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児童ポルノ禁止法改正にMIAUが声明、真に児童を守るための施策を


 一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)は10日、国会で審議中の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(児童ポルノ禁止法改正案)」についての緊急声明を発表した。

 MIAUでは、「子供たちに対する性的搾取及び性的虐待の発生しない社会の実現を、私たちは強く望んでいる」としながらも、今回の改正案が子供たちを守る仕組みとして不十分と指摘。その一方で、一般国民の生活やインターネット利用に大きな弊害を生む可能性があるとし、改正にあたっては、1)児童ポルノの定義を客観的・限定的にすること、2)処罰対象を曖昧にせず、客観的にすること、3)冤罪の可能性がある処罰の新設ではなく確実な法執行で児童を守ること、4)インターネットの規制の前に憲法や他の法律等との整合性を取ること、5)今後に向け、本当に児童を守るための施策を検討すること――の5点を考慮すべきと訴えている。

 MIAUのサイトでは、緊急声明についての解説も掲載している。インターネットに深く関わることとしては、上記の4)に関して、与党案ではインターネット事業者に対して、捜査機関への協力や、「当該事業者が有する管理権限に基づき児童ポルノに係る情報の送信を防止する措置その他インターネットを利用したこれらの行為の防止に資するための措置」を求めている点について、児童ポルノの範囲を越えたコンテンツの事前審査を事業者に求めることと解釈される恐れを指摘している。

 また、5)に関しては、与党案の附則において、「児童ポルノに類する漫画等の規制」の調査研究の推進と、3年後の規制導入の検討を盛り込んでいる点について、「児童に対する性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的」から逸脱すると指摘。また、同じく「インターネットによる閲覧の制限」の技術開発の促進の配慮を政府に求めている点について、「通信の秘密の問題など、憲法上の問題が検討・解決されているといえない現段階において、導入を既定路線とするような附則は設けるべきではない」としている。


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(永沢 茂)

2009/7/10 18:52

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