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ニュースアプリだけじゃない! 飛躍なるか「キュレーション」型サービス
(2014/9/19 06:00)
ネット上に溢れる情報の中から必要なものを選り分ける「キュレーション」という概念が話題になって久しい。「そんなの昔からあるじゃないか」「いやネットが真に普及したからこそ生まれた概念なんだ」など、その定義については意見が分かれるところだろう。しかしその一方で、情報の氾濫に人々が悩んでいることもまた事実。キュレーションはそんな時代の救世主なのか? 今回は、キュレーションを標榜する新興サービスを実際に見ていこう。
今やキュレーションの代名詞?! スマホ向けニュースアプリ
キュレーションという言葉の成り立ちはなかなか複雑だ。博物館や図書館の館長をそもそも「キュレーター」と呼ぶが、そこから転じ、情報を分かりやすく整理・掲示することをキュレーションと表現するようになったとみられる。ちなみに、INTERNET Watchの過去記事を振り返ってみると、2010年10月にはキュレーターという言葉が登場していた。
キュレーションの意義としては、これまでロボット型検索などが担ってきた「情報の価値付け(例えば検索結果の順位)」を、“人力”で行う点にあるとされる。具体的には「まとめサイト」などが良いだろう。
その一方、ここ2~3年のキュレーション流行時代にあって、その代表格に育ちつつあるのがスマホ向けのニュースアプリだ。新聞、雑誌、はたまたブログ系メディアなどが制作した記事を集め、ユーザーの嗜好に応じて配信する。読んだ記事に応じて別のおすすめ記事を提示する機能も一部であるが、情報の取捨選択がロボットと人のどちらが行っているかは、必ずしも重視されない傾向にあるようだ。
キュレーションを体感するための第一歩として、まずはこのニュースアプリを見ていこう。
グノシー
http://gunosy.com/
スマホアプリに加え、PCのブラウザーからも利用できるニュースまとめ読みサービス。テレビCMなどでは「3分で雑談力をつける」というフレーズを用いており、効率的かつコンパクトに情報収集できるとしている。アプリのダウンロード数は500万件を突破。
ニューズピックス
https://newspicks.com/
経済情報に特化。運営元では「ニュース共有サービス」と説明している。スマホおよびPCに対応。記事の一覧ページには、その記事に対してコメントを寄せたユーザーのプロフィール写真や人数を併記するなど、SNS的な要素が強め。
Antenna
https://antenna.jp/
ズバリ「キュレーションマガジン」を標榜するサービス。時事ニュースはもちろん、暮らしに役立つ記事も数多い。また、好みの記事をクリップブックにまとめておき、別のユーザーに参照してもらうことが可能。
LINE NEWS
http://news.line.me/
無料メッセージ・通話サービス「LINE」から派生。記事ページでは画像を大きく表示し、さらに要点を冒頭に付記するなどの工夫を行っている。画面を下スクロールさせるだけで、次の記事が表示されるなど、スマホアプリならではの機能も。
スマートニュース
https://www.smartnews.be/
公開から約14カ月で300万ダウンロードを達成したというニュースアプリ。8月1日からはテレビCMの放映も開始した。「いま世の中で話題になっている読み応えある記事が、厳選されて届く」とアピールしている。
Vingow
https://vingow.com/
アカウントを登録することにより、スマホ版とPC版でのデータ共有が可能。例えば、iPhone版で記事要約に目を通した後、気になるものだけをクリップしておき、帰宅後にPCでじっくり閲覧するといったことができる。
Presso
http://bookmark.hatenastaff.com/entry/presso
ソーシャルブックマークサービスとしておなじみの「はてなブックマーク」から派生したスマホ向けニュースアプリ。ユーザーが実際に読んだ記事をもとに必読ニュース20記事を毎朝配信する機能がある。
Yahoo!ニュース公式アプリ
http://promo.news.yahoo.co.jp/app/yjnews/
キュレーション台頭以前から定番ニュースサイトとして知られる「Yahoo!ニュース」でも、アプリを配信中。記事数は非常に膨大だが、その中で「主要」のカテゴリを設けるなど、読み応えと効率性のバランスをとっている印象だ。
エキサイトニュース
http://apps.excite.co.jp/iPhone/news
ポータルサイト「エキサイト」によるニュースアプリ。記事カテゴリの移動、前ページ戻りのどちらもスワイプで行えるなど、スマホならではの操作感を重視している。9月16日公開のバージョン2.5.0でiOS 8に対応済み。Android版もある。
ハッカドール
http://hackadoll.com/
声優、アニメ、ゲームなどの趣味分野に振り切ったニュースアプリ。DeNAが8月に配信を開始した。アプリ起動後の質問に答えると、趣向にあった記事を朝・昼・夜の1日3回、25件ずつ届けてくれる。オリジナルのイメージキャラにも注目だ?!
どうなる? キュレーションの今と未来
まとめサイト、そしてニュースアプリの時代を経て、キュレーションはますます広がりを見せている。特に顕著なのが通販分野。「店員のおすすめ」「セレクトショップ」といった従来からの概念がウェブ表示技術と結び付き、独特の進化を果たすのかもしれない。ここからはキュレーション型サービス全般を見ていこう。
NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/
2009年7月の検索ポータル「NAVER」一般公開と同時にスタート。いわゆる「まとめサイト」の作成サービスとして、国内では事実上の一強状態にある。なお、まとめの作成はユーザーなら誰でも可能。人気コンテンツの作成者にはインセンティブ(ポイント)を進呈している。
Togetter
http://togetter.com/
Twitterのツイートをまとめ、1つのウェブページに表示してくれるサービス。古い順に表示したり、複数人のツイートを集めて常時表示できるなど、Twitter単体では難しい表示も行える。
HATCH
http://hatch8.jp/
「コンシェルジュ型通販サイト」を謳う。さまざまな分野の専門家が「セレクター」として登場。インタビュー記事の掲載とともに、数点のおすすめ商品を実際に販売している。商品ジャンルも食品、ファッション関連、生活雑貨など幅広い。
Origami
http://origami.co/
スマートフォン専用のショッピングアプリ。主にファッション製品がラインナップされている。メインの機能は通販ながら、SNS的な機能が豊富で、好きなアイテムやブランドを友人同士で共有したりできる。
WEAR
http://wear.jp/
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」で知られるスタートトゥデイが運営。お気に入りの服や靴を登録し、そのコーディネートを写真・コメント付きで投稿できる。コーディネート画面からの商品注文も可能だ。主要な機能を利用するにはスマホアプリが必須。
ROOM
https://room.rakuten.co.jp/
楽天市場で販売されている商品の中から自分好みのものを集め、「ROOM」という仮想店舗を作成できるサービス。実際にこの店を通じて商品が購入されると、アフィリエイトと同じ感覚で楽天スーパーポイントがもらえる。
Reader Store コミュニケーション機能
http://ebookstore.sony.jp/stc/guide/communication/
ソニーの電子書籍ストアでは、「本を読んだ」「レビューを書いた」といった行動をフォロワー向けに公開する機能がある。この機能を利用すれば、自分では普段読まないジャンルのオススメ本などを発見できるという。電子書籍が売れた際、レビュアーにポイントを還元する機能も。
Fancy
http://fancy.com/
http://fancynavi.com/
米国発祥の「ソーシャルコマースサービス」。キュレーターが商品をおすすめするだけでなく、お気に入り商品をコレクションするなどの機能がある。サイトの日本語化がまだ完全ではないため、「FANCYナビ」という公認外部サイトを設けている。
auおまかせショッピング
http://omakase.auone.jp/
食品、化粧品、生花の定期購入サービス。提携する専門業者が厳選したアイテムだけを販売しているという。au携帯電話利用者を対象としており、支払い方法は「auかんたん決済」のみ。
TERIYAKI
http://teriyaki.me/
堀江貴文氏がプロデュースするというグルメ情報アプリ。食の分野で活躍するライターやバイヤーがキュレーターを務めており、おすすめレストランなどを解説している。
sercus
http://sercus.jp/
インターネット上のさまざまなウェブサービスについて、コメント付きでレビューできるサイト。登録されたデータについては、評点ベースあるいはレビュアー単位でも検索できる。
ナナピ
http://nanapi.jp/
仕事や暮らしで役立つ知恵ばかりを多数集めたウェブサイト。知りたいことを探すだけでなく、一般のユーザーが投稿することもできる。
videlico.us(ビデリシャス)
http://www.videlicio.us/
フジテレビが運営する動画メディア。「キュレーションメディア」を標榜している。主に「食」と「旅」の話題について、ほぼ毎日更新で情報を配信中。
Quickreads
http://quick-reads.com/
話題の本の内容を約1200字に要約し、毎日1冊分配信してくれる有料サービス。「忙しくて本が読めない」「どんな本を読んでいいか分からない」といった場合に便利そうだ。iOS版アプリ利用時の月額料金は300円。
tab
https://tab.do/
自分が出かけてみたい場所、テレビで紹介されたお店などをまとめ「tab帳」に登録しておける。さらに、このtab帳は第三者と共有が可能。ガイドブック的に使うことができるだろう。