2009/06/15~06/19


 参議院本会議で6月12日に改正著作権法が可決・成立したことを受け、日本レコード協会(RIAJ)や日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)などの権利者団体が歓迎のコメントを発表しました。

 改正著作権法では、違法配信されている音楽・映像を違法と知りつつダウンロードする行為を禁止する、いわゆる「ダウンロード違法化」の措置が盛り込まれ、2010年1月1日より施行される予定です。ただし、違反者に対する罰則は設けられていません。

 RIAJやCPRAなどの権利者団体はこれまで、違法録音録画物や違法配信からの私的録音行為に対して、著作権法30条の私的複製の範囲から除外するよう訴えてきました。今回の法改正について両団体は「関係各位のご支援、ご努力のたまもの」と歓迎しています。

 その一方、設立当初よりダウンロード違法化に反対していた「MIAU(インターネットユーザー協会)」は17日、参議院本会議で改正著作権法が可決・成立したことに対して、「強い遺憾の意を表明致します」とのコメントを発表しました。MIAUは、ダウンロード違法化が議論された文化庁の私的録音録画小委員会に参加していたジャーナリストの津田大介氏らが設立した団体です。ダウンロード違法化がもたらす問題点を訴えるとともに、パブリックコメントでの意見表明を呼びかけてきました。

 MIAUによれば、法案の国会提出後も野党議員らに修正案の提示をするなど、さまざまな働きかけを行ってきたそうですが、一部議員を除けばこの問題に対する関心も薄く、国会内外で大きな世論を巻き起こせなかったことを自ら「大きく反省すべき」としています。今後MIAUでは、ダウンロード違法化が成立したことによる弊害や、インターネットの健全な成長に及ぼす悪影響を訴えるとともに、法案の修正・見直しも視野に入れた活動に取り組んでいくとコメントしています。

 ダウンロード違法化が話題に上る一方で、海外での著作権侵害に対する取り組みですが、違法アップロードに対する動きもありました。日本の映画、音楽、放送産業などの企業や団体で構成される「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」は19日、コンテンツの違法アップロードで問題となっている中国の動画共有サイトへの対策強化に乗り出すことを明らかにしました。

日本レコード協会、改正著作権法の可決・成立で歓迎コメント発表
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090615_294058.html
 参議院本会議で12日に改正著作権法が可決・成立したことを受け、日本レコード協会(RIAJ)は15日、歓迎のコメントを発表した。改正著作権法では、違法配信されている音楽・映像を違法と知りつつダウンロードする行為を禁止する、いわゆる「ダウンロード違法化」の措置が盛り込まれた。RIAJの石坂敬一会長は、「今後も、違法な音楽ファイルなどの流通を撲滅するための諸活動を継続するとともに、改正法の趣旨を国民に広く理解いただくための広報活動に努めていく」としている。

検索サービス「NAVER」クローズドβ開始。一般公開は夏を予定
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090615_294131.html
 ネイバージャパンは、新たな検索サービス「NAVER」のクローズドβ版を6月15日に開始した。事前に募集した約5000名の先行体験ユーザーなどが利用可能で、一般公開は2009年夏ごろの予定。韓国NHN Corporationが運営する「NAVER.com」の検索サービスとは異なる、日本向けに独自開発した検索エンジンを採用。Web、画像、ブログなどの検索機能に加えて、ユーザーが作成した「お題」に対して、他ユーザーがお題に沿った内容(回答)を追加できる「まとめ」検索も提供する。

TwitterのURL短縮サービスに脆弱性、218万件のURLが改ざんされる
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090617_294389.html
 露Kaspersky Labは16日、マイクロブログサービス「Twitter」で使われているURL短縮サービス「Cligs」に脆弱性が見つかったと指摘。Cligsで生成された200万以上のURLが改ざんされ、特定のサイトにリダイレクトされる事態が発生したとして注意喚起した。Cligsは、Twitterで4番目に多く使われているというURL短縮サービス。

Opera、Webブラウザをサーバー化する「Opera Unite」を公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090617_294373.html
 ノルウェーのOpera Softwareは16日、Webブラウザにサーバー機能を持たせる新技術「Opera Unite」を発表した。次期ブラウザ「Opera 10」で動作するテクニカルプレビュー版を公開している。ブラウザを使って、ローカルのファイルをほかのユーザーと共有することなどが可能だ。

ニコ動、JRC管理楽曲についても演奏動画が投稿可能に
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090617_294387.html
 ニワンゴは17日、同社が運営する「ニコニコ動画」における楽曲利用について、音楽著作権管理会社のジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)と利用許諾契約を締結したことを発表した。JRCは、Mr.Children、スピッツなどの楽曲を管理している。今回の契約により、JRCの管理楽曲をユーザーが歌ったり、演奏した動画を、「ニコニコ動画」用の動画投稿サービスである「SMILEVIDEO」にアップロードできるようになった。

「iPhone OS 3.0」公開、計38項目の脆弱性を修正
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090618_294608.html
 アップルは17日、iPhone OSの新バージョン「iPhone OS 3.0」を公開した。テキストのコピー&ペースト機能などの新機能が追加されたほか、多数の脆弱性の修正も行われている。iPhoneの場合は無料で、iPod touchの場合は有料(1200円)で、それぞれiTunesからアップデートできる。

中国動画サイトでの著作権侵害に、日米の映像関連団体が連携へ
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090619_295080.html
 日本の映画、音楽、ゲーム、放送、アニメ、ゲーム産業の企業や団体などで構成される「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」は19日、インターネット上における日本のコンテンツの著作権侵害に対して対応に乗り出す考えを明らかにした。米国の映像権利者団体と連携し、中国の動画共有サイトなどに対する削除の自動化などを目指す。



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(編集部)

2009/6/22 11:00