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IoTで駐車場シェアリングサービス、三井不動産が11月より「toppi!」提供開始

(左から)株式会社エスキュービズム代表取締役の藪崎敬祐氏、三井不動産リアルティ株式会社常務執行役員リパーク事業本部長の片岡純市氏

 三井不動産リアルティ株式会社は株式会社エスキュービズムと協業し駐車場シェアリングサービス「toppi!」を11月1日より提供すると発表した。首都圏1都3県でサービスを開始し、年内もしくは年明けには1000台分を展開する予定。

 toppi!は、住宅や店舗などの空いている駐車スペースの貸し出しを仲介するサービス。駐車スペースの利用者は、toppi!のウェブサイトやアプリから駐車スペースを予約し、利用料金を事前にクレジットカードで支払うことで、1日単位で利用できる。また、全国1万事業地以上、約20万台の駐車場を管理する「三井のリパーク」の時間貸し・月極駐車場の一部のスペースをtoppi!に転用するため、都心や観光地など人気のエリアでも駐車スペースを確保できるのを特徴としている。

サービスフロー
サービス対象になる駐車場

 これまでの時間貸し駐車場は事前に予約を取れなかったが、toppi!を利用することで、当日空きがある駐車場を探す手間が省け、スムーズに目的地に到着することができる。駐車場には会員登録用のQRコードを掲載しており、toppi!のサービス自体を知らない利用者でも手軽にサービスを利用できるようにする。また、法人会員は法人クレジットカート、請求書から支払い方法を選択できる。

 2015年に行われた総務省の調査によると、「車で外出した際に空いている月極駐車場や個人所有の駐車スペースに一時的に駐車できるサービス」を「利用したくない」と答えた人のうち、54.1%が「事故やトラブル時の対応に不安があるから」と回答。toppi!では、スタッフが現地に赴き、三井のリパークの駐車場運営ノウハウをもとに駐車に適した場所か否かを確認。万が一事故やトラブルが起こった場合も対応できる体制を整えているめ、利用者の不安を低減できるという。

 toppi!はエスキュービズムのIoTシステムを活用している。具体的には、カメラ付きセンサーポールを使った「eCoPA(エコパ)」をベースに開発。駐車スペースに各車番認識を行うポールを設置することで入庫を検知して、サーバーに情報を送信する仕組みになっている。車の駐車場設営に必要なフラップ板や精算機が不要になり、初期費用を抑えることができる。また、ホームページへの情報登録などもスタッフが担当するため、オーナーは手間をかけずに所有の土地をtoppi!の駐車スペースとして登録可能。予約・売上一覧を確認できる管理機能も提供する予定としている。

 今後の展開としては、時間貸しコインパーキングと予約専用駐車場の共存、人工知能を活用した駐車場の混雑状況予測サービス、曜日/時間や周辺イベントなど受給バランスに応じて価格を変更するサービスを展開するとしている。また、ARを使った駐車場の状況確認や、駐車場までのルートを仮想体験できるサービスも展開する予定。

toppi!は「eCoPA(エコパ)」をベースに開発
駐車場にもQRコードを掲載。FacebookやTwitterを使ったログイン機能も備えている
法人会員は法人クレジットカード、請求書から支払い方法を選択できる
カメラ付きセンサーポールで入庫を確認