1990年の第1回IP Meetingから20年、「Internet Week 2010」が開幕


「Internet Week 2010」の会場、東京・秋葉原の富士ソフトアキバプラザ

 インターネットの構築・運用・サービスにかかわる技術者や研究者らが集い、最新情報の共有と議論を行うカンファレンス「Internet Week 2010」が24日、東京・秋葉原の富士ソフトアキバプラザで開幕した。会期は26日までの3日間。各プログラムの事前参加申し込みはすでに締め切られており、満席のセッションが多いが、空席のあるプログラムについては当日受け付けもある。

 昨年までに比べると、今年は会期が4日間から3日間へと短くなったが、プログラム数は増やしたという。IPv6やDNS、セキュリティといったInternet Weekでおなじみのテーマはもちろん、昨年からのトレンドである仮想化/クラウドのほか、ブロッキングやソーシャルアプリなどバラエティ豊かなプログラムとなっている。

 Internet Weekといえば、ネットワーク基盤技術などの、いわば“低いレイヤー”の話題がメイン。しかし今年のプログラムを検討するにあたってInternet Weekプログラム委員会では、「低いレイヤーのプログラムばかりでは、Internet Weekとして、とてもじゃないがインターネットの多様化に対応できているとは言いがたい」という意識があったとしている。

 そこで今年初めて設けたのが、初日・24日夕方のプログラム「HTTP Meeting~ソーシャルアプリ over HTTP~」だ。ソーシャルアプリの仕組みや現状などを説明した上で、OpenSocialなプラットフォームが今後、基盤としてどのような展開を見せるか考える内容にした。また、2日目・25日夕方の「インターネット&ライフスタイル」も初めてのプログラム。「最近のデバイスやクラウドなどの環境の変化が、我々のライフスタイルとワークスタイルにどのような影響を与えるか」考えるという。

 このほか、ソフトウェアルーター「Vyatta」も、今年初めて取り入れたテーマだ。Vyattaは、無料にもかかわらパフォーマンスが高く、ISPレベルでも実用で使われているという。24日夕方には、実際にVyattaを使いこなしている人が技術解説などを行うプログラム「Vyatta ~仮想世界をになうルーター~」を設けた。

 もちろん、IPv6やDNSなど、従来からのテーマを取り上げるプログラムも複数も設けている。特にIPv6やDNSSECについては「切羽詰ってきた感がある」ためか、導入に関するチュートリアルが人気だという。


 さらに今年は、Internet Weekの前身でもあるイベント「IP Meeting」の第1回が1990年に開催されてから、20周年を迎える節目の年であることも注目される。

 IP Meetingは当初、ネットワーク団体の情報共有の場だったが、インターネットの普及に伴ってInternet Weekへと開催形式を変えてきた。IP Meetingは現在も1つのトラックとしてInternet Weekの中で継続されてており、今年も最終日・26日の午前・午後にわたり「IP Meeting 2010」が行われる。

 IP Meeting 2010のテーマは「IPが何をもたらしたのか、我々はどこへ向かって行くのか~この20年を振り返り、今後10年を見通す~」。午前は例年どおり、今年1年間におけるインターネット技術の標準化、IPアドレスやドメイン名などの動向を振り返る。一方で午後からは、村井純氏、後藤滋樹氏らが登場。インターネットの20年を振り返った上で、最後のセッションにおいて、今後インターネットがどのような方向へ向かうのか、パネルディスカッションを行う。

 IP Meeting 2010終了後は、20周年を祝って懇親会も実施される。


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(永沢 茂)

2010/11/24 12:55