症情報:熱中症の危険が予測される場合
- 火山情報:気象庁が定める火山において、噴火速報や噴火警報(噴火警戒レベルが3以上)が発表された場合
- 国民保護情報:弾道ミサイル攻撃、航空攻撃、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、大規模テロなど、政府が国民保護情報を発令した場合に通知
- 防犯情報:声かけ・不審者やひったくり、通り魔など、各都道府県の警察本部が発表する犯罪発生情報や、防犯に関する注意情報
- 自治体からの緊急情報:自治体が発表する防災情報を直接配信。
通知内容に関するより詳しい情報や条件については、公式サイト(https://emg.yahoo.co.jp/)の各災害項目をクリックして、通知する情報をチェックしてください。
アプリでは基本的にプッシュ通知のオン/オフの設定と、情報が欲しい地域の設定を行います。ただし、iOS版とAndroid版では、Android版のほうが細かい設定ができます。
iOS版ではプッシュ通知のオン/オフ、または通知が必要な量や危険度のレベル指定まではできますが、個々の音量まではできません。
一方、Android版では、通知条件、通知する時間帯、通知音量、通知音、マナーモード時の通知音がそれぞれ標準で設定でき、設定したサウンドや音量のテストも可能です。地震情報は、揺れる前は緊急地震速報として、揺れた後は地震情報として分けて通知項目を設定できるようになっており、緊急地震速報は男性の声、地震情報は女性の声、といった設定もできます。
自治体からの緊急情報は確実に受け取れるようにしたい
自治体からの緊急情報は、2017年1月23日に渋谷区が加わって、59の自治体が対象になっています。最新の対応自治体は公式サイトで確認できます(http://notice.yahoo.co.jp/emg/sokuho/service/localgovernment.html)。
アプリ版では、アプリを起動していなくても、台風接近情報、避難所の開設情報、ライフラインに関する情報(断水・給水・水道管の凍結・停電など)、野生動物の出没情報、防災訓練などの情報がプッシュ通知されます。ですから、インストールしたら、地域の登録は忘れずにしておきたいところ。
現在地にも基づいて通知されますので、行く先々が自動的に対象になりますが、たまたま出張でいつもと違う場所にいて、自宅や会社のある場所の情報収集が遅れてしまうことも考えられます。現在は非対応の自治体でも、いずれ対応する可能性があるので、現在地の通知は有効にしつつ、実家、自宅、会社など、状況が気になる地域の登録は忘れずにしておきましょう。
使わないに越したことはないけれど
Yahoo!防災速報は、日本に住んでいたら欠かせない災害を網羅していますし、タブレットに入れても緊急地震速報を受けられます。出番がないほうがいいアプリですが、入れておくと安心できそうです。
以前ご紹介した「NHKニュース・防災アプリ」とかぶる部分もありますが、それぞれにメリットがあります。「NHKニュース・防災」アプリは、地域設定やプッシュ通知機能も備えていますが、アプリとしてはニュース記事が読めたり、ライブ中継や防災に関するNHKの放送がそのまま見られたりと、情報そのものの配信がメイン。Yahoo!防災速報と一緒に入れておくと、防災に役立つセットになりそうです。
ちなみに、Yahoo!防災速報の機能ではありませんが、連動するサービスも提供されています。たとえば、ヤフーのアプリ「myThings」(https://mythings.yahoo.co.jp/)を使うと、防災速報が来たら自動で部屋の照明をオンする、地震が発生した後に家族に安否確認メールを自動的に送信する、といったことができるようになるそうです(https://mythings.yahoo.co.jp/special/disaster1606)。興味のある方はこちらもぜひお試しください。