小中学生を対象に「Google」ロゴデザインコンテスト、日本初開催


 グーグルは、全国の小中学生を対象に「Google」ロゴのデザインコンテスト「Doodle 4 Google」を日本で開催する。「私の好きな日本」をテーマに、自分の住む町や地域の特色をあしらったロゴを募集する。グランプリ作品は、実際にグーグルのトップページで表示する。応募締め切りは12月22日。

 「Doodle(ドゥードゥル)」とは、英語で「いたずら書き」の意味。グーグルでは時折、祝日や記念日、偉人の誕生日などに、「ホリデーロゴ」と呼ばれる、通常とは異なるデザインのGoogleロゴを表示しており、これを同社では「Doodle」と呼んでいる。「Doodle 4 Google」は、「Doodle」のデザインを子ども達から募集するコンテストだ。


オーストラリアで行った「Doodle 4 Google」のグランプリ作品中国で行った「Doodle 4 Google」のグランプリ作品

 参加資格は、日本在住の小中学生。学校のクラスやサークルなどのグループ単位で先生がとりまとめ、作品を応募するかたちとなる。参加を希望する先生はまず、コンテストのWebサイトなどから参加申請を行い、グループの人数分のキットをグーグルから送付してもらう。キットには、テーマ説明やサンプルデザイン、世界の子ども達の作品などを掲載した作成ガイドブックのほか、台紙や参加賞のGoogleオリジナルステッカーが含まれる。

 作品制作にパソコンは不要で、A4サイズの用紙での郵送受け付けとなる。パソコンのペイントソフトなどで制作することも可能だが、その場合はプリントアウトしたものを提出する必要がある。

 作品は、グループ全員の作品を郵送してもらうが、コンテストの審査にかけられるのは、その中の1作品。グループであらかじめ代表1作品を決め、説明書を添付する。代表作品以外も郵送してもらうのは、コンテストに参加したという実感を全員に持ってもらうためだという。


応募の流れ審査の流れ

 応募作品は、小学校低学年(1~3年生)、小学校高学年(4~6年生)、中学生の3部門に分けて審査する。12月22日の締め切り後、グーグル社員の委員会が一次審査を行い、各部門50作品ずつ、計150作品を優秀作品として選出。今回は地域の特色を反映したロゴがテーマということで、北海道、東北、北関東、南関東、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州の10地区からそれぞれ5作品ずつを選ぶかたちになるという。

 さらに、これら150作品を12月26日にWebで公開し、2010年1月22日までの約1カ月にわたって一般からのオンライン投票を実施。この二次審査により、部門ごとに各地区から1作品、計30の地区代表作品を選出する。

 その後で最終審査に入り、2月下旬に表彰イベントを開催。各部門の最優秀作品を1作品ずつ発表し、さらにその中からグランプリ1作品を決定する。グランプリを獲得した1名には、ノートパソコン1台と、所属する学校へPC助成金200万円、部門最優秀賞2名には、ノートパソコン1台と、PC助成金50万円が贈られる。

 グランプリ作品は3月中に1日間、グーグルのトップページに表示される。また、受賞作品については3月以降、インターネット上だけでなく、各地の美術館にも展示していきたいという。

日本開催を決めたのは、女子中学生からのファンレター

 「Doodle 4 Google」コンテストは、2006年に英国で初めて行われ、次いでオーストラリアでも2007年に実施。以降、2カ国で毎年実施しているほか、米国、中国、インドなど14カ国でこれまでに開催されてきた。最近、英国で開催された際には、3万2000校がコンテストのキットを受け取り、そのうち15%の学校が実際にコンテストに参加。30万作品以上が制作され、1万5000件の応募があったという。

「Doodle 4 Google」日本開催のきっかけとなった、中学1年生の女の子が考えたDoodle

 今回、初開催となる日本は15カ国めとなるが、もっと早くから実施しなかった理由について、グーグルのシニアウェブマスターで、Googleのロゴデザイナーでもある川島優志氏は、「日本の子ども達にどれぐらい浸透しているか不安で、二の足を踏んでいた」と話す。しかし今年6月、印象的な出来事があり、開催を決意するに至ったという。

 川島氏によると、中学1年生の女の子からグーグルに“ファンレター”が届き、そこには、カタツムリと傘をさしたカエルをあしらったGoogleのロゴが描かれていた。美術の授業でロゴについて勉強した際にユニークなデザインのDoodleを知り、自分でも考えてみたのだという。「もし、気に入ってくだされば、6月17日の私の誕生日に採用していただけるとうれしいです」。

 さすがにこれをそのまま採用するわけにはいかなかったが、川島氏は、このかわいらしいロゴを貼り付けたグーグルのトップページをテストサーバー環境で作成し、画面キャプチャを返事として送った。「子ども達にも少しずつDoodleが知られるようになった。Doodleを描きたいという子ども達に場を提供してあげるため、背中を押された」。

 グーグルのマーケティングマネージャーである馬場康次氏は、コンテストのテーマである「私の好きな日本」について、「自分の住んでいる町や地域に、地域の宝があると思う。コンテストをきっかけに、地域の特色を見つめ直すきっかけになれば」とコメント。ロゴデザインだからといって美術や図工の授業に限らず、地域について学ぶ授業や課外活動などの中で広く取り組んでもらいたいと訴えた。全国約3万3000校の校長宛にコンテストのパンフレットを送付し、参加を呼び掛ける。


グーグルのシニアウェブマスターの川島優志氏グーグルのマーケティングマネージャーの馬場康次氏

関連情報

(永沢 茂)

2009/10/30 19:19