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小中高のスマホ保有率が上昇、スマホを持たない高校生は20人に1人~政府調査

 内閣府は、2016年11~12月に満10~17歳の5000人を対象として実施した「青少年のインターネット利用環境実態調査」の速報結果を公開した。インターネット利用率は80.2%で、利用機器はスマートフォンが47.2%でトップ。以下、携帯ゲーム機(21.7%)、タブレット(20.9%)、ノートパソコン(17.3%)が上位となった。

 機器の利用率は91.4%。機器利用率とインターネット接続率の差が大きいのは携帯ゲーム機(40.0%と21.7%)、据え置き型ゲーム機(23.3%と11.6%)、携帯音楽プレイヤー(18.2%と7.8%)など。年齢別で見ると、機器保有率は小学生で84.2%に達しているが、ネット利用率は61.8%と差がある。機器保有率は中学生、高校生になるにしたがって上がり、ネット利用率との差も縮まっていく。これは、低年齢では必ずしもネット接続が必須ではないゲーム機の保有率が多いことが推測される。

各機器の利用率とインターネット利用率
機器利用率の経年比較

 スマートフォン保有率は、小学生では2014年の17.1%から、中学生では41.9%から、それぞれ10ポイント近く増加している。高校生になると、スマートフォンを保有しない割合が、20人に1人までに減っている。

スマートフォン利用率の経年比較

 利用内容を年代別に見ると、全体的にネット利用率の低い小学生で、ゲームの78.1%、動画視聴の60.5%が特に高い。コミュニケーションは、小学生では32.5%にとどまるが、中学生では67.2%に増加、高校生では90.6%に達する。音楽視聴も小学生が28.2%、中学生が62.7%、高校生が82.2%と増加していく。

青少年のインターネットの利用内容

 平日1日あたりのインターネット利用時間を見ると、2014年から2015年にかけてはほぼ横ばいだったが、2016年には約12分増加し、平均で約154分となった。年齢が上がるにつれて長時間になる傾向があり、高校生では5時間以上が20.5%。また、高校生におけるスマートフォンでのインターネット利用時間は、2時間以上が72.1%を占めた。

 スマートフォンによる無線LAN利用率は89.3%だった。若年層ほど低い点は変化していないが、年代問わず増加している。

青少年のインターネットの利用時間(平日1日あたり)
青少年のスマートフォンによる無線LAN回線の利用率の経年比較

 調査は、2009年4月に施行され、民間事業者へのフィルタリングや、保護者に対して適切にネット利用させる義務を定めた「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」の施行状況を調査するためのものと位置付けられており、概要版と報告書が3月末までに公開される予定。