ソニーのVAIOやキヤノンの「DR-150」などが「Evernote」と連携


 米Evernote Corporationは3日、テキストや画像、音声データなどを保存できるオンラインサービス「Evernote」の日本語版を開始。これに合わせて、ソニーやキヤノンマーケティングジャパンをはじめとした、日本国内でのパートナーシップ施策を発表した。

ソニー、VAIO全製品に独自機能を盛り込んだEvernoteを搭載

 ソニーでは、今後日本国内で発売する「VAIO」シリーズ全製品にEvernoteクライアントをプリインストールする。具体的なプリインストール時期は未定だが、すでに海外でも同様の発表が行われている。

 VAIO向けの独自機能として、本体に内蔵するWebカメラで撮影した写真や名刺をEvernoteにアップロードできる「Web Cam Note」機能を用意。また、Windowsを起動せずにインターネット利用が可能な「Quick Web Access」を搭載する機種では、Webページを1クリックでEvernoteに保存できる「Web Clipper」機能も利用できる。


VAIOにEvernoteクライアントがプリインストールされる本体内蔵のWebカメラを使ったアップロード機能などを盛り込む

キヤノンMJ、「DR-150」で4月をめどにEvernote投稿機能を提供


「imageFORMURA DR-150」。Evernote連携機能とともに、Macにも対応する

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)では、2009年10月に発売した小型ドキュメントスキャナー「imageFORMURA DR-150」で、取り込んだ文書をEvernoteにアップロードできる連携機能を2010年4月をめどに提供する予定。合わせて、Mac OS X 10.4移行で動作するMacintosh対応ソフトも公開する。

 Evernoteの連携機能では、斜行補正や白紙スキップなどの、DRシリーズが持つ画像処理機能を施して、文書をPDF化してアップロードが可能。また、ボタンの割り付け設定をすることで、本体ボタンを押下して取り込みからアップロードをワンタッチで完了させることもできる。


Evernoteに取り込む際のジョブ設定画面取り込んだ文書をEvernoteへアップロードしたところ

ドコモは「Xperia」にバンドル。Eye-Fiは1年間利用権を付与


NTTドコモは「Xperia」にバンドル

 NTTドコモでは、4月に発売予定の「Android 1.6」を搭載したスマートフォン「Xperia」で、Evernoteのアプリケーションをバンドル提供する。Android関連では、Evernote社はトリワークスが運営するAndroid情報サイト「アンドロイダー」とも提携しており、Evernoteの紹介が同サイトで順次行われる予定という。

 無線LAN機能を搭載したSDカード「Eye-Fiカード」を販売するアイファイジャパンは、2GB容量の「Eye-Fi Share(7980円)」を直販サイトで購入したユーザーを対象にしたキャンペーンを3月3日から5月31日まで実施。キャンペーンでは、5200円相当のEvernoteプレミアム会員費(1年分)が無料になるクーポンが付与される。


Android情報サイト「アンドロイダー」アイファイはEvernoteプレミアム会員の1年間利用権クーポンを付与

Evernoteのデータからスケジュール登録するiPhoneアプリなども

 インフォテリアでは、近日中に正式提供を開始するiPhone向けカレンダーアプリケーション「TwitCal(ツイットカル)」で、Evernoteとの連携機能を提供。Evernoteに保存したメモや画像データから、日付や時刻、件名などのスケジュール情報を抽出して、「TwitCal」のカレンダーに自動で登録する。スケジュール情報の抽出時には、事前に指定したキーワードにマッチした情報のみを限定して登録することも可能だという。


「TwitCal」はEvernote連携機能に加えて、Twitterとも連携予定横持ち時にはカレンダーとスケジュールを同時に表示

 バリューイノベーションでは、同社が展開するブランド「abrAsus」のメモ帳「保存するメモ帳」にA4用紙を折りたたんで持ち運び、必要に応じてメモした内容をスキャナーで取り込んで、Evernoteにアップロードする利用シーンを紹介した。バリューイノベーションでは今後、Evernoteのロゴを刻印したモデルの発売も検討する。


「abrAsus」の「保存するメモ帳」今後、Evernoteロゴを刻印したモデルの発売も検討

 このほか、Evernoteを解説する書籍として、インプレスジャパンから「できるポケット+Evernote」が3月5日に1260円で発売。また、電子書籍「Evernoteハンドブック」も紹介された。なお、こうしたEvernoteの解説本が発売されるのは、今回が世界で初めてだという。


Evernoteの関連書籍も発売になる発表会にはパートナー各社も出席した

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(村松 健至)

2010/3/3 20:10