イベントレポート
Japan IT Week 春 2013
「テレビ」「広告」「Vine」――Twitterにおける3つの最新トピック
Twitter Japan 日本法人代表 近藤正晃ジェームス氏講演レポート
(2013/5/8 16:50)
8日に開幕した「第7回Web&モバイルマーケティングEXPO 春」で、基調講演が開催された。トップバッターとして登壇したのは、Twitteer Japan 日本法人 代表 近藤正晃ジェームス氏。「Twitterが変える距離感」と題した講演では、Twitterにおける3つの最新トピックが紹介された。
3つのトピックとは、「テレビ」「広告」「Vine」のことを指す。まず1つ目のテレビについて、近藤氏は「Twitterと非常に相性がいい。この2つが連関した展開が、今、活発に起こっている」と述べ、最新の事例を紹介した。
テレビとTwitterは相互に補完し合う関係
近藤氏によると、「Twitterというバーチャルな世界でも、テレビに関するツイートが非常に多くなっている」といい、Twitter社が行った調査によると54%のユーザーが、テレビを見ながらツイートをした経験を持つ。Twitterのトレンド情報にもテレビ番組に関するキーワードが多数掲載され、「過半数がソーシャルとテレビというようにデュアルスクリーンの使い方をしている」。
特に日本は「世界における1秒あたりのツイート数の記録で、トップ3を占めている」といい、特にアニメの影響が大きいことが語られた。宮崎駿監督の「天空の城 ラピュタ」が放映された際は、1秒間に最大2万5000ものツイートがあったという。
「テレビはまだまだ非常に大きい影響力を持っている」と語る近藤氏だが、一方で、Twitterがテレビに及ぼす効果もある。たとえば、「日本では27%の方がTwitter上の情報に影響されてテレビを見たというデータがある」という。
多チャンネルが一般的なアメリカではよりこの傾向が顕著になる。近藤氏は、Twitter社がニールセンと提携して、米国で発表したデータを紹介。それによると、「放送開始時の番組はツイート数が8.5%増えると視聴率が1%上がる。シーズン半ばの番組では、ツイート数が4.2%増えることで1%になる」といい、テレビとTwitterは相互に補完し合う関係にあるという。こうしたデータは「まだまだ実験が始まったばかり」だというが、日本でも活用の事例は増えているようだ。
ツイート単位でターゲティングできるキーワードターゲティング広告
近藤氏が挙げた2つ目のキーワードが、「広告」だ。Twitter社は、新たにキーワードターゲティング広告を導入した。これは、ユーザーのタイムラインに現れる「プロモツイート」に適用される。
たとえば、「普段は自動車のことをつぶやいている人が、『ゴールデンウィーク、どこかに行きたい』とツイートすると、そこに『ハワイ旅行のパッケージがありますよ』というプロモを打てる」。従来は、アカウントの属性に合わせた広告しか展開できなかったが、ツイート単位で「アリタイムと興味を掛け合わせたところに直接ターゲティングできる」ようになった。
プロモツールとしても注目される6秒動画のVine
3つ目のトピックとして紹介されたのが、「Vine」という動画アプリとなる。Vineは、Twitter社が買収した会社のビデオ制作アプリで、「ここ数週間、App Storeの1位から3位を推移しているもっとも人気のあるサービス」。
6秒間のループする動画を簡単に作成、投稿できるのが特徴で、Twitterとの親和性も高い。近藤氏は「Twitterはツイートは140文字という文字数の中で凝縮された情報を出していくプラットフォーム。Vineは6秒という非常に限られた映像を共有する」と語り、TwitterとVineの類似性を解説。ユーザーはもちろん、企業に使われるプラットフォームになりつつあることもつけ加えられ、海外での事例として、DoveやGEといった企業の活用事例が紹介された。
Vineは当初、「アメリカでは高校生の間で爆発的に広がった」。その後、大学生、社会人、企業に浸透し、日本での本格展開もにらんでいる。現在はiOS向けアプリとしてのみリリースされているが、「Androidも近い将来(始める)。開発の見通しは立っている」という。
1日あたりのツイート数は4億
このほか、基調講演ではTwitterに関する基礎的なデータも紹介された。近藤氏によると、昨年末時点でのアクティブユーザーは全世界で2億人。アクティブではないが、登録だけしているユーザーは「その何倍かいる」状況だ。
1日あたりのツイート数は4億で、「我々は地球の鼓動と呼んでいるが、地球で何が起こっているのか、何を感じているのかを捉えられる情報がたくさんある」。
ユーザー分布は、3割がアメリカ、7割がそれ以外の地域となっている。モバイルからのアクセスはグローバルでも6割以上に上るが、「日本の比率はさらに高い」という。
また、近藤氏は、Twitterが元々モバイルを念頭に開発された“モバイルファースト”のサービスというエピソードが紹介。「モバイルで多くの方々に使っていただいているし、この傾向はさらに進む」という見通しを示した。