イベントレポート

CEATEC JAPAN 2017

MUFGの社員同士でブロックチェーン通貨「MUFGコイン」のやり取り実験中、HoloLensで“スカウター接客”も

 「IoTタウン」の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のブースでは、ブロックチェーンによるデジタル通貨「MUFGコイン」をデモしているのが目立つ。現在、社内で社員同士のお金のやりとりで実証実験中という。ブロックチェーンによって決済システムを安価で確実に実装できるかどうかが、実験テーマとのこと。台帳情報はサーバーが持ち、スマートフォンからアクセスして利用する。

 デモでは、ダンベルを上下してMUFGコインをもらい、自販機でミネラルウォーターを買うところを実演していた。スマートフォンに表示されるQRコード(1回のみ利用可)を自販機にかざすと決済がなされる。

MUFGコインの説明
ダンベルを上下して「MUFGコイン」をもらう
自販機にスマートフォンに表示されるQRコードをかざしてミネラルウォーターを買う

 「お客様対応技術」のコーナーでは、MicrosoftのHoloLensを使った接客のコンセプトを展示している。HoloLensを着けることにより、来客を認識して、サポート必要度や待ち時間などの情報を重ねて表示するという。預金額などを表示することもできるそうだ(スカウターの戦闘力表示のようだ)。

 また、Aldebaran Robotics社のロボット「NAO」による対応では、従来の質問に答える機能だけでなく、自ら来客に金融商品を営業する機能を新しく備えたという。

HoloLensで来客の情報を表示しながら来客対応
ロボット「NAO」が金融商品を営業

AIで外貨予測や決算報告の自然言語解析、チャートの画像解析

 現在、フィンテックで実用的に使われている技術にAPI連携がある。スタートアップアクセラレータプログラム「MUFGデジタルアクセラレータ」のコーナーでは、「Fintech Challenge 2015」でアイデア大賞を受賞したクラウド会計ソフト「freee」とのAPI連携が展示されていた。請求に対してfreeeのOCR機能から入金したりと、freeeと銀行口座がシームレスにつながる。

スタートアップアクセラレータプログラム「MUFGデジタルアクセラレータ」コーナー
クラウド会計ソフト「freee」とのAPI連携

 じぶん銀行では、AIによる外貨予測をリアルタイムデモ。カブドットコム証券の「kabuステーション」でも、決算報告をAIで自然言語解析する機能(協力:xenodata lab.)とチャートを画像解析して類似や相違を判定する機能(協力:Alpaca)を組み込んだ。カブドットコム証券ではもう1つ、KDDIによりカブドットコム証券のAPI経由で動作する株価連動LEDセンサーも展示している。

 そのほか、NTTの3Dテレプレゼンス技術「Kirari!」によるコンシェルジュなども展示している。

じぶん銀行の、AIによる外貨予測のリアルタイムデモ
カブドットコム証券の「kabuステーション」にAI機能2点が装備
KDDIによる株価連動LEDセンサー
3Dテレプレゼンスによるコンシェルジュ。写真では絵だが、実際には人間が対応する