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シンセサイザーもクラウド化? ヤマハが「クラウド型VST」開発


 ヤマハ株式会社は11日、ネットワーク経由で高度な音声処理や音楽制作の機能を利用できる技術「クラウド型VST」を開発したと発表した。

 VST(Virtual Studio Technology)とは、シンセサイザーやエフェクター、ミキサーなどの楽器や音響機器をソフトウェアで再現し、それらをコンピューター内部で仮想的に接続できる規格のこと。もとは独Steinberg Media Technologiesが発表した技術だが、現在は音楽制作ソフトの標準的なプラットフォームとして広く普及しており、シンセサイザーの名器を再現したソフトをはじめ、数多くの製品がVSTプラグインとして提供されている。

 ヤマハが開発した「クラウド型VST」は、高い計算能力を必要とするエフェクターなどのVSTプラグインをサーバー上に実装し、ネットワーク経由で必要な機能を必要な時に利用できるようにするもの。高度な音声処理はサーバー側で行うため、携帯電話や携帯ゲーム機など、処理能力の低い端末からでもクラウド上のVSTプラグインを利用できるという。端末が異なっても、同じVSTプラグインを同じ設定で利用できるメリットもあり、スタジオではPCから、移動中は携帯電話からというように、シームレスな制作環境が実現するとしている。


「クラウド型VST」概念図

 既存のVSTプラグインについては、プログラムそのものを書き直すことなく、「クラウド型VST」に対応できるという。端末側での操作・表示を行うための「プラグインドッグ」で動作するプログラムを開発するだけでいいとしている。また、VSTプラグインはサーバー上で一元管理されるため、不正コピーの心配がなく、利用時間や利用量に応じた課金も可能だとしている。

 ヤマハでは、「音楽制作者だけでなく、音・音楽に関する技術開発者、サービス提供者、さらに一般ユーザーなど、より多くの方々へ新しい音楽制作や音声処理の方法を提案していく」として、「クラウド型VST」の仕様を公開することも想定して開発を進めていくとしている。


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(永沢 茂)

2010/6/11 17:02