日本の音楽配信は今後PC向けが拡大、シード・プランニング予測


 シード・プランニングは17日、日米の音楽配信ビジネス市場動向調査の結果を公表した。調査では、4月6日から5月20日までの期間、レコード会社や音楽配信事業者、インターネットサービス事業者、携帯電話キャリアなど合計34社を対象に、直接訪問および電話取材、オープンデータ調査を行った。

 調査によれば、世界の音楽市場(パッケージと配信含む)は、2008年が2兆7400億円で、2004年の約80%にまで縮小した。また、音楽パッケージ市場は年々減少を続けており、2008年は2004年の64%にまで縮小。一方、音楽配信市場は2008年には2004年の約11倍の6000億円に達した。なお、世界の音楽配信市場の国別シェアは、1位が米国、2位が日本で、この2カ国で全体の64%を占めるという。

 音楽配信には、PCを利用してダウンロードするPC向け音楽配信と、携帯電話でダウンロードするモバイル向け配信がある。2つの配信の比率を見ると、米国ではPCが70%で、モバイルが30%。日本ではPCが12%で、モバイルが88%だった。

日米の音楽配信(PC/モバイル)の割合

 2008年の日本の音楽市場(パッケージと配信含む)は4980億円だった。シード・プランニングは、日本市場は今後、2014年まではほぼ5000億円のラインで推移し、2018年には若干増加の5300億円になると予測している。

 日本のモバイル配信については、2008年で1000億円以上に達している。シード・プランニングでは、「モバイル配信は、伸長率は低下しながらも今後も市場を拡大する」と予測。ただし、「今後はPC配信の伸び率のほうが優勢になる」と見込んでおり、モバイル配信の割合は徐々に低下し、2018年には57%にまで低下すると予測した。

 シード・プランニングは、PC配信が拡大する理由について、「海外では、広告収益によるPC向け無料音楽配信サイトが出てきており、それが日本でも始まれば、PC配信が盛り上がるだろう」とコメント。また、「今後は団塊の世代がパッケージではなく配信に興味を持つようになる。利用するとなれば、携帯電話よりもPCだろう」と説明した。

日本の音楽配信市場、2018までの予測


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(野津 誠)

2009/6/18 18:29