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「ホームページ・ビルダー15」発表、テーブル組みレイアウトからCSSへ脱却


ジャストシステムの福良伴昭代表取締役社長
「ホームページ・ビルダー15」のパッケージには、新しいチャレンジに旅立つことをイメージした、気球のデザインを採用した

 株式会社ジャストシステムは13日、ウェブサイト作成ソフトの新バージョン「ホームページ・ビルダー15」を12月3日に発売すると発表した。パッケージ製品の価格は、「通常版」が1万4800円、Flash作成ソフトや追加テンプレート集をセットにした「通常版バリューパック」が1万8800円など。Windows 7/Vista/XPに対応する。

 ホームページ・ビルダーはIBMが開発・販売していた製品で、ジャストシステムでは2007年から販売代理を行ってきたが、2010年2月にIBMから同ソフトのプログラム著作権と商標権を取得。今回のバージョンからは、ジャストシステムの開発による製品となり、これまでできなかった改善や強化を実現したとしている。

 その1つが、ようやくCSSに本腰を入れた点。ジャストシステムの廣庭雅一氏(コンシューマ事業部開発部)によると、従来のホームページ・ビルダーにおけるレイアウトはテーブル組みを使った方式が基本であり、ネット上の評判では“あきらめ”や“ため息”が聞こえてくる状態。同社としても、ホームページ・ビルダーの進化を考えれば、脱却しなければならない壁だったという。今回、ソフト開発もジャストシステムが行えるようになったことで、レンダリングエンジンから大きく作り直し、CSSをきちんと扱えるようにした。

 これを受け、ウェブ標準に準拠して再設計したという「フルCSSプロフェッショナルテンプレート」を、通常版で17種類、バリューパックではさらに25種類収録した。テーマは、趣味、企業、クリニック、飲食店、美容室、宿泊施設、ネット販売などから選択でき、さらに色合いやサイトナビゲーションボタンの位置などにより、それぞれバリエーションがある。

 これらのテンプレートについては、HTMLを変更することなく、CSSを差し替えるだけでデザイン/レイアウトを変更できる「瞬間デザインチェンジ」機能を用意。また、サイトナビゲーションボタンやヘッダー、フッター、電話番号の書式など、各ページに共通する部分を一斉に変更できる「共通部分の同期」機能も備えている。

 廣庭氏は、レイアウトのためのテーブル要素を全く使わないフルCSSでは、HTMLソースにノイズがなく、SEO的にも有利だと説明する。なお、既存バージョンで搭載していた従来のテンプレートも引き続き搭載しており、従来の方法でも編集可能だとしている。


「フルCSSプロフェッショナルテンプレート」を使ったサイト作成ウィザード画面 「フルCSSプロフェッショナルテンプレート」の例

 もう1つの大きな新機能は、ウェブサービスとして提供する「かんたんアクセス解析」機能だ。ウェブビーコン方式によるもので、JavaScriptのトラッキングコードを簡単・適切に埋め込めるとともに、アクセスデータをホームページ・ビルダー上またはウェブブラウザー上から参照できるようになっている。ページごとのアクセス推移グラフを表示したり、リンク元や検索キーワード、訪問者の属性(地域・言語、ブラウザー・OSなど)も参照できる。アクセス解析結果を考慮しながら、サイトを作成・変更できるとしている。


「ホームページ・ビルダー15」の「ビジュアルサイトビュー」画面でアクセス解析サービスを表示した状態 ウェブブラウザー上でアクセス解析サービスを表示した状態

 このほか、FlashまたはJavaScriptのjQueryを使ったスライドショーを作成できる機能、Twitterボタンを設置できる機能を新たに搭載した。


Flashによるスライドショーの作成画面 iPhone/iPad向けには、JavaScriptのjQueryを使ったスライドショーを作成できる

 また、「安心バックアップ・移行ツール」を用意。ホームページ・ビルダーの旧バージョンのユーザーが新バージョンへ移行したり、旧PC環境から新しいPC環境へ移行するのをサポートする。このツールについては、単体での無償配布も予定している。

 パッケージは、通常版のほか、「アカデミック版」(1万400円)、バージョン1.2以降のユーザーを対象にした「バージョンアップ版」(8300円)などもラインナップしている。また、今バージョンでは新たに、校正ソフト「JustRight!」をセットにした「表記ミス防止セット」(3万9800円)も2011年3月に発売する。サイトの品質じたい問われかねないような、致命的なウェブサイトの表記ミスの防止に役立つとしている。


「フルCSSプロフェッショナルテンプレート」 「安心バックアップ・移行ツール」の概要
「ホームページ・ビルダー15」パッケージ製品のラインナップ。このほかにライセンス製品もある 「ホームページ・ビルダー」の今後の展開。パッケージ以外の提供形態も見据えているほか、ウェブ標準については、「HTML5やEPUBなどキャッチアップしつつ、何ができるか検討したい」(佐藤氏)としている

 ジャストシステムの福良伴昭代表取締役社長は、2009年に発売したバージョン14でSEO対策支援機能を搭載した点が評価され、前バージョンから販売本数を伸ばしており、特に個人商店や個人事業主、小企業におけるウェブサイト制作の内省化のニーズを実感しているという。さらに今後はネットショップの開設ニーズも増えてくるとし、「ウェブサイトを作成するだけでなく、運用もウェブサービスで支援していく。使いやすいソフトとウェブサービスの融合はジャストシステムの強み」とアピール。権利の譲渡を受けて、満を持して投入するバージョン15により、魅力的なサービス・製品を提供していきたいとした。

 コンシューマ事業部企画部部長の佐藤洋之氏は、株式会社BCNの調査では、ホームページ・ビルダーの9月までの販売本数は前年比で115%と増加しており、シェアも増加していることを紹介。また、ビジネス目的のユーザーが5年間で倍増していることも報告した。


コンシューマ事業部企画部部長の佐藤洋之氏 コンシューマ事業部開発部の廣庭雅一氏
ホームページ・ビルダーの販売本数 ホームページ・ビルダーの市場シェア



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(永沢 茂)

2010/10/13 17:12