IPAが「IT人材白書2010」、職場満足度は高いが将来への不安も


 情報処理推進機構(IPA)は、IT企業やユーザー企業、教育機関、IT人材などへの調査をとりまとめた「IT人材白書2010」を5月に発行する。7日、概要をIPAのサイトで公開した。IT企業が求める人材像やIT人材のキャリア意識、IT利活用に求められる社会人の基礎知識などが盛り込まれている。

 IT人材の動向では、IT企業における人材の量的不足感が後退し、一部の企業で過剰感が強まっていると指摘。職種に関しては不況の影響もあり、開発系の人材から技術系や運用系の人材への需要が高まっているという。開発部門に関してはオフショア開発などグローバルなIT人材の活用が着実に進んでいることがわかったとしている。

 IT人材の職場に関する満足感では、「休暇の取りやすさ」「職場の雰囲気」「プライベートとの両立」の項目について、「満足」「どちらかといえば満足」と答えた人の合計が6割を超えるなど、「世間で言われる3Kのイメージとは大きく異なる」と指摘。その一方、「勤務先の将来」や「自身のスキルが将来も通用するか判らない」など、将来への強い不安を感じる人も多かったとしている。

 IPAでは、IT人材が活き活きと働くためには企業が将来像やビジョンを明確にする必要があると指摘。また、IT技術者個人については、たとえ技術が変わろうとも価値ある技術者であるよう自ら努力し続ける必要があるとしている。


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(増田 覚)

2010/4/7 17:05