イベントレポート
CEATEC JAPAN 2016
オムロン、「ドライバー運転集中度センシング技術」で安全な自動運転をサポート
2016年10月7日 06:00
「CEATEC JAPAN 2016」のオムロン株式会社のブースでは、センシングデータとAIを活用した製品を紹介している。
自動運転において、緊急時にドライバーが対応する必要のある「レベル3」までは、ドライバーは運転可能な状態を維持しなければいけない。オムロンでは、ドライバーの状態を検知する「ドライバー運転集中度センシング技術」を搭載した車載センサーを展示。同社独自の画像センシング技術に、連続した時間的変化を伴う事象の認識が可能な「時系列ディープラーニング」を組み合わせたものだ。
この車載センサーを自動運転車などに搭載することで、ドライバーの異常発生時に停車させるなど、ドライバーの状態に合わせた制御を行うことが可能になる。
ここでは、局所的な顔映像と大局的な動作映像の2つの映像をリアルタイムで処理することで、居眠り、脇見、スマートフォン操作、読書など、ドライバーの状態を危険度レベル別に判定する。なお、レベル分けの段階・基準は顧客の要望によって変更可能としている。
参考出展として、「非接触脈拍センサー」も展示。ドライバーの体表面に電波を送信し、体表面に当たって戻ってきた電波を受信することで、血管が脈を打つときに発生する約100μm以下の変位を検出。独自のアルゴリズムにより、脈拍信号として抽出することで脈拍値として出力する。
非接触で測定できるため、体にセンサーを装着する必要なく、ドライバーにわずらわしさや運転操作への影響を感じさせることなく、リアルタイムに健康状態を把握することができるとしている。
また、IoTデバイスの開発に活用できる組み込み用途のセンサー類も展示。
「環境センサー」は、周囲の温度、湿度、気圧、照度、紫外線、音圧、加速度などの環境情報をリアルタイムで収集。無線通信機能により、スマートフォンから環境情報の遠隔管理が可能になる。
感震センサーは、地震の大きさを判別するもの。地震発生時の火災など、二次災害防止に活用できるとしている。今後は通信機能を用いた感震センサーのネットワーク化により、建物の被害状況の把握など地震発生後の復旧対策に利用できる。
ネットワークカメラセンサー「ヒューマンビジョンコンポ(HVC-P2)」は、表情や性別、年齢、ジェスチャーなどの人の状態を認識。同センサーを利用した「ヒューマンビジョンコンポ 家族目線(HVC-C2W)」もラインアップしており、スマートフォンやタブレットで遠隔から確認できる見守りカメラとしても利用できる。
「屋内用モバイルロボットLDプラットフォーム」も展示。独自のAIを搭載しており、研究施設、物流倉庫など屋内において、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートで荷物を搬送するロボットとして活用できるとしている。
このほか、オムロンのブースでは卓球コーチロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」のデモも実施。対戦相手の位置と球の動きを1秒間に80回計測、球の軌道を予測して打ち返す。9月には「最初の卓球コーチロボット」としてギネス世界記録に認定されている。