ボットネットに関与したISPの接続停止で世界のスパムが38%減少


 メッセージラボジャパンは3日、2009年8月度におけるスパムメールやウイルスメールに関する月例レポートを公開した。今回のレポートでは、ボットネット「Cutwail」の活動レベルがラトビアのISPの接続停止によって90%低下したことを説明している。

 ラトビアのISP「Real Host」は、感染したボットネットの指揮管理サーバーにリンクされている疑いで、8月1日に接続が停止された。その後、48時間で世界全体のスパム量が38%減少したという。ただし、「ほんの数日で元のレベルに戻り、Cutwailボットネットが回復と自己改造の点でいかに優れているかを示した」としている。

 8月のメールトラフィック全体に占めるスパムの割合は88.5%で、前月比0.9%減となった。また、8月は「Donbot」と呼ばれる別の大規模なボットネットが引き続きスパムで短縮URLを使用。ピーク時には1日に100億件のメールを配信したことが確認されたという。「現在の新型インフルエンザの流行により健康関連の問題への関心が高まっていることを利用して、Donbotは最近、これまでで最大の短縮URLスパム攻撃を行った」とのこと。

 また、8月に検知されたWebベースのマルウェアのうち新種のものは45.4%で、前月比で44.7%の大幅な増加となった。また、メッセージラボインテリジェンスによれば、マルウェアやその他の迷惑プログラム(スパイウェアやアドウェアなど)をホストする新しいWebサイトが1日に平均3510件発見されているという。この件数は、前月比で0.01%減少した。

 国・地域別で見ると、8月は香港がスパム最多受信国で、メールトラフィックに占めるスパムの割合は93.4%となった。また、米国は89.5%、カナダは88.7%で増加。その他の国は減少したものの、イギリスは91.6%、ドイツは90.4%、フランスは90.7%、オランダは86.3%、日本は89.2%だった。


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(野津 誠)

2009/9/3 12:46