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サイバーセキュリティ職の仕事内容やキャリアパスが分かる若者向けハロウィンイベント、秋葉原で10月31日開催

昨年の「サイバー・ハロウィン キャリアトーク」の様子

 サイバーセキュリティ職の仕事の内容やキャリアパスを、学生や若手社会人に知ってもらうためのイベント「サイバー・ハロウィン キャリアトーク」が10月31日16時30分より、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)で開催される。入場は無料で、事前参加登録を受付中だ(定員300人)。内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)と在日米国商工会議所(ACCJ)が主催、米国大使館・商務部が後援するもの。ACCJ加盟企業から、Facebook、グーグル株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、インテルセキュリティ(マカフィー株式会社)、日本マイクロソフト株式会社、パロアルトネットワークス株式会社が共催する。

 サイバーセキュリティ人材の不足が指摘され、需要が旺盛である分野であるにもかかわらず、なり手がなかなか増えない背景としてNISCでは、サイバーセキュリティ職に対する誤解もあるのではないかとみている。具体的には「サイバー攻撃=とても怖い」「ハッカーの世界。難しくて専門的」「文系には圧倒的に近寄りがたい」といったイメージや、「身近にロールモデルがいない」といった事情から、サイバーセキュリティ分野における仕事内容やキャリアイメージがつかめず、若者から敬遠されていることも一因としてあるのではないかというわけだ。

 確かに、サイバーセキュリティ分野で活躍している人材はIT企業やエンジニア出身者も多いというが、実際は「サイバーセキュリティはテッキーな仕事ばかりではなく、求められる人材の幅はとても広い。実は文系出身者も多く携わっている」という。このイベントは、サイバーセキュリティ業界に対する得体のしれないイメージや誤解を払拭するのが狙い。昨年に続きハロウィンの時期にあわせて、シリコンバレー風のカジュアルなスタイルで実施する。

昨年の「サイバー・ハロウィン キャリアトーク」の様子

 当日は、筑波大学非常勤講師で日本マイクロソフト株式会社マイクロソフトテクノロジーセンターセキュリティアーキテクトの蔵本雄一氏が、「サイバー攻撃を見て知って正しく怖がろう」と題して講演。サイバー攻撃で実際にどのようなことが起こるのかをデモする。

 また、「サイバーセキュリティのキャリアパス」「実は狭くない! サイバーセキュリティ人材の活躍できるフィールド」「世界を駆けるサイバーセキュリティのキャリア」という3つの分科会を実施。日本マイクロソフト株式会社チーフセキュリティアドバイザーの高橋正和氏、パロアルトネットワークス株式会社最高セキュリティ責任者の松原実穂子氏はじめ、ACCJ加盟企業やNISCから、「どんな仕事をしているのか?」「キャリアパスは?」「仕事上のうれしい/つらいところは?」といったサイバーセキュリティ業界の“気になる話”を紹介する。「多様なバックグラウンドを持ち、さまざまな分野で活躍しているサイバーセキュリティの専門家と直接話して多様性を分かってほしい」とし、軽食・ドリンクも用意して交流を図れるようにする。参加者には、NISCロゴ入りピンバッジや共催企業のオリジナルグッズなどをプレゼントする。

昨年の「サイバー・ハロウィン キャリアトーク」の様子

 このほか、ライトニングトークコンテストも実施。現在、出場者を募集中だ。発表内容は、真面目でも、面白おかしくても可。例えば昨年は、1行もコードを書かない文系のNISCメンバーが、ITに関する知識が少なく容易に標的型攻撃を受けてしまう「OSSAN(オッサン)」に対して「サイバー広報」で立ち向かう取り組みを紹介した「サイバーセキュリティのラスボス。OSSANにセキュリティパッチをあてる」と題したプレゼンテーションもあったという。ライトニングトークの出場者にはNISCオリジナルTシャツが贈られるほか、優秀者には共催企業からITデバイスが授与される予定。

昨年のライトニングトークの一例
昨年のライトニングトークの模様。マルウェアの挙動・被害を調べるためにサンドボックスを使う必要があるが、最近のマルウェアは仮想環境であることを検知して活動を休止してしまうため、物理的なサンドボックス装置を開発しているという内容