Cerevoとドコモ、スマホから4枚のSIMカードを切り替えられるデバイス「SIM CHANGER ⊿」

（左から）株式会社Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏、株式会社NTTドコモR&Dイノベーション本部移動機開発部長の德弘徳人氏

　株式会社Cerevoは株式会社NTTドコモと協業し、スマートフォンからSIMを切り替えて通信できるデバイス「SIM CHANGER ⊿（シムチェンジャーデルタ）」を開発した。8月2日よりクラウドファンディング「Makuake」で資金調達を開始し、早期購入価格は200台限定で1万800円（税・送料込み）。2017年3月までに提供する。なお、一般販売時は1万5000円を予定している。

　SIM CHANGER ⊿は、ナノSIMスロット、マイクロSIMスロットを2つずつ搭載し、最大4枚のSIMカードを切り替えることができる通信端末。本体の大きさは80×50.8×45.8mm（幅×奥行×高さ）、重量は約100g。バッテリー容量は3400mAhで駆動時間は約30日間になる見込み。

　Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は、「通話・通信用のSIMと大容量通信用SIMを分けたり、個人・会社用に分ける使い方もある。今後、SIMカードは使い分ける時代になると思っており、SIM CHANGER ⊿は、そういう方のためのデバイスになる」と述べた。

「SIM CHANGER ⊿」のモックアップ。前面にナノ／マイクロSIMカードスロットを備える。搭載できるSIMカードの枚数など、商品の仕様は今後の意見を参考に検討するとしている

　スマートフォン側にはBluetooth機能を持つSIMカード形状の「ブリッジカード」を装着し、専用アプリ（iOS/Android用）を使って通話・データ通信用や各国事業者別のSIMカードなどを切り替えることができる。ブリッジカードは約3000円で追加購入も可能。なお、iPhone/Android用の2種類があり、互換性がない。

「SIM CHANGER ⊿」と「ブリッジカード」はBluetoothで接続。同時通信はできないが、ブリッジカードを追加することで1枚のSIMカードを複数のスマートフォンから使うこともできる

「ブリッジカード」はSIMカード型のBluetoothデバイス

クラウドファンディング「Makuake」で資金調達を行う。「SIM CHANGER ⊿」本体1台、「ブリッジカード」1枚含めて1万800円（税・送料込み）

　SIM CHANGER ⊿は、NTTドコモが2014年6月に開発した「ポータブルSIM」技術のライセンス「PSIM Suite」を活用した最初のデバイスとなる。ポータブルSIMは、SIM情報を格納した親デバイスから子デバイス「psim proxy」にSIM情報を送信するもので、今回の製品開発にあたり、ポータブルSIMの基礎技術をCerevoに提供した形になる。

　NTTドコモR&Dイノベーション本部移動機開発部長の德弘徳人氏は、「現時点では一般的に使ってもらうものではなく、ドコモショップで売るには規模感が違うと考える。まずは小ロットでヘビーユーザーをターゲットに商品を展開する」としている。

「PSIM Suite」では、Bluetooth機能搭載SIM型ハードウェア、ファームウェアバイナリ、専用アプリソースコード（iOS/Android）、専用アプリ関連ドキュメントを提供

ドコモが開発したポータブルSIMの技術を「SIM CHANGER ⊿」に採用している