WordPressに対応した「ホームページ・ビルダー17」発売

“お値段以上”のビジネスパック~コンセプトと魅力を聞く

「ホームページ・ビルダー 17」ビジネスパック
価格:2万7825円

 ホームページ作成ソフトの定番、「ホームページ・ビルダー」の最新版「ホームページ・ビルダー 17」が発表された。通常であればPHPのプログラミングができなければ導入・運用が難しいオープンソースソフトウェアのWordPressとの連携機能が今回の目玉だ。WordPressの導入により、ブログやお知らせ、新製品情報など日々の更新作業を手軽に行うことが可能になるなど、ビジネスユーザーを意識した機能が拡充されている。

 また、ビジネスパックでは、ウェブサイト担当者であれば知っておきたい基本的な知識を網羅した「ネットマーケティング検定 公式テキスト」も同梱される。

 ここでは、9月6日より予約受付を開始する「ホームページ・ビルダー 17」のビジネスパックについて、株式会社ジャストシステム コンシューマ事業部 企画部 國府田 大(こうだ だい)氏、ビジネスパックに同梱される「ネットマーケティング検定 公式テキスト」著者の株式会社ワールドエンブレムの代表取締役 藤井裕之氏、ネットマーケティング検定の認定試験を運営する株式会社サーティファイ 事業推進部 第一推進グループ 田原幸作氏にお話を伺った。


ビジネスパックのコンセプト

株式会社ジャストシステム コンシューマ事業部 企画部 國府田 大(こうだ だい)氏

――まず、ビジネスパックのコンセプトを教えてください

國府田氏:ホームページというのは作って公開して終わりではなくて、そのあと継続的に運用して、顧客とのエンゲージメントというところにまでつなげてはじめて、ビジネスユースでは価値が出てくるものです。ですから、その運用のところまでフォローしていく特別なパッケージとしてラインナップしています。

 ビジネスパックは、ホームページ・ビルダーの歴史の中では新しいラインナップなのですが、弊社がIBMさんから事業譲渡を受けて、2010年に「ホームページ・ビルダー 15」、2011年に「ホームページ・ビルダー 16」、そして今年の「ホームページ・ビルダー 17」と販売してきた中で、販売数が伸びてきているパッケージです。

 「ホームページ・ビルダー 15」では、ビジネスバリューパックという名前だったのですが、SEOに関する書籍を同梱し、テンプレートや写真といった素材を多数搭載して、ビジネスバリューパックを買っていただければ、多忙なビジネスマンが制作に関するいろいろな時間をかけずに作れるということを目指しました。

 「ホームページ・ビルダー 16」のビジネスパックは、そもそもインターネットでどういった情報を公開して運用していけばいいのかという基本知識を学んでいただきたい、そういった前提知識があって運営するのとないのとでは大きく違うということがわかっていたので、「マンガでわかるWebマーケティング」という書籍を同梱しましたが、たいへんなご好評をいただきました。

 今回の「ホームページ・ビルダー 17」のビジネスパックではさらにもう一歩踏み込んで、ネットのマーケティングに取り組む方にとって必要な情報を網羅的に知っていただく支援をしたいという観点から、「ネットマーケティング検定 公式テキスト」を同梱いたします。


――ビジネスパックで一番の“売り”は何でしょうか

國府田氏:まずひとつは、テンプレートですね。ビジネス専用のテンプレートが入っているというのは、ユーザーさんにとって最もわかりやすいメリットです。また、効果的なホームページ運営に役立つ書籍の同梱も、魅力になっております。

 また今回のバージョンでは、書籍だけでなく、搭載するソフトウェアも変更があります。今回搭載するのは、「seoマスターEXPRESS」という、公開しているページについてSEOから見たパフォーマンスをチェックして、改善点を指摘してくれるソフトが同梱されています。


――ビジネス向けのテンプレートは、搭載するテンプレートをどのように決めているのでしょうか

國府田氏:作る前段として、昨年度末に、弊社独自の検索クローラーを回しまして、4TBほどのHTMLデータを収集しました。そのデータから、ホームページのジェネレーターがホームページ・ビルダーになっているHTMLソース600万ページほどを抽出して、どのテンプレートを元に作られたか解析しました。

 いままで提供してきたテンプレートでどのジャンル、どのカテゴリーがどれだけ使われているかを調べて、その結果に応じて今回のテンプレート拡充を図りました。

フルCSSテンプレ-トの例


――使われるテンプレートは、ネットショップなどが多いのでしょうか

國府田氏:ネットショップも伸びてきています。業種では、やはり小売業が多いというデータが出ていますね。そして、企業ホームページ用のテンプレートが非常に多く使われています。

 ホームページ・ビルダーのユーザーの方は、テンプレートがいくつか並んでいるデザイン選択画面があるのですが、いちばん左上のテンプレートを非常に多くお使いになられます。クロールで収集した結果では、ダントツで公開されている率が高いのが、このいちばん左上のテンプレートなんです。それだけ多く使われるので、汎用的で質も高く、お選びいただいて間違いのないものを意識して一番左上に置いています。


WordPress連携で、ブログ、お知らせなど日々の更新作業を簡便に

――ビジネスパックではなく、ホームページ・ビルダー本体の機能になりますが、ブログのようなコンテンツの作成機能は、今回初めてサポートということになりますか

國府田氏:ホームページ・ビルダー自体の機能として、ブログへ投稿する機能は以前からあります。ただ、ブログ自体を構築する機能はなく、一般のブログサービスを利用する形でした。

 今回のWordPress連携というのは、多忙な中小企業や個人事業主のビジネスユーザー様のために用意した機能と言えるものです。スモールビジネスのユーザー様に、そのまま公開してすぐにお使いいただけるようなテンプレートを用意しています。

 WordPressテンプレートはビジネスパックだけの話ではないんですが、カスタム投稿タイプに対応しておりまして、製品情報とかFAQとか、ニュースとか、といった複数の更新できるものを内包したテンプレートになっています。これらの複数のコンテンツは、たとえば、FAQはサポート担当の方が更新して、製品情報は製品企画担当や営業担当が更新して、ブログは社長が更新する、といった“分業更新”が今回の「ホームページ・ビルダー 17」からできるようになります。

 従来は、ホームページ担当者が、ホームページ・ビルダーがインストールされたパソコンを起動して、そのパソコンからしか更新できなかったのですが、WordPressと連携することで、パソコンからでもスマートフォンでもタブレットでも、ウェブブラウザーが利用できる端末があれば、いつでもどこでも更新することが可能になります。また、更新はサイト管理者だけでなく、複数の人間が行うことができるようになります。

 今回用意するWordPressテンプレートというのは、PHPファイルとCSSのスタイルシートのセットなのですが、「かんたんWordPressデビュー」というウィザード形式のツールを使っていただくことで、ユーザーはPHPはもちろん、HTMLやCSSすら知らずに、画面を見ながらWordPressサイト構築ができるようにしています。また、このテンプレートはスマートフォンで見ると自動的に最適に表示されるようになっていますので、スマートフォン用のテンプレートを別途用意する必要はありません。


――「かんたんWordPressデビュー」はウィザード形式で、主なレンタルサーバーはプルダウンで選択するだけでWordPressの環境構築ができるなど、かなり工夫されていますね

國府田氏:インターネットを介して、自社もしくは自社の製品・サービスを広く知ってもらいたいという方にとって、HTMLやPHP、ましてやWordPressのインストール方法の勉強などは、できればやらないで済ませたいところだと思うんですね。ツールや、あるいはアウトソースできるのであればやってもらいたい、外部に任せてもいいところなんですね。

 それに対して、ネット上でのコミュニケーション、人を介在したコミュニケーションというものは、ツールや外部サービスでは絶対にカバーできないところです。ですから、そこにより時間を割いていただきたいと思いますので、ホームページ・ビルダーのツールとしての利便性を考える上で、公開や運用、更新の手順というものはできるだけショートカットできるようなものを目指してチューニングしてきました。

 ユーザーには、そのほかの勉強をしていただく方が、トータルでお客様が成功に近づくんじゃないかという思いも含めて、「かんたんWordPressデビュー」というウィザード形式のツールを用意しました。

WordPress用テンプレートの例


――WordPressのサイトがウィザード形式で簡単に構築できてしまうというツールはこれが初めてでしょうか

國府田氏:そうですね、WordPressのサーバーへのインストールからカスタム投稿タイプに対応した企業や店舗に特化したホームページの公開まで、一気通貫でできるツールはこれが初めてだと思います。WordPress自体を設定してすぐに使えるようにするツールというのは、複数のホスティング事業者が提供しているのですが、そこで使えるようになるものというのは、WordPressのデフォルトの、つまりブログの単なる一本の投稿ラインというデザインのページで、企業でそのまま使えるといったものではないんですね。

 ホームページ・ビルダーで提供するのは、企業サイトや店舗サイトなど、複数の業態に最適化されたテンプレートが入っていて、それはインストールしてから1時間もあれば公開できて、他のPCやスマートフォンなどからウェブブラウザーを介して更新ができると。企業のためのWordPressをバックボーンに使ったサイトが完成します。そこまでできるものは、他にないですね。

 WordPressの場合、ウェブブラウザーが利用できる端末があればどこからでも更新できるという大きな特長がありますが、一方で、デフォルト状態でインストールと設定が終わって、少し変えたいといった場合もPHPでコーディングする必要が出てきます。プログラミングを勉強したいのではなく、企業のホームページを作るのが目的の方には、扱うハードルが高くなってしまうところですね。


「ネットマーケティング検定 公式テキスト」を同梱したわけ

株式会社サーティファイ 事業推進部 第一推進グループ 田原幸作氏

――今回同梱する書籍として「ネットマーケティング検定 公式テキスト」を選ばれた理由を教えてください

國府田氏:検定に着目したのは、ビジネスユースのお客様が、ホームページを公開した後に、ウェブ上でより効果的なそれぞれの目的に即した成果を上げていくために、これだけ知っていたらいいだろう、という知識がうまくパッケージ化されていたことからですね。

 検定のための公式テキストには網羅的に知識がまとめられている上、検定受験料の割引優待などもワンパッケージで提供できる点が、今回のビジネスパックで同梱させていただいた理由ですね。検定受験という具体的な目標が学習の動機にもなればと考えています。

 ユーザーのセミナーを実施した際など、わたしどもはホームページ作成ソフトということで、HTMLのクリエイティブなところや、制作物を作りきるというところに焦点を置きがちだったのですが、実際には、「インターネットって何なの」とか、「ホームページを公開したらどういう効果があるの」といったところで、実は非常に質問が多いんですね。

 ですから、私どもとしてはツールとしての利便性を追求する以外に、関連する前提知識の学習ができるようなものを提供したり、そういったところをフォローするのがひとつ課題であると感じています。


――検定の内容について、検定を運営されているサーティファイさんからお教えいただけますか

田原氏:「ネットマーケティング検定」は、インターネットマーケティングを最も効果的に実施できる人材の育成を目的として、今年3月に開始したばかりの検定になります。公式テキストとなる書籍もほぼ同時期に発売となりまして、この書籍を使ってサイト運営に必要となる知識を学んでいただき、その知識を身につけていることを対外的に証明するのが検定試験ということになります。

 実際にスキルをお持ちでも、言葉で説明したり、制作物を見せて説明するのは大変ですので、わたくしどもの実施運営している資格試験全般に言えることですが、その人のスキルを対外的に証明するというのがまず検定の第一のメリットになります。第二に、公式テキストを使って学習していく中で、途中で難しい言葉が出てきて挫折しそうになったような時に、検定試験を目標にしてがんばれるというモチベーション維持の点で、検定の意義があると考えています。

 「ネットマーケティング検定」の受験料は5400円なんですが、ビジネスパックを購入された方は、4000円で受験できる優待権がついています。


――検定試験はすでに始まっているそうですが、次はいつになりますか

田原氏:来年2月3日に、全国5都市で第2回の全国一斉試験を実施します。当初、基本的には企業や学校等の団体単位での受験を想定していました。不特定多数の方に受けていただく一般受験というのは考えていなかったのですが、個人受験のご要望が非常に多かったものですから、急遽、6月17日に第1回の試験を行いました。

 試験の内容は、ビジネスパックに同梱されている書籍が公式テキストとなりますので、テキストと完全にリンクしています。書籍をまるまる1冊勉強していただければ、試験の内容はもれなくカバーされています。


――ホームページ・ビルダーそのものはSMB市場で最も売れているとお聞きしていますが、検定もSMB市場が対象のメインになるのでしょうか

田原氏:実は大きな企業の方からも、ご質問やご意見をいただくことが多いんです。検定については、企業の規模というよりも、どれだけインターネットというものに会社として重きを置いているかだと思います。


基本的かつ網羅的な内容を押さえた「ネットマーケティング検定 公式テキスト」

「ネットマーケティング検定 公式テキスト」著者の株式会社ワールドエンブレム 代表取締役 藤井裕之氏

――ビジネスパックに同梱される書籍「ネットマーケティング検定 公式テキスト」の著者である藤井さんから、書籍の狙いについてお聞かせいただけますか

藤井氏:企業がビジネスでインターネットを用いる際の、ベーシックナレッジになれれば、という想いで書いています。企業がビジネスでインターネットを用いるシーンは様々だと思います。ユーザーのニーズをリサーチする、集客をする、PRをする、あるいは、インターネット上に自社に関するネガティブな情報が流れているような時にそれに対応すること、など様々な目的と用途があると思います。

 インターネットは非常に技術革新が速いために、そうした目的や用途はさらに拡大し続けます。そのような複雑な環境の中で企業が対インターネット戦略を考える場合に、まずは広く、基本的な知識を持っている必要があるだろうというのがこの書籍の原点です。

 業種、業態、規模、あるいはタイミングによって、どこでどういう方策をインターネット上で行っていくかは千差万別だと思うのですが、ただ、その戦略を立てるにあたって、最低限、網羅的かつ基本的な知識や理論について企業内メンバーが同じものを押さえておく必要があるだろうと。そこがこの書籍の主眼ですね。

 この書籍のターゲットとしては、インターネットを専門に扱っている人というよりは、一般的なビジネスパーソンを広く対象として考えて執筆しました。ですから、いろいろなシーン、いろいろなテーマについて、知っておいた方が良い知識や理論を広くまとめたのが本書ということになります。


――セミナーなどで企業のサイト運営担当者とお話される機会も多いかと思いますが、現場での課題というのはどういったことが多いのでしょうか

藤井氏:その時々で話題になっていること、たとえばSEO対策であるとか、FacebookやTwitterが日本向けサービスを開始した、といったようにトピックスが出るたびに、そのトピックスに特化したことの勉強で終わってしまっているということが多いパターンじゃないかなと思います。

 それぞれの勉強によって正しい知識を得ることはできるのですが、すべて特定のコンテンツやジャンルに特化した話なんですね。総合的に考えたときに、いろいろなものを有機的に結びつけて、どうすればインターネットを上手に用いて集客したり情報を正しく伝えたりといったことができるか、ということを考えたときに、そこで壁にぶつかってしまうというお話はよくお聞きします。

「ネットマーケティング検定 公式テキスト(発行:インプレスジャパン 定価2100円)」は通常の書籍として単体販売もされている
「ネットマーケティング検定 公式テキスト」内容イメージ


ビジネスパックが企業ユーザーにおすすめな理由

――ビジネスパックやバリューパックのテンプレートは単体販売もするとのことですが

国府田氏:ビジネスパックはラインナップの中で一番高額なので、コンテンツの搭載数は当然最も多くなっています。今回は通常版、バリューパック、ビジネスパックと3製品をラインナップしていますが、今回は通常版には入っていないバリューパック、ビジネスパックの差分となるテンプレートをそれぞれ単体ダウンロード販売します。

 ビジネスよりの話になるのですが、バリューパックと通常版の差分となるテンプレートは1点980円、バリューパックとビジネスパックの差分となるテンプレートは1点1980円。買った後で、いろいろなテンプレートを単体で後から購入されるよりも、最初にビジネスパックをご購入いただいた方が安くつく計算になります。書籍もついていてサイト運営に必要な知識を網羅的に勉強できますので、ビジネスパックをお買い得なパックとしてお勧めしたいですね。

 パッケージソフトなので、一度購入すれば後から費用はかかりません。WordPressはオープンソースなので無料で利用できますし、企業であればブランドごとにサイトを構築されることもあると思いますが、そうした時に、やはりテンプレートが多い方が使い勝手は良いと思います。

 また、今後、いまのところ11月を予定していますが、新しくSNS連携機能、アクセス解析新サービスの公開を予定しています。

 規模を問わず、ビジネス用途でホームページを公開しようと思われている方は、ホームページ・ビルダー17 ビジネスパックをお買い求めいただければ、これに全部入っていますので、ぜひご活用いただければと思います。

 同梱しているホームページ・ビルダー サービス たっぷり50GBプランは、独自ドメインでのメールアドレスを数に限りなく発行することができます。ビジネス用途でホームページを作成する方には、間違いなく一番のおすすめ製品になります。

――本日はありがとうございました。



関連情報


(工藤 ひろえ)

2012/9/6 11:00