Gmailに統合された“つぶやき”ネットワーク「Google Buzz」発表
米Googleは9日、Webメールサービス「Gmail」に統合されたソーシャルネットワーク「Google Buzz」を発表した。Twitterによく似たテキストによる“つぶやき”だけでなく、写真や画像、動画をその場で見ることができ、Gmail利用者には設定が不要という簡便さが売りだ。これらのいわゆる“つぶやき”のことを、「Google Buzz」では“バズ”と呼んでいる。iPhoneやAndroidなどにも対応しており、出先から携帯端末で地理的情報とともにつぶやくことも可能だ。
●よくメールする相手などフォロー、“つぶやき”送信
Googleでは、数日以内に全Gmailアカウントで「Google Buzz」を利用可能にすると発表している。利用可能な状態になれば、Gmail受信箱の下に「Buzz」というリンクが表示されるようになる。
「Google Buzz」概要紹介ページ |
「Google Buzz」の利用開始には、そのリンクをクリックすればよい。最初に、Gmailでよくメールを送受信する相手、よくチャットする相手が、自動的に「Google Buzz」のソーシャルネットワークに登録され、いわゆる“フォロー”することになる。また、同じGoogleアカウントを利用している「Googleリーダー」もデフォルトで関係付けられる。手動では、Twitterと米Yahoo!のFlickrに関係付けることができる。
「Google Buzz」で“バズ”するには、自分のユーザーネームの隣のテキストボックスにつぶやきたいことを入力する。このバズは、自分のフォロアーに送信され、リアルタイムにアップデートされていく。更新は自動だ。それにコメントするには、バズの下のコメントリンクをクリックし、書き込む。コメントなどは受信トレイに送信される。
バズする際には、投稿を公開するか(一般公開)、特定の人だけが見られるようにするか(限定公開)を設定できる。パブリックにした場合、すべての人が見ることができる。プライベートにする場合、自分の連絡先に掲載されている人、あるいはその一部を選択して投稿できる。これらはテキストボックスのドロップダウンメニューから設定可能だ。
特にコメントすることがない場合、「Like」または「Unlike」をクリックして好き・嫌いの意思表示ができる。誰かに直接返信する場合には、ユーザーネームの前に「@」をつけてバズすればよい。また、例えば仕事に集中したいときなどに、流れるバズ表示を止めたい場合には、キーボードショートカットの「m」を押すことによって「ミュート」できる。
設定画面から自分をフォローしている人を確認したり、誰かを探して新たにフォローしたり、アンフォローすることなども可能だ。誰かからフォローされたくない場合には、相手に通知せずにそうすることもできる。
さらに、自分がフォローしていない人でも、お勧めバズが緑色のタグとともに表示されることもある。お勧めは、バズが静かな時間帯や、フォロアーの数が少ない場合に表示されることが多いという。
Gmailにはバズ検索機能も追加された。いくつかの検索オプションを付けることによって、動画や画像が含まれているバズ、特定の人によるバズ、自分がコメントしたバズなどを検索できるようになっている。
バズに投稿した画像は、自動的にGoogleアカウントと連動した「Picasa ウェブ アルバム」に保存される。これらの画像は埋め込み型ビューワーによってその場でフルスクリーンで閲覧可能だ。動画も、バズのインラインで再生できる。
また、Googleリーダーにも統合されているため、Googleリーダーを利用している最中に、気に入った記事を画面内からそのまま共有できる。
●AndroidとiPhoneでは音声認識で“つぶやき”投稿可能
「Google Buzz」は携帯端末からも利用できる。利用する方法は4つある。1)Webアプリケーションの「buzz.google.com」、2)「Google.com」のBuzzショートカット、3)「Google Maps for mobile」のBuzzレイヤー、4)iPhoneまたはAndroid上の音声検索機能だ。
まず、Webアプリケーションの「buzz.google.com」では、その場でバズの投稿・閲覧が行える。また、自分の居場所の近くにタグされたバズも表示できる。
「Google Maps for mobile」のBuzzレイヤーからは、自分の周辺または地図上の特定の場所のバズや、バズとともに投稿された写真などを見ることができる。
また、「Google.com」の右上にあるBuzzアイコンをクリックすると、そこから「Google Buzz」に投稿が可能だ。
Androidの「Quick Searchウイジェット」またはiPhone上の「Google Mobile App」の音声認識検索機能からは、「post buzz」と話しかけた後につぶやきたい文章を話しかけるだけで、音声認識機能によりバズの投稿が行える。
現時点でWebアプリケーションの「buzz.google.com」は、AndroidとiPhoneに対応しており、他のプラットフォームではまだ準備が行われている段階だ。一方、「Google Maps for mobile」のBuzzレイヤーは、AndroidとiPhoneのほか、Windows Mobile、Symbianでも利用可能だとしている。
「Google Buzz」は、すべてのGmail利用者を対象にしているため、利用したくない場合の対応も重要だ。そのため、Gmail画面最下部「Basic HTML」リンクの近くに「Disable Buzz」リンクがあり、バズ機能をオフにすることが可能となっている。
Googleでは「Google Buzzを会話のための完全にオープンで分散したプラットフォームにすることが目標だ」としており、開発者向けに完全なリード/ライト用APIを公開している。
「Google Buzz」の各機能は、文字制限が特にない以外はTwitterに極めてよく似ている。今後、「Google Buzz」の利用者がどの程度増えるのか、Twitterとの共存は可能か、利用傾向の違いなど、さまざまな動向に注目が集まりそうだ。
関連情報
(青木 大我 taiga@scientist.com)
2010/2/10 11:51
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