WIRELESS JAPANで農業? Twitter活用で野菜を産地直送する「ミノッター」


会場内で異色を放っていた株式会社E・C・R農業生産法人のブース
ミノッターのサービスイメージ図

 「WIRELESS JAPAN 2010」の会場で、“変わり種”として異色を放っているのが、株式会社E・C・R農業生産法人が参考展示するサービス「minotter(ミノッター)」だ。

 ミノッターは、Twitterを活用して、農家が収穫した野菜をその日のうちに配送するサービス。農家が収穫予定の野菜の種類や状態をTwitter上でつぶやくと、利用者が必要な野菜の種類・量をTwitter上で返信することで、注文が完了する仕組み。

 例えば、農家はTwitterで「これからトマトを収穫します」といったコメントを写真付きで投稿したり、「トマト400円/kg」などと野菜の値段をツイートする。利用者は注文するだけでなく、美味しい食べ方を直接農家に聞くようなやりとりも見られるという。

 サービスは現在、E・C・R農業生産法人が本社を構える大阪近郊で試験的に運用している段階で、野菜を注文できるのは、同社と提携する企業の社員のみ。農家は野菜を一括で提携会社に配送し、社員は自分が注文した野菜を自宅に持ち帰るようになっている。

 株式会社E・C・R農業生産法人の出口博文氏は、「価格はスーパーマーケットと変わらないのに、今日採れた野菜をその日に食べられるのは魅力。新鮮な野菜に満足する利用者も多く、リピーター率が高い」と語る。

 正式サービスの開始時期については、「決済手段や収益の確保の仕方など、詰める部分はまだまだあるが、秋の収穫時期までに間に合わせたい」とコメント。将来的には、個人が直接注文できる仕組みを提供したいとしている。

 なお、ブースには無線通信とは縁がなさそうな玉ねぎやじゃがいもが積み上げられているせいか、多くの来場者の注目を集めていた。来場者からは「なぜWIRELESS JAPANなのに農業なんですか?」と質問されるというが、出口氏は「農作物生産者と消費者を結ぶスマートフォンの利活用を紹介しています」と答えているという。


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(増田 覚)

2010/7/14 17:44