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文化庁が海賊版調査、違法アップロード被害を権利者の6割が把握


 文化庁は6日、海賊版被害に関する調査結果を同庁のサイトで公開した。2009年6月29日から8月7日までアンケートを実施し、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)や日本レコード協会(RIAJ)、日本音楽著作権協会(JASRAC)の加盟企業など100社から有効回答を集めた。

 2008年度に自社コンテンツがインターネット上に違法アップロードされるなど、「ノンパッケージ形態」による海賊版被害を「把握している」と答えたのは61%(61社)。一方、「把握していない」は39%(39社)だった。

違法アップロード先は「YouTube」が多数

違法アップロード先のサーバー、違法アップロード元、違法コンテンツのダウンロード元の国・地域

 ノンパッケージ形態での海賊版被害を把握していると回答した61社に対して、2008年度における違法アップロードの事例を聞いたところ、違法アップロード先となっているサーバーの所在国・地域では中国(香港含む)が最も多く、以下は米国、日本の順だった。

 同様に、違法アップロード元となっている国・地域では中国、日本、米国の順だったほか、違法アップロードコンテンツがダウンロードされた国・地域では多い順に日本、中国(香港含む)、米国が挙げられ、いずれの項目でも日本の割合が高かった。

 違法アップロード先のサイト名(複数回答)については18件の回答があり、最も多かったのは「YouTube」で88.9%、次いで「veoh」が38.9%、「ニコニコ動画」「Dailymotion」が各33.3%、「PANDRA.TV」「youku.com」が各22.2%だった。

 日本で違法アップロード先となったサイト・サービス(複数回答)では、「動画投稿サイト」が54.1%と最も多く、次いで「個人HP、ブログなど」が42.6%、「ファイル交換ソフト」が41.0%、「オンラインストレージサービス」が26.2%の順だった。

海賊版対策の実施率は51%、対策費用の平均額は年間490万円

各国で実施している海賊版対策の内容

 書籍・雑誌・CD・DVDなどパッケージ形態や、インターネット上のノンパッケージ形態を問わず、海賊版対策を実施しているという企業は全体の51%(51社)で、海賊版対策を実施していないという49%(49社)とほぼ均衡していた。

 日本で実施している海賊版対策(複数回答)としては、「ネットオークション対策」(64.7%)が最も多く、次いで「動画投稿サイトなどへの違法アップロード対策」(58.8%)、「CD、DVDなどパッケージ形態での海賊版への対策」(49.0%)、「P2P対策」(25.5%)の順となった。

 また、海賊版対策を実施していると回答した51社のうち、海賊版対策に関する会社の基本方針が「示されている」と答えたのは64.7%と半数を上回った。

 同様に、海賊版対策費(人件費を除く)の年間総計では、「100万円未満」が43.1%と最も多く、以下は「100〜500万円未満」が13.7%、「3000万円以上」が7.8%、「500〜1000万円未満」が5.9%など。「支出していない」という回答も15.7%あった

 なお、「100〜500万円未満」を300万円に、「500〜1000万円未満」を750万円にするなどの中間値を設定し、回答者の海賊版対策費の平均値を算出すると、490万円になるとしている。

海賊版対策「効果あり」は4割以下、対策しない理由は「費用が膨大」

 海賊版対策を実施していると答えた51社のうち、「効果が上がっている」という回答は39.2%にとどまり、「効果が上がっているとは思わない」が54.9%で半数を上回る結果となった。

 また、海賊版対策を実施していない49社に対して、その理由(複数回答)を聞いたところ、最も多く挙がったのは「事業規模に比して、海賊版対策にかかる費用が膨大」が49.9%、以下は「海賊版に割く人員がない」が38.8%、「その他」が30.6%と続いた。

 調査ではこのほか、書籍・雑誌・CD・DVDなどパッケージ形態の海賊版被害に関する現状もとりまとめている。それによれば、パッケージ形態の海賊版被害を把握している企業は49%だったという。


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(増田 覚)

2010/4/6 19:47