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秀英体フォントがセルフパブリッシングでも利用可能に、ボイジャーのデジタル出版支援サービス「Romancer」にライセンス提供

 大日本印刷株式会社(DNP)は25日、秀英体フォントのライセンスを、株式会社ボイジャーのデジタル出版支援サービス「Romancer」へ11月1日より提供していることを発表した。これにより、EPUB3形式で秀英体が利用可能となる。

 秀英体は、DNPの前身である秀英舎が明治30年代に完成させた明朝体。やや太めで、かなが漢字より一回り小さいのが特徴。長文を読んだ場合に疲れにくいとされ、造形の美しさと読みやすさが高い評価を得ている。雑誌や書籍に加え、映像やウェブサイトなどでも幅広く利用されているという。

 Romancerは、会員登録後にWordやPDFのファイルをアップロードして、EPUB形式の電子書籍を制作できるプラットフォームサービス。製作後はウェブブラウザー上で表示を確認できるほか、一般公開も行える。また、EPUBファイルをダウンロードすることも可能。

 ウェブブラウザーの表示フォントには「IPA明朝」が採用されているが、ウェブブラウザーで電子書籍を表示する際に、設定メニューから「Webフォント」をオンにすると、表示フォントが秀英体に切り替わる。また、秀英体が印刷用フォントとしても搭載されているため、EPUBファイルを印刷出力する際にも利用可能。

 DNPではこれまで、ボイジャーが1994年に開発した電子書籍リーダー「エキスパンドブック」(エキスパンドブック形式)や、「T-Time」(ドットブック形式)へも秀英体フォントのライセンス提供を行っており、今後もさまざまなデジタル出版サービスや電子図書館サービスなどへ秀英体フォントのライセンス提供を行っていくという。