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NTT Comグループの新たな海底ケーブル敷設船「きずな」が進水

主に日本国内を担当、災害復旧工事に必要な機能も搭載

「きずな」進水式の模様

 NTTワールドエンジニアリングマリン株式会社(以下、NTTWEM)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、NTTファイナンス株式会社の3社は16日、新たな海底ケーブル敷設船「きずな」の進水式を、徳島県徳島市の神例造船所で実施したと発表した。同船の竣工は2016年度末の予定。

 「きずな」は、海底ケーブルの敷設、保守などを行う船。NTTファイナンスが保有し、NTTWEMにリース提供される。就航後は、NTTWEMが運用する他の3隻の敷設船とともに、NTTWEMの親会社であるNTT Comをはじめ、国内外の通信会社やサービス事業者が利用する海底ケーブルの敷設や保守を行う。

 総トン数8500t、全長109m、幅20m、航海速力13ノット、定員60人。今後は新船の「きずな」が日本国内を主に担当し、既存の「すばる」が海外をメインに担当する予定。

「きずな」の完成予想図

 「きずな」は、海上作業性能を高めるため作業区画を船尾に配置。モーター駆動のプロペラ2基が水平方向に360度回転するアジマスプロペラを使用した電気推進システムと、コンピューター制御によるDPS(Dynamic Positioning System)の採用により、海況5(風速14m/s、波高3m程度)、海潮流3ノット程度の状況下においても、定点保持を可能とする高い操縦性能を確保する。

 最大適用水深2500m、ジェット埋設機能が付いた遠隔操作型無人潜水機(ROV:Remotely operated vehicle)を搭載し、海底ケーブルの故障点の確認や、修理後のケーブル埋設作業などを迅速に行える。

 作業甲板は上部オープンハッチ型を採用し、船尾作業甲板と合わせ広い作業スペースを確保。2基のデッキクレーン(5t、10t)とともに、海底ケーブルの敷設、保守のみならず、多目的作業船として利用できるように設計されている。

 国内保守用途に向け、少人数で効率的に作業ができるよう、スペースの有効利用や機器の最適な配置を図った設計とし、既存の「すばる」より一回り小型化。また、災害復旧資機材の輸送(20フィート型コンテナを搭載可能)や、NTTグループにおける災害復旧用車両の輸送、臨時携帯電話基地設備・衛星通信設備の搭載、災害地での復旧作業にあたるNTTグループ社員の宿泊設備提供など、災害対応を考慮した設計となっている。

大規模災害における敷設船活用イメージ