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20周年を盛り上げる「PostPetVR」、クラウドファンディングが残り1週間

スマホ版「PostPetVR Lite」も開発中

 ユーザーがソフト内で飼っているピンクのテディベア「モモ」をはじめとしたペットを介し、メールをやりとりできる愛玩電子メールソフト「PostPet」が、2018年1月で誕生20周年を迎える。

 これを受けてソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(So-net)が始動したアニバーサリープロジェクトの一環として、PostPetの開発メンバーが設立した株式会社ペットワークスでは、Windows向けのVRアプリ「PostPetVR」の開発を開始。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」では、PostPetVRへの支援を1月30日まで受け付けている。

 PostPetVRの対応環境はWindowsで、VRゴーグルは「HTC Vive」と「OculusRift CV1」に対応するが、今後の支援次第によっては、GoogleのVRヘッドセット規格「Daydream View」への対応も視野に入れているという。

 「開発進捗ご案内コース」(5000円)では、アプリ内で氏名が掲示されるなどの特典がある。このほか、3~4月に都内で開催予定の体験会でPostPetVRのプロトタイプが体験できる「体験会ご招待コース」(9000円)、PostPetVRのアプリがダウンロードできるHTC Vive/OculusRiftの各コース(各1万5000円)、両アプリダウンロードに加えて体験会にも参加でき、モモの復刻版ぬいぐるみも提供される「ナースコース」(2万8000円)、ユーザーがPostPet V3で過去に飼っていたペットをPostPetVR内に召喚できる「ドクターコース(V3ペット召喚付き)」(3万6000円)などが用意されている。1月24日現在では、目標額の360万円には達しないものの、すでに160万円以上が集まっている。





 今回のクラウドファンディング支援が目標額に達しない場合も、「PostPetVRは完成させる」(ペットワークスの八谷和彦氏)とのことだが、クラウドファンディングの支援額次第では、スマートフォン版PostPetの開発を目指すという。Unityで開発が進められているのも、スマートフォン版をにらんでのことだ。スマートフォン版では「メーラーではなくメッセンジャー」になることが考慮されているとのこと。

「お部屋」の庭には温泉、VRでモモを洗えるように

 メディア向け体験会での試用では、モモとコモモが画面上に現れ、アンノウンに扮したユーザー自身の右手をモモが追いかけてくるところまで開発が進んでいた。VRのフィールドはPostPetでおなじみの「お部屋」で、その周りを庭が取り囲んでいる。庭には温泉が新たに設置されていた。「触ってモモを洗うこともできるようになる」見込みだという。モモを直接触ることができなかったのは残念だが、VRならではの没入感あるフィールドで、かわいらしいキャラクターと一緒に楽しめるコンテンツとなっていた。

 コンテンツの制作には、PostPet V3のデータがそのまま使われている。VR上のモモは「400ポリゴンくらい」(八谷氏)で描かれるなど、現在のVRコンテンツで主流と言えるシューティングやFPSなどのゲームのグラフィックとは一線を画すものだ。実際に開発を行っているペットワークステクニカルディレクターの幸喜俊氏が「16×16ピクセルのドット絵をVRにしても面白い」と述べていたように、女性を中心とした従来にないユーザー層へ届く可能性を持ったVRコンテンツになる可能性を秘めている。今後は、メールソフト「PostPet」でおなじみのキャラクターやアイテムを実装していくとのこと。モモを触って抱きしめたり、おやつをあげたりといったインタラクティブな実装も目指すという。

 ペットワークスでは、VRゴーグルの対象年齢以下の子どもや、VRゴーグルのないユーザーが体験できるスマートフォン向けの「PostPetVR Lite(β)」も開発する。対応端末はAndroid 4.4以上とiOS 9以上で、5月下旬ごろに、クラウドファンディングの支援者向けに配信予定。試作版となるため2カ月の使用期限が設けられる。下部に穴の開いたオリジナルデザインのハコスコを使用し、VRコンテンツを楽しんでいる最中に、直接指を差し入れて画面に触って操作することもできるようになるという。オリジナルデザインのハコスコは9000円以上の支援者に提供予定だ。