ソースネクスト、Evernoteをパッケージ版にした「スターターパック」
「EVERNOTE スターターパック」の概要 |
「Evernote」無料会員と有料会員向けサービスの違い |
ソースネクスト株式会社は、「Evernote」のプレミアム会員向けサービス3カ月分をパッケージ版にしたソフト「EVERNOTE スターターパック」を7月2日に発売する。価格は1500円。Windows 7/Vista/XPおよびMac OS X 10.6/10.5のほか、iPhone/iPod touch、Android OS 1.5以上などのスマートフォンからも利用できる。
Evernoteは、テキストファイルやスキャナーで取り込んだ文書、デジタルカメラで撮影した写真、PDFファイル、音声データなどをアップロードしてオンライン上に保存し、PCやスマートフォンなど、さまざまなクライアントで同期するサービス。Webブラウザーからの利用に加え、 WindowsやMac OS、iPhone、Androidなどで使えるアプリケーションも提供している。サービスは、米Evernote Corporationが運営している。
プレミアム会員向けサービス(月額5ドルもしくは年額45ドル)では、月ごとのアップロード容量上限が無料版の40MBから500MBに増える。機能面では、あらゆる形式のファイルを同期できるほか、PDFファイル内の文字認識、ノート更新履歴へのアクセス、iPhone/iPad /iPod touchでオフライン時のノート作成、SSL暗号化、広告非表示などの機能を利用することが可能。
ソースネクストが発売する「EVERNOTE スターターパック」には、Evernoteのプレミアム会員向けサービスを3カ月間利用するためのシリアルコードが入っており、同梱するCD-ROMからEvernoteの同サービスを利用できる。このほか、PDFファイル「EVERNOTEハンドブック」全4章のうち、基本操作と使い方を説明する1章と2章を抜粋した特別版を同梱する。
Evernoteのプレミアム会員の支払い方法はオンライン上のクレジットカード決済のみだが、パッケージ化されたことにより、現金やコンビニ払い、代引きなどの支払い方法が選べるようになった。ソースネクストによれば、Evernoteをパッケージ化したのは世界で初めて。家電量販店や書店、ホームセンター、スーパーマーケットなどで販売するという。
なお、プレミアム会員の利用期限が過ぎた場合は無料会員サービスに移行される。プレミアム会員を継続したい場合は、Evernoteのサイト上からプレミアム会員登録をする必要がある。ソースネクストでは、プレミアム会員を継続したいユーザー向けに、更新専用ソフトを販売することも検討しているという。
●EvernoteのリービンCEO「パッケージ版でメインストリーム市場を開拓」
ソースネクストの松田憲幸代表取締役社長(右)とEvernote Corporationのフィル・リービン(Phil Libin)CEO |
15日に開かれた会見では、ソースネクストの松田憲幸代表取締役社長とEvernote Corporationのフィル・リービン(Phil Libin)CEOが出席し、6月1日に発表された両社の提携の狙いや、「EVERNOTE スターターパック」の販売戦略などについて説明した。
Evernoteのユーザーは世界で約350人いるというが、リービン氏はその大半が「先進テクノロジーを喜んで使う人たち」と分析。今回のパッケージ版を通じて、「店頭でソフトを購入したいという、市場の多くを占めるメインストリームの人々」にサービスを届けられるとして、新たな市場開拓に意気込みを見せた。
「クラウド経由でサービスを購入することにためらう人は少なくない。パッケージ版には初心者向けのPDFファイルも入っており、完ぺきなソリューションと言える。ソースネクストとの取り組みは、長期にわたって続くパートナーシップの第1弾。今後もさまざまな展開を予定している。」(リービン氏)
Evernoteの国別会員登録数は米国の60%に次いで、日本が15%と2番目に多いという。日本市場についてリービン氏は、「PCや携帯電話、スキャナーとの連携など、Evernoteの重要な活動の多くは、世界に先駆けて日本で最初にスタートした」と述べ、最優先で取り組んでいる市場だとアピールした。
●ソースネクスト既存製品やiPhoneアプリに「Evernote」を組み込む
ソースネクストではこれまで、「ウイルスセキュリティ」や「筆王」など累計で3000万本のソフトを販売してきた。同社のECサイトだけでも、850万人以上が登録しているといい、松田氏は「これらのユーザーに『EVERNOTEスターターパック』を紹介することで、かなり広がるのではないか」と期待を示した。
今後は、「ウイルスセキュリティ」や「筆王」などに搭載されることが予想されるバックアップ機能、ソースネクストが提供するiPhone/iPad用アプリなどに「Evernoteのサービスを活用できる」と述べ、パッケージ版以外にもEvernoteとの業務提携を強化していきたいと話した。
松田氏はこのほか、同社のiPad用アプリ第1弾となる「超字幕/Discoverシリーズ」を開発しているとも発言。2010年度内には50タイトル以上のiPad用アプリを公開するという。
「Evernote」との連携対応について | iPad用アプリ第1弾となる「超字幕/Discoverシリーズ」を開発中だという |
関連情報
(増田 覚)
2010/6/15 15:41
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