イベントレポート

Interop Tokyo 2013

村井純氏とティム・バーナーズ=リー氏、HTML5やオープンデータについて対談

 「Interop Tokyo 2013」の12日午後の基調講演では、Interop Tokyo開催20回記念として、慶應義塾大学環境情報学部学部長・教授の村井純氏と、ウェブの発明者であるW3Cディレクターのティム・バーナーズ=リー氏による特別対談が行われた。

村井純氏
ティム・バーナーズ=リー氏

 対談は、バーナーズ=リー氏がWWWを開発した当時のエピソードに始まり、現在策定を進めているHTML5の意義、オープンデータの重要性など話題は多岐に渡ったが、時間が短かったこともあり駆け足で行われた。

 バーナーズ=リー氏は、「オープンなプラットフォームであるウェブ上で動作するウェブアプリにこそ未来がある」とコメント。W3Cでもさまざまなワーキンググループが作業を進めることで、ロケーション情報やローカルストレージへのアクセスなど、これまではネイティブアプリにしかできなかったことがウェブアプリでできるようになってきており、ウェブの可能性をさらに高めるためには、こうした機能をAPIとして標準化していくことが必要だと語った。

 オープンデータについては、自身が提唱した「5 star Open Data」の概念を紹介。スキャン画像などどのような形でもいいのでデータを公開すれば1つ星、Excelなどの構造化されたデータで公開すれば2つ星、CSVのような汎用フォーマットを使用していれば3つ星といった形でデータの公開形式を評価するもので、日本でもオープンデータの利用を政府機関などに働きかけて促進してほしいとした。

 また、「人々の注目はサービスなど上のレイヤーに集まりがちだが、下のレイヤーにも関心を持つべきだ」と語り、さまざまな理由でデータに差別的な取り扱いをしている国もあるとして、ネットワーク中立性の重要性を強調。米国で政府機関がネットワーク上で個人情報を収集していたとする話題にも触れ、それぞれのレイヤーがオープンであるべきだと語った。

(三柳 英樹)