ネットでは当たり前の商品検索をリアル店舗でも、iPad活用した店頭端末
「ミライタッチ for iPad」として開発したニューヨーカーのアプリ |
五反田電子商事は19日、iPadを使ったリアル店舗向けの販促ソリューション「ミライタッチ for iPad」を発表した。取り扱い商品の詳細情報を来店者に提供することで、売り上げが減少傾向にあるというリアル店舗の販売活性化につなげるのが狙い。スーツなどを販売するアパレルブランドのニューヨーカーが導入することが決まっている。
「ミライタッチ for iPad」は、リアル店舗とオンラインショップを並行して展開している企業を対象に提供する。リアル店舗では商品の実物を見て購入するかどうか決められるメリットがある一方、大型店などでは店内にある購入目的カテゴリーの商品をすべてチェックしてから購入商品を決めることが難しいという物理的なネックがあった。また、顧客への商品情報の提供なども店員のスキルに頼っていた面があるという。
「ミライタッチ for iPad」では、検索機能や新着情報、売れ筋ランキングなど、オンラインショップでは当たり前にある機能で、消費者の購入を左右する重要な要素でもあるコンテンツを、店頭でも来店者がiPadで確認できるようにする。すでにあるオンラインショップのこれらのコンテンツを活用し、新たにコンテンツを制作することなく、iPad向けに変換して提供する。
ニューヨーカーでは、まず越谷レイクタウン店(埼玉県越谷市)において5月22日に導入。ブランド全商品の検索機能、商品のコーディネートを画面上でシミュレーションできる機能のほか、リアル店舗の割引チケットが当たるトランプゲームなども用意する。全商品の情報にはQRコードを表示。携帯電話で撮影・ブックマークしてもらうことで、来店者がその場では購入しなくとも後からモバイルショッピングで購入できるよう配慮した。
価格は、システム設計・開発、店員の研修などを含む初期導入費が315万円。組み込める機能は、検索、ランキング表示、拡大写真やスペックなどを表示する商品詳細表示、マルチリンガル対応、顧客のメールアドレス登録機能など、11機能から5機能を選択できる。6機能以上を実装したい場合は、1機能につき別途31万5000円かかる。データ保守などを含む月額費用は21万円となっている。なお、iPadは導入企業側が実費負担する。
なお、開発したiPadアプリは業務用に提供するものだが、導入企業側の意向により、デジタルカタログなどとして広くApp Storeで公開することも考えられるとしてる。
五反田電子商事は、食材販売サイト「Oisix(オイシックス)」の立ち上げメンバーの1人である吉田卓司氏が代表取締役を務める会社。ECサイトのコンサルティングや運用などを手がけるオイシックスECソリューションズが2009年12月に社名変更した。アパレル企業などのECサイト構築で実績があり、ECサイトのノウハウなどをリアル店舗の販促に活用できるソリューションとして「ミライタッチ for iPad」を開発したという。
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(永沢 茂)
2010/5/19 16:57
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